MAG2 NEWS MENU

束になった「偽造書類」の厚さ70cm。和歌山・海南市が「事務処理上のミス」で片づける“隠ぺい事件”の恐ろしい実態

当サイトでもたびたび報じてきた通り、もはや地に堕ちたと言っても過言ではない和歌山県海南市の教育行政に対する信用。6月には被害者サイドが市教委らを相手取った刑事告訴に踏み切るなど、事態は深刻さを増すばかりとなっています。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、被害保護者への取材をもとに問題の経緯を詳しく紹介。さらに開示請求への対応や児童相談所への通告など、被害者側が受けたとする「公的な嫌がらせ」についても検証しています。
※ 本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:和歌山県海南市、公文書偽造で刑事告訴問題、被害者に聞いてみた

【緊急イベント開催】いじめ探偵・阿部泰尚さんと「いじめ・不登校」について語ろう

今まで多くの「いじめ」「不登校」問題を解決・問題提起してきた“いじめ探偵”こと、阿部泰尚さんが、9月1日の2学期登校日を前に、オンラインによるトークイベントを開催いたします。

いじめが怖くて9月から学校に行きたくない、あるいは、さまざまな理由から不登校になっている児童・学生を持つ保護者のみなさまのために、阿部さんが解決へのヒントや具体的な事例などを紹介しながら、みんなが笑顔で9月1日を迎えられるようご指南いただきます。

ご自身のお子さんが「誰にも話せない不安や心配事を抱えているかもしれない」という保護者のみなさま、抱え込まず一緒に考えて、ご相談してみてください。イベントの最後には、チャットによるQ&Aコーナーを設けていますので、皆様からの匿名でのご質問や心配事を阿部探偵にお送りください。

■ 日時
いじめ探偵・阿部泰尚さんと「いじめ・不登校」について語ろう
2026/8/29 (土) 15:30 – 17:00(オンラインウェビナー(Zoom)にて開催)

■ 参加費
チケット:2,200円(税込)

■ お申し込み
https://peatix.com/event/5144083

未だ無法地帯?和歌山県海南市教委らを訴えたいじめ被害家族が明かす教育行政の闇

和歌山県海南市立の小学校に通っていた女児がいじめを受けた問題で、調査した第三者委員会に提出された資料に虚偽の記載があったなどとして、保護者らが6月19日、市教育委員会などに対する虚偽公文書作成容疑などでの告訴・告発状を和歌山県警海南署に提出した。

報道によると、『伝説の探偵』でも追跡している海南市いじめ重大事態官製隠ぺい事件の被害者が市教委などを公文書偽造、名誉棄損などの罪で刑事告訴した。

市教委は事務処理上のミスとしているが、一体どういうことなのか、被害保護者に話を聞いた。

【関連】教員らの暴走、校長の嘘。いじめ被害者を迫害する小学校「異常対応」の証拠写真
【関連】用水路に落とされ死んだかもしれない。和歌山県海南市立小学校で起きた重大事態いじめ全貌
【関連」“殺人未遂いじめ”を6年間も放置。NHK報道を受けた和歌山県海南市の信じ難い公式コメント
【関連】もはや無法地帯。殺人未遂いじめ放置事件の和歌山県海南市が見せた“異次元”対応
【関連】保身のために「いじめ第三者委」を設置の異常。南国市と海南市の呆れた惨状
【関連】被害者を“吊し上げ”の異常。いじめ重大事態を6年も放置した和歌山県海南市「村八分令」に怒りの告発

いじめ防止対策推進法などにはない調査権限についての規定

当初第三者者委員会は、いじめについて、市教委・学校、被害者双方が認めていないと、いじめ認定はしないという対応だったという、この対応は理不尽なものに感じるが、第三者委員経験のある私からすると、ごく自然な本音だろうと思うのだ。

こうした場合の第三者委員会は、市の教育委員会からの委託を受ける形で、職能団体からの推薦を受けて委員を受任するわけだが、第三者委員会自体には特別の設置要綱や条例規則等がない限り、強い調査権を有しない。あくまで関係者に協力をしてもらうという前提であるのだ。その一方、結果報告に至っては、訴訟を提起されるリスクを背負うことになる。

