クリエイターの発信を支える「まぐまぐ」の提供でお送りするラジオ番組『Why So Good?』。番組MCの越川慎司氏(株式会社クロスリバー 代表取締役)とアシスタントMCの上條美沙子氏が、毎回ゲストを迎えて「何をやっているか」ではなく「なぜそれに至ったのか」を掘り下げる30分番組だ。
今回のゲストは、株式会社まぐまぐ パートナープロデュースディビジョン 執行役員 ディビジョン長の山口武洋氏。音楽・広告業界を経てライブドアなどのウェブメディア・プラットフォームでコンテンツ企画や広告開発に従事し、2015年より同社マーケティング部部長として、有料会員基盤を活用したストーリー設計やメディア・プラットフォーム双方の売上向上を主導した人物だ。その後一度まぐまぐを離れ、複数のSaaSメディア企業でマーケティング・営業・カスタマーサクセスの立ち上げや組織構築、リテンション向上、そして一次情報の資産化の仕組みづくりに携わった。社外で得たこの経験こそが、今回語られるBtoB発信支援プロジェクトの土台になっている。そして2026年4月にまぐまぐへ復職。8月からパートナープロデュースディビジョンを統括し、主にBtoB事業に取り組んでいる。
一度会社を離れ、別の環境で経験を積んでから戻ってくる。いわゆる「出戻り」のキャリアを歩んできた山口氏だからこそ見えている景色があるのかもしれない。個人クリエイターの発信を支えてきたまぐまぐの資産を、外の世界で見てきた法人向けのノウハウと掛け合わせる——その接点に生まれたのが、今回のプロジェクトだった。
これまで『Why So Good?』では、まぐまぐの熊重晃社長をはじめ、個人クリエイターの一次情報をいかに資産として蓄積するかというテーマが繰り返し語られてきた。番組出演者の体験、失敗、迷いといった「本人にしか語れない情報」を、後から誰かが編集・加工した二次情報と切り分けて捉え、ストック型のメディア資産として蓄積していく——これがまぐまぐの一貫した発信哲学だ。
今回、山口氏が持ち込んだのはその延長線上にありながら、まったく別の角度を持つ視点だった。個人ではなく、企業のトップ——CXOたちの発信を、どう資産に変えるか。キーワードはやはり「一次情報」。ただし主語は経営者自身であり、対象は法人という新しいレイヤーだ。まぐまぐが個人クリエイター支援で培ってきたノウハウを、そのまま企業の経営陣に横展開する。言ってしまえばシンプルな発想だが、そこには「発信すること」と「発信が資産になること」の間にある、多くの経営者が見落としがちなギャップが横たわっていた。
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「1次情報」はまぐまぐの社内共通言語
越川:再びまぐまぐの方からご参加いただきまして、プロフィールを聞くと、まぐまぐの方ってルー語が多いなと思って。ディビジョンだったりリテンションだったり、なんかもうモーレツおじさんが言いそうな感じなんですけど。
山口:勉強しないと(笑)。
越川:もうトゥギャザー感満載でいきたいと思うんですけど、Why So Good?ですから、山口さんにも聞かせていただきたい。リスナーさんに今回一番伝えたいグッドな点、教えていただけますか?
山口:はい。経営者の一次情報を資産化し、広告発信価値を可視化するプロジェクトです。
番組ではこれまでも幾度となく登場してきた「一次情報」という言葉。個人の体験や経験を、後から誰かが編集・加工した二次情報ではなく、本人にしか語れない一次の情報として捉え直し、それを資産として蓄積していく——まぐまぐが繰り返し掲げてきたこの考え方が、実は社内でどれほど浸透しているのかを尋ねると、山口氏はあっさりと答えた。
越川:また出ました、一次情報。まぐまぐさんは”おはよう”の数ぐらい一次情報って言ってるイメージですけど、山口さんも重視されるポイントですか?
