営業で成果を上げる人と、なかなか結果が出ない人。その違いは、能力や経験だけではなく、物事の捉え方や失敗したときの姿勢にあるのかもしれません。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんが、営業研修でのエピソードや自身の経験をもとに、成長するために欠かせない考え方と、成果を変えるための行動習慣について解説します。
「人のせいにしない」と決意した人だけ成長できる
先日の企業研修でのこと。
依頼内容は「書く力で売る」というものだった。
私が一番得意としているテーマ。
・定期的にお客様と接触する
・人間的な側面を伝える
・役に立つ情報を届け続ける
などなど。
こういった内容を、ワークを交えながら2時間以上お伝えした。
参加者の皆さんも、熱心に取り組んでくれていた。
手応えのある感じ。
最後に質問コーナーがある。
ほとんどは質問がないが、一人の営業スタッフが手を上げた。
質問は嬉しい。
しかし、その営業スタッフは「これで反応がなかったら、どうするんですか?」と聞いてきた。
こういった質問は時々頂く。
けっこうガッカリするのだが。
まだ何も試していない。
やってみる前の段階だ。
それなのに、うまくいかなかった時のことを聞いてくる。
確かに、手間をかけて結果が出なければ残念だろう。
その気持ちはわかる。
しかし、やる前から「ダメだったらどうなるのか」ということばかり考えている。
まあ、こういった人は、まず実行しない。
話を聞いただけで終わってしまう。
そして何も変わらず苦戦し続ける。
別の研修でのこと。
同じようなことがあった。
その研修のテーマは「お客様の心をつかむトーク設計図」というもの。
・自己紹介トーク
・警戒心を解くトーク
・ヒアリング4ステップ
などなど。
こちらもワークを交えながら、丁寧にお伝えした。
するとそこでも一人の営業スタッフが手を上げて「これでお客様が話してくれなかったら、どうするんですか?」と質問してきた。
トーク設計図を作る前から、「効果がなかったらどうしてくれるんだ」と考えている。
やる前からネガティブに考えていたのでは、トーク設計図を作る気にもならないだろう。
作らなければ、当然結果も出ない。
そんな当たり前のことに彼は気がついていない。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
この二つの出来事に共通していることがある。
どちらも「言うとおりにやって結果が出なかったら、あなたのせいですよ」というスタンスだ。
うまくいかなかった時の責任を、最初から「自分以外の何か」に向けている。
こういったスタンスの人で、結果を出した人を私は一人も知らない。
つまるところ、営業のノウハウは「その内容だけが重要」というわけではない。
どんなに優れたノウハウでも、その人にぴったりマッチしたものでも、「結果が出ないのは自分の責任じゃない」と思っている限り成長はない。
ノウハウを実行する前から「うまくいかない言い訳」を用意している。
仮に試してみても、うまくいかなければ「あのノウハウは使えないな」と人のせいにする。
そして次のノウハウを探し始める。
この繰り返し。
これではいつまで経っても何も変わらない。
私はこれまで、多くの営業スタッフを見てきた。
伸びる人と伸び悩む人の違いは、能力でも知識でも経験でもない。
その違いは「人のせいにしない」ということ。
・商品のせいにしない
・担当エリアのせいにしない
・お客様のせいにしない
・景気のせいにしない
・運やタイミングのせいにしない
うまくいかなかった時「自分に何か原因があるのではないか」と考えられるかどうか。
それだけの差だ。
伸びる人は、結果が出なかった時に自分を振り返る。
「ヒアリングが足りなかったのではないか」
「提案のタイミングが早すぎたのではないか」
「もっとお客様に寄り添えたのではないか」
こうやって自分自身を見直す。
見直すから、次の行動が変わる。
行動が変わるから、結果が変わる。
一方で、人のせいにする人は振り返らない。
振り返らないから、何も変わらない。
何も変わらないから、結果も変わらない。
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これは私自身そうだった。
住宅営業スタッフ時代、私は7年間結果が出なかった。
その頃の私は、うまくいかない理由を自分以外のせいにしていた。
「このエリアは競合が多すぎる」
「うちの商品は価格が高いし、センスがない」
「質の悪い客ばっかりだ」
などなど、いくらでも、それらしい理由は見つかった。
屁理屈、言い訳は上達したが、結果は一向に変わらなかった。
転機になったのは、ある先輩を近くで見たということ。
異動でトップ営業スタッフの先輩と同じ営業所になった。
そのエリアは状況的に厳しい。
しかし、涼しい顔で結果を出してくる。
自分と同じ商品を、同じエリアでダントツに売っている。
それを見せつけられたのだ。
商品のせいでも、エリアのせいでもない。
「自分に問題がある」ということを思い知らされた。
そこから私は変わった。
うまくいかない時、まず自分の行動を振り返るようにした。
「何が自分に足りなかったのか」
「どこを改善すればいいのか」
これを繰り返していくうちに、少しずつ意識が変わり始める。
行動も変わってくる。
だんだんと結果が出始めた。
「人のせいにしない」
これを自分に言い聞かせるようになってから売れるようになった。
ただ、それだけのことだった。
研修で質問してきた営業スタッフたちを、
責める気持ちはまったくない。
かつての私も、同じだったから。
とにかく「誰かのせい」にしている限り、結果は変わらない。
大切なのは、まず試してみること。
結果がどうであれ、試した人には「これを経験し、学んだ」という実績が残る。
試さなかった人には、何も残らない。
うまくいかなかった時こそ、チャンスだ。
「なぜうまくいかなかったのか」を考えるきっかけになる。
その積み重ねが、やがて大きな力になる。
うまくいかなかった時「自分に何か原因があったのではないか」と自問してほしい。
たったこれだけでいい。
この習慣が、あなたの営業人生を大きく変えていく。
【本日のポイント】
・伸びる人と伸び悩む人の差は「人のせいにしない」ということ
・うまくいかなかった時に自分を振り返る習慣が大きな結果をもたらす
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