よって、特別な証拠類がない限りは、当然に事実認定ができず、証言ベースである場合は、双方の承諾が前提となる。一般的な感覚ではなく、法的な視点で立証を形成するわけだから、ハードルは高くなるわけだ。

また、第三者委員会の調査は世間一般の捜査的な足を使った聞き込みのようなことはできず、一室に委員がこもって、提供された証拠類などを検討する「調査審議」がメインとなる。つまり提供された証拠類、証言等の口述で判断していくことになる。

また一方、第三者委員会設置の根拠法となる条例や規則では、たいてい、委員長や座長に権限が大きく振り分けられるから、相当な胆力がある委員長が仕切り役となるならいざ知れず、普通の専門性がある委員であれば、当初は消極的に見えても仕方がない対応とも言えるのだ。

なんにしても、いじめ防止対策推進法などにこのような調査権限について規定がないことや加害者天国、隠ぺいし放題状態になっている環境であるから、これを変えない限り、このような状態は続くのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録で支援する

妨害以外のなにものでもない海南市の開示請求に対する姿勢

さて話を戻そう。

極めて消極的な対応であった第三者委員会が、なぜいじめを認定し、隠ぺい体質を調査報告書で糾弾したのか。それには理由がある。

第三者委員会の姿勢は冒頭の通りであった。

その理由は、海南市教育委員会と学校は、何度もいじめの調査を行ったが、いじめの事実は確認できないから、いじめはないし、被害当事者からそうした話も聞いていないとしていたからだ。

そもそも、海南市の市長は、第三者委員会の設置にあたり、騒ぎになったからと説明をしていた。そうした姿勢であったのだ。

通例、第三者委員会は、こうした情報を公文書であったり、公務員らの発言として説明を受けている。一方で、本件のように様々な記事が出ている状態で、それに反する市教委側の説明があるとなれば、何を正解としていいのか決めかねる状態になるだろう。

被害側は、市行政側にあまりに酷い妨害を受けながらも、証拠を集め続けていた。

被害保護者 「開示請求をしに行きました。しに行くと、何度も同じ説明をさせられたり、してしたものとは全く違う書類が出てきたり、目録もないのに、書類の正式名称で請求しろと言われたり、とにかく、1つの書類を出すのに、最低でも3回、1回あたり3時間以上時間が掛かりました」

私も開示請求を行うし、多くの請求を見てきたが、この対応は妨害以外のなにものでもない。しかし、取り出せたのは公文書であり、その記録は証拠という面では価値が強い。

イメージとして捉えるならば、自分の住所を証明するために役所で申請して発行してもらう住民票は公文書の類いであり、自分で書いた名簿や名刺などで、ここに住んでますというのが私文書の類いだ。

被害側は、典型的な妨害工作を受けながらも、コツコツと公文書を集めいていった。

その中には、学校が被害者本人からいじめについての相談を受けていた記録や証言を聞き取った記録等の公文書があった。こうしたやりとりは、連絡帳にも残っていた。

つまり、市教委側は第三者委員会に虚偽説明をし、嘘で固められた証拠を提示していたことになるわけだ。

年間200件のいじめを県には「2件のみ」虚偽報告していた海南市

第三者委員会もその調査報告書の中で、書類の偽造があることを指摘していたそうだ。

ちなみに、第三者委員会の報告書は公表されていない。

その理由を被害保護者に聞くと、当初市教委が概要版を公表するとしていたそうだが、概要版では、市教委が公文書偽造したことや今回の重大事態いじめが起きた小学校で、年間200件のいじめがあったのに2件と県に虚偽報告していたこと、実際の被害者は不登校になっているのに、すべてを解決済みと報告していたなど、自らの対応問題は全て削除した概要版になっており、公開について被害側として許容できないと申し入れたとのことであった。