山口:そうですね。もう社内の共通言語化してますね。
越川:もう右と言ったら右、一次情報と言ったらこれ、という感じで皆さんが理解されていると。
社内の隅々まで浸透した共通言語だからこそ、次に問われるのは「では、それをどう実装するか」という一点になる。山口氏が担当するのは、まさにその実装フェーズだ。
なぜBtoBか——SNS発信が「宣伝っぽく」なっていく違和感
越川:この一次情報をストック型のメディア資産として蓄積して提供していくというのは、これまでも熊重さんを含めてお伝えいただいた内容ですが、今取り組んでいるプロジェクトがあればぜひご紹介ください。
山口:本日の前半に登場した小島の方は、クリエイター、主に個人の方を中心とした支援の部隊です。私が取り組んでいるのはToB、企業の方々、特にCXOの方々の発信をお手伝いするプロジェクトになっています。
越川:どうしても発信というと個人に注目してしまうことが多いと思うんですが、法人にフォーカスしようと思ったのはなぜですか。
山口:昨今、CXOの方々、特に経営者の方がご自身で体験された言葉をSNSで発信する。もちろん最近は当たり前になっていますが、その内容が少しずつ、これは私見ですが、宣伝っぽくなってきている方が非常に多いなと。
越川:会社の宣伝とか商品の宣伝のためにSNSやってる人、山ほどいますね、確かに。
山口:なので昔は内面や体験したことをお話をされていて、楽しいなと思って読んでいたのに、気がついたらイベントのお知らせになっている。ちょっと発信の内容を再定義して、ちゃんと発信した方がいいんじゃないかなというふうに思い始めたのがきっかけですね。
越川:これ、あるあるグランプリがあったら対象ですね。経営者の方々、最初は面白おかしくSNSやるんですけど、途中からイベントの集客とか会社のプロフィールをただリツイートしてるだけみたいなやつが結構多いですね。それがもったいないと思い始めたってことですか。
山口:それはあくまでもきっかけですね。
告知や宣伝が悪いわけではない。ただ、それだけが発信の中身を占めてしまうと、フォロワーが本来期待していた「その人自身の言葉」が失われていく。山口氏が問題視していたのは、まさにこの摩耗のプロセスだった。
30社ヒアリングで見えた「目的はあるのに、可視化されない」矛盾
このプロジェクトには、もう一つ深掘りしたきっかけがあった。山口氏は、実際に発信している経営者に「何のために発信しているのか」というインタビューを約30社に対して実施している。その結果、「採用のため」「ブランディングのため」「後進や起業家への発信のため」という大きく3つの目的が多く挙がったという。
山口:なんとなくという方はいらっしゃらなかったです、さすがCXOの方々。
越川:だから目的意識を持ってはいますと。
山口:ただ、じゃあそれを可視化というか、評価されてますかという問いに対しては、皆さん、うーんと。
ここで越川氏が指摘したのは、経営者にありがちな「認知ギャップ」だ。社内では従業員が社長の言葉に耳を傾けるのが当たり前になっている。給料を払ってくれる相手だからだ。しかし、その感覚をそのまま社外に持ち込んでしまうと、「自分がSNSで発信すれば、社内の朝礼と同じように全員が聞いてくれるはずだ」という思い込みにつながる。社内では立場ゆえに発言が通りやすい経営者ほど、社外の発信でも同じように受け止められると錯覚しやすい——発信すること自体がゴールになってしまい、成果を測る発想が抜け落ちる。
山口:そうですよね。なので部下の方には費用対効果とかROIという言葉を使って発信しているにも関わらず、ご自身のSNSの投稿に関してはROIを通していない。ここが一つの矛盾だなと思いましたね。
「部下にはROIを求めるのに、自分の発信のROIは見ていない。」
部下の提案には数字の裏付けを求める一方で、自分の発信については感覚だけで良しとしてしまう。この矛盾に気づいている経営者は、実は少なくないのかもしれない。だからこそ山口氏のプロジェクトには、耳の痛い指摘であると同時に、放っておけないニーズが眠っているようだ。
発信を「資産」に変える——まぐまぐが持つアセットとの掛け合わせ
矛盾に気づいた経営者たちを、どう支援するのか。山口氏が示したのは、一過性のSNS投稿というフローではなく、まぐまぐ自身が持つ発信のアセットに乗せていくというアプローチだった。SNSの投稿は、タイムラインを流れていけばそれきりで終わってしまう。しかし、クリエイターとの対談企画や書籍化といった形に落とし込めば、発信は「流れて消えるもの」から「積み上がっていくもの」に変わる。
越川:その一時的に流れるSNSでバズって終わりみたいな一過性のフローではなくて、しっかり資産として貯めて、それをイベントだったり書籍であったりラジオであったりで活用していきましょうという。
山口:そうですね。このWhy So Good?も含めてまぐまぐの多数のクリエイターさんがいらっしゃいますので、そのクリエイターさんとの対談や、まぐまぐ出版という形での書籍のお手伝いなど、そういった発信のアセットは当社が持っています。そこにCXOの方々の発信内容を載せていただいて、このアセットを使いましょうと、そういうプロジェクトになります。
越川:実際に企業からの反応はどんな感じなんですか?