上の目を疑うような問題は第三者委員会が指摘したものだ。

つまり、第三者委員会も書類の偽造を確認していたことになる。そして、この偽造公文書の数はとんでもない数であった。

私は当初ページ数もしくは紙の枚数で教えてもらおうと思っていたが、話を聞いて現実的ではないかもと思い直した。

本件の刑事告訴がテレビ報道された映像では、海南警察署に被害保護者らが入る様子が映っているが、なぜかスーツケースを引いている。まさか…。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録で支援する

「6年生による1年生への性的ないじめ」も県には報告せず

そのまさかなのだ。

なんと偽造文書の量は、スーツケース1箱分+カバン2個分であり、すべての偽造書類を重ねると、およそ70センチ分もあるのだ。

取材中に被害側に提供してもらった偽造関係書類の一部と重さで壊れてしまったスーツケース

これについて海南市教育委員会は、事務処理上のミスだと報道に回答しているが、さすがに、処理ミス程度の軽い問題ではないことは誰が見てもわかるだろう。

特に報道記事となったいじめ対策委員会(地域や学校によっては「いじめ問題対策委員会」「いじめ防止対策委員会」など)の議事録は、被害保護者が開示請求をしたら、「作成していないので不開示」と回答が来た。再度請求すると、今度は議事録が出てきたが、初回目に出さなかった理由は「詳しい議事録とあったから、詳しくないので出さなかった」と苦しい言い訳を言ったそうだ。

そして、これら議事録は、被害者が小学2年生のときのものを、コピーペーストして利用し、日付だけ変えて3年生のときのものとして作成していたのである。

議事録についてはコピペで日付だけ変えて、後日作成し、全て記録はあるとしたわけだ。

そして、年間200件ほど発生していたいじめを2件報告というのも、偽造ねつ造が使われた痕跡がある。被害保護者が第三者委員会の委員から聞いた話によれば、「6年生が1年生に性的ないじめ」「鉛筆で耳を刺されて鼓膜損傷事件」「体操服を切り刻む事件」などが発生しているが、一切の報告がないということになっているというのだ。

本件についても、いじめの調査はしたが、いじめは確認されなかったとしていたが、被害者本人から相談を受けていた記録や聞き取りで証言があったことなどの記録が確認できるのに、一切の報告は無かったし、書類を大量に偽造していた。

つまり、これら公文書偽造は常習性が認められ、頻繁に行われていたことを意味するのではなかろうか。

本記事を、他の同様被害者が読むことがあれば、ぜひとも海南警察署に名乗り出て欲しいところだ。その際は、本件を報じている地元の報道機関である読売(テレビ・新聞)毎日(放送・新聞)、関テレ、共同通信、NHK、朝日(テレビ・新聞)、TV和歌山に一報入れてから行って欲しい。公に、隠ぺいされた他の被害者もいたということがしっかりと認識されることが重要であり、報道機関は顔を出したくないとか声を変えて欲しいという要望にはしっかり応えてくれる。

もしも、この海南市の学校で、他の隠蔽被害に遭っている被害者が、ちょっとそこまでするのは怖いというのであれば、私に相談してくれてもよい。

あなたの被害、あなたのお子さんが受けた被害は、不登校になっていても、転校していても、廊下で授業を受けていても、解決されたことになっており、そもそもで無かった事にされている可能性が極めて高いのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録で支援する

見直しが必要なのは「市行政が機能していない」という根本

本件官製隠ぺい事件の第三者委員会調査報告書が出た2026年3月、海南市教育委員会の教育長は、法的知識の確認やスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの活用などの7つを実施すると報道機関の質問に回答しているが、調査報告書においてはそれだけではダメだと指摘を受けている。

そもそもで、書類を偽造したり、本来対応すべき事案を対応せず解決済みにしていたとんでもない対応を見直す必要があるのだ。

つまり、再発防止策はもはや根本的な部分であり、市行政が機能していないという根本からの見直しが必要なのだ。

重ねれば70センチにもなる偽造書類を事務処理上のミスで片づける感覚から、1万歩譲っても、一般からも相当にズレすぎているといえるだろう。

被害者家族が海南市から受けた理不尽な「公的嫌がらせ」

本件の被害側は、海南市からとんでもない理不尽な処分を複数受けている。

そのうちの1つが、虐待のでっち上げだ。

「いじめの申告をしたら、あの家庭は母親がワンオペで子育てをして、育児ノイローゼになっていて、学校に行かせない方針であり、いじめなんてないのに、母親の妄想でいじめがあることになっていて、学校がいくら説明しても納得しない」