山口:先ほどプロフィールで紹介していただきましたように、8月からですので、今ちょうど商品を設計して世に届けているところですね。9月のこの放送だとまだまだ結果は出にくいところだと思いますが、感触としては、30社の方々にヒアリングをした際にプロトタイプの資料をお渡ししていまして、ぜひやってみたいという方がほとんどです。やはりさっき越川さんがおっしゃったように、「これはちょっと反省ですね」と反省の弁をいただくことが多いですね。
越川:でも、それがいいってことですよね。今までメルマガのイメージがすごく強い中で法人部門に舵を切るのは、結構覚悟が必要なんじゃないかと思うんですが、これは会社全体で考えたことなんですか、それとも個人の思いもあるんですか。
山口:両方あります。会社として考えると、クリエイターはただ個人だけじゃないと思っているんですね。企業の経営者の方々、CXOも一人のクリエイターとして立っていただくということが、もう自然発生的になるのかなと。
越川:経営者もクリエイターにということですね。まあでもこれ響く人には響きますね。だってLinkedInとかXとかFacebookをやってたのに、最近いいねとかつかないかと思ってる経営者の方々がちょっと多いですもんね。
エアトリCXOサロンという接点——「体験で伝える」という自分ルール
法人の経営者、それもCXOクラスの人物にどうやって接点を作るのか。どれほど優れたプロジェクトであっても、経営者本人に直接届かなければ意味がない。番組では、その具体的な入り口についても語られた。
越川:経営者と直接お話しする機会がやっぱり多いですか。それはどうやってこうポイントを取り付けて説明に入るんですか。まあ多少興味がないと聞いてもらえないんじゃないかなと思うんですけど。
山口:ちょっと手前味噌になりますが、当社エアトリグループのエアトリCXOサロンという、直接対話を非常に重視しているサロンがあり、登録企業様がいらっしゃいますので、スタッフという立場を利用して様々な方にインタビューをさせていただいています。
越川:素晴らしい。台本にはなかったんですけど、まさかのエアトリの宣伝も差し込めるっていう(笑)。そのコミュニティがあるからこそ、興味を持った方にご説明ができる。ゼロからではなく、ある程度お付き合いになる方々にこういうものもあるっていう反応を今30社で見てるという感じなんですね。元々、法人のCXOの方々とのコミュニケーションっていうのは、キャリアの経験上多かったんですか?
山口:実は前職では、かなり多くのサロンや交流会に参加する機会があった企業だったんですが、交流会もWebで行われることが多かったり、実際に参加してみても、私はしゃべるのが好きなのでいいのですが、ちょっとおしゃべりが得意ではない方は、来て、何人かと名刺交換をして、飲食して、そのまま帰るという方もいて、これはちょっともったいないなと思いまして。でも、エアトリCXOサロンは、直接対話することを非常に大切にしています。
越川:対面重要ですよね。いや、その時にCXOの方々——CXOっていうのはCEOとかチーフレベニューオフィサーとか、いわゆる経営陣のことを総称して言うんですけど——そういった方々と対応する上で、ご自身の何かマイルールみたいなのってありますか?