と書面化され、教育委員会から児童相談所に通告されて、家庭は全く問題がないのに、ケースワーカーをつけられ面談をしなければならないことになっていたのだ。

被害保護者によれば、ネグレクトだと教育長が児童相談所に電話を入れて、こうした対応をさせたとのことであった。

つまり、児童子育て行政上は、虐待の恐れが有る家庭と強引にこじつけられたわけだ。

第三者委員会の報告も含め、現在公になっている本件事案は、上の書面化されたという内容、教育長が児童相談所に通告した内容を全否定しており、被害側に対し公的機関が明らかな嫌がらせをしていた事実を浮き彫りしていると同時に、地域教育行政がその権限と機能を私物化していたことを意味するのではなかろうか。

同様の処分をされたケースもあるようだが、現在は本件被害側が刑事告訴告発をしているところだ、他の被害者は警察に名乗り出ないと、無かったことにされる可能性が極めて高いと言える。今こそ勇気をもって名乗り出るべきだ。

被害保護者 「DMで他の被害保護者から、同じようになって、児童相談所にこどもが連れていかれ、返してもらえないと相談が来ました。どうすればよいかわからず、もっと酷い対応をされている人がいると思いました」

こうした一連の非道について、海南市はどんなに開示請求をしても、決裁書類の開示には応じていない。つまり、これは責任の所在を明らかにしていないということだ。

聞けば聞くほど不安になる和歌山県警の腰の引けた対応

刑事告訴は当然だというのは読者の方々にはわかってもらえたと思う。しかし、不安はある。

被害保護者によれば、海南警察署は、和歌山県警ではこのような事件は前例がないとのことで、あまりに偽造の疑いが多いことから一部に絞って欲しいという要望や時効の関係等を被害側の代理人弁護士にリスト化してほしいと言ってきたりしているという。

被害保護者 「警視庁?に相談して進めているそうなんです」

おいおい、和歌山県警大丈夫なのか!と話を聞けば聞くほど不安になる内容であった。

前例が無かろうが、罪は罪でありそれを示す公文書がある以上、しっかりと捜査を進めてもらいたいと思う――(メルマガ『阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」』2026年8月23日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみ下さい。いじめ探偵はみなさまからのご支援を必要としています)

【緊急イベント開催】いじめ探偵・阿部泰尚さんと「いじめ・不登校」について語ろう -笑顔で9月1日に登校する日を目指して-

今まで多くの「いじめ」「不登校」問題を解決・問題提起してきた“いじめ探偵”こと、阿部泰尚さんが、9月1日の2学期登校日を前に、オンラインによるトークイベントを開催いたします。

いじめが怖くて9月から学校に行きたくない、あるいは、さまざまな理由から不登校になっている児童・学生を持つ保護者のみなさまのために、阿部さんが解決へのヒントや具体的な事例などを紹介しながら、みんなが笑顔で9月1日を迎えられるようご指南いただきます。

ご自身のお子さんが「誰にも話せない不安や心配事を抱えているかもしれない」という保護者のみなさま、抱え込まず一緒に考えて、ご相談してみてください。イベントの最後には、チャットによるQ&Aコーナーを設けていますので、皆様からの匿名でのご質問や心配事を阿部探偵にお送りください。

■ 日時
いじめ探偵・阿部泰尚さんと「いじめ・不登校」について語ろう
2026/8/29 (土) 15:30 – 17:00(オンラインウェビナー(Zoom)にて開催)

■ 参加費
チケット:2,200円(税込)

■ お申し込み
https://peatix.com/event/5144083

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

登録で支援する

image by: 海南市役所 - Home | Facebook

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」 』

【著者】 阿部泰尚 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 9日・23日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け