CXO(Chief x Officer)は、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)など、企業の意思決定を担う経営幹部を総称する言葉だ。エアトリCXOサロンには、そうした肩書きを持つ経営者が数多く集まっているという。日々多忙な彼らに、限られた時間の中でどうプロジェクトの価値を伝えるか。山口氏が導き出した答えは、理屈でも実績でもなかった。
山口:それは体験で伝えるということですね。
理屈で説得するのではなく、自らの体験を差し出す。この一言は、この後語られるエピソードの伏線でもあった。
中古車査定10社リストが教えてくれたこと
越川:面白い。どういう意味ですか、体験でというのは。
山口:例えば一次情報も大切ですよと言っても、それはそうだよねという反応で終わってしまうんです。以前、広告のお仕事をしていた時に、とあるとても大きな自動車販売の企業様に何とかこの広告案件を取りたいという時に、そのまま枠を売っても数多の広告会社が提案しているので、基本的には刺さらないんですね。
越川:いわゆるこの1枠いくらですよみたいな並べても、その比較で終わっちゃうってことですね。
山口:はい。で、じゃあどうやったら上席の方々に響く提案ができるかなと考えた時に、自分が所有している車を一回査定して、あらゆる業者がどういう対応をしたか、何時にメールが来たか、電話が来たか、アフターフォローはどうだったかを全部10社リスト化したんです。
越川:自分でやったんですか。
山口:体験したことをそのままメモって、「御社、ここ優れてますよね」という話をすると、「よく見てるね」という形で、具体的に販売方法や人集めのところをちょっと手伝ってくれないかというお話に発展したので。これは体験が提案に直接リンクすると。ちょっと成功体験だったので、そういうノリでいろんなCXOの方々に話をしています。
越川:それが体験をベースにしてるってことですね。確かに中古車の査定とかって、サイトに入れると一気に20社、30社ぐらいから見積もりがすぐ来ると思いきや、実は電話とメールが来るんですよね。それも即座に来るところもあれば、3日後に来るところもあったり。あとは聞き方も違うんですよね。それをユーザーとして伝えたってことですね。それは素晴らしい一方で、ちょっとずるいやり方でもありますね。
山口:冒頭のテーマに戻りますが、一次情報っていうのがポイントですね。
越川:自分が一次情報を持っていると。で、こういう感想やインサイトがあるから、これを一緒に改善しませんかってことですね。上から目線で「課題ありませんか」って言ってる人よりも100倍いいですね。
経営者に必要なのは「説明」より「内省」——松浦勝人氏のnoteが示した答え
越川:今後、BtoB、企業の方々、経営者の方々をクリエイターにするために、こうしていきたいというビジョンはありますか。
番組終盤、話題は「これから」に移った。山口氏が描くビジョンの中心にあったのは、意外にも「説明」ではなく「内省」という言葉だった。
山口:そうですね、先ほど発信は一次情報が大切ですよと複数回お伝えはしていますが、個人的な思いとしては、説明するような一次情報よりも、自分の内面をお伝えする方がいいと思っているので、これも私見ですけれど。
越川:あ、でもちょっと意外ですね。宣伝のための情報よりも、自分の内側、経験とか自分の思いとかを発信した方がむしろ経営者はいいってことですか。
山口:そうですね。
越川:その内側に目を向けるようになった理由は何ですか?
山口:あの、これは代表の熊重も過去のこのラジオ出演で、経営者ってやっぱり血のにじむような努力をしているはずで、それを伝えたり残すっていうことは非常に価値のあることだとお伝えさせていただきましたが、それを人に伝えるっていう文体よりも、それを改めて書き起こして、内省するという過程をお伝えした方がいいと思うんですよ。
「自分の内面を、改めて書き起こして内省する。この過程をお伝えした方がいい。」
越川:なるほど。あんまり外を意識せずに、純粋に自分に向き合って、自分に向き合うことと、社内のその組織だったり過去の経歴に向き合うことの方が重要だったんですか。
山口:はい。先ほど経営者の方々のSNSが少しこう告知っぽくなってる可能性、それの真逆を行くのが、おそらく8月ぐらいにスタートされたと思うんですけど、エイベックスの松浦勝人氏がnoteを始められて。
越川:やりました。お金の使い方ですよね。
山口:そうです。あれはもう本当にその内省というか、一次情報の塊ですよね。
「フェラーリより刺さる」——松浦勝人氏のnoteという実例
その象徴的な例として山口氏が挙げたのが、エイベックスの松浦勝人会長が2026年8月に始めたnoteだった。「100万円でも100億円でも、なくなる時は一瞬だ」というお金にまつわる自身のエピソードなど、経験を率直に綴った記事が大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。宣伝でも実績紹介でもなく、若いころの失敗や苦い経験をそのまま言葉にしたことが、結果として多くの読者の共感を集めた形だ。山口氏が語る「内面を伝える」という発信のあり方を、まさに体現した事例と言えるだろう。
越川:あれのバズり方がすごかったですよね。アルバイトの時の失敗の経験とか、ヨーロッパに出張に行って仕入れてきたみたいなエピソードですよね。確かに松浦さんだから経験したことじゃなくて、全経営者がああいったことを持ってるんですよね。
山口:おっしゃる通りだと思います。一次情報は様々な形があると思いますが、体験だけでは、他の会社もしてるんじゃないかなと思われる方もいらっしゃると思うんです。例えばそれをアンケートとして持ってきたりとか。自分が体験したことそのものもあれば、会社としてアンケートを取って、自社の商品がどう見られているのかを把握する、それも一つの一次情報かなと思いますので、それを一緒に作っていきましょうというご支援をしているという形ですね。
越川:さっきの松浦さんの例が一番わかりやすいですね。苦労とかお金の使い方の方が、フェラーリを紹介するよりも圧倒的に閲覧数が多くて。知りたいのは結果じゃなくてプロセスだったっていう。
山口:そうですね、特に内面。
華々しい実績や成功の結果ではなく、そこに至るまでの苦労や葛藤にこそ人は惹きつけられる。山口氏が支援するCXOの発信も、目指すところは同じだ。会社の成果を誇るのではなく、そこに至る本人の内面のプロセスを言葉にすること。それこそが、宣伝と一次情報を分ける決定的な違いなのだろう。
すべての人が持っている「1次情報」——ビジネスパーソンへのメッセージ
越川:このリスナーは経営者っていうよりビジネスパーソンの方も多いんじゃないかと思うんですが、そういった方に向けてぜひちょっと発信していこう、クリエイターになっていこうみたいな、ちょっと勇気づける一言を最後にいただければと思うんですけど。
山口:急に難題が(笑)。
越川:でもなんか経営者だけじゃなくて、一次情報って全員が持ってるじゃないですか。今日聞いてる方々もいずれ経営陣になったり経営者になることもあると思うので、今日のキーワードはやっぱり内に目を向けるってことなのかと思うんですけど、これ聞いてる方々もなんか内に目を向けた方が意外とAIの最新サービスを紹介するよりも響くんじゃないかなって思ったんですけど、それはどう思われます?
山口:はい、これは越川さんの著書にもありましたが、毎日一つ良かったことをメモする。プラスでちょっとアレンジさせていただきます。プラス自分が内省したいものを書いておく。
越川:2行でいいんですね。
山口:ポジティブと内省するもの。
越川:素晴らしい。これをやればコンテンツになると。
山口:そうですね。なので今はそれを例えば365日やった場合に、AIに投げたらそこそこのコンテンツができると思うんですよ。それがまた一次情報になるかなと思います。
一次情報は経営者だけのものではない。日々の「良かったこと」と「内省したいこと」を1行ずつ書き留めるだけでも、それは自分にしか語れない一次情報の蓄積になる。特別な出来事である必要はない。むしろ、ごく普通の一日の中にある小さな気づきや反省こそが、後から振り返ったときに意味を持つ「素材」になるという考え方だ。
企業のCXOだけが発信の主役ではない。まだ経営者でも役員でもない一人のビジネスパーソンであっても、日々の記録を積み重ねていけば、それはいずれ自分自身の言葉で語れる資産になる。今日のキーワードだった「内に目を向けること」は、これから経営陣になっていく一人ひとりのビジネスパーソンにも開かれた視点として、番組を締めくくった。
「経営者の一次情報を資産化する」という一見ドライなプロジェクト名の奥にあったのは、宣伝でも実績アピールでもなく、一人ひとりの内面に向き合うという、意外なほど地に足のついた発想だった。個人クリエイターの支援から始まったまぐまぐの一次情報哲学は、法人という新しい舞台でも変わらない軸を持っている。それは、誰かに借りてきた言葉ではなく、自分自身が体験し、悩み、内省した末に出てくる言葉にこそ価値があるという考え方だ。企業のCxOがクリエイターになる時代は、案外すぐそこまで来ているのかもしれない。
番組概要
- 番組名:Why So Good?
- 放送局:interfm
- 放送日時:毎週木曜25:00~25:30
- 出演:越川慎司氏(株式会社クロスリバー 代表取締役)
上條美沙子氏 - ゲスト出演:山口武洋 氏(株式会社まぐまぐ Partner Produce Division 執行役員 兼 Division長)
- プロデューサー:エダコDX
- ラジオ本編はこちらから https://www.interfm.co.jp/whysogood
- interfm(東京:89.7MHz 横浜:76.5 MHz) https://www.interfm.co.jp/
- 番組TikTok(https://www.tiktok.com/@whysogood_radio)
※本記事は、トーク番組「Why So Good?」の放送内容をもとに再構成したものです