先日、松岡修造、西島秀俊、堺雅人の40代男性のCM出演急増を“異変”とする報道がありました。たしかに若い女性ばかりがフィーチャーされていた頃にくらべると“異変”のようにも感じられますが……、しかし!アルファブロガーのりばてぃさんは、「こういう捉え方をする人は大事な時に判断ミスを犯す」との論を展開しています。
日本で40代男性のCMが急増!?
『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』 Vol.131より一部抜粋
たった1つのルールや、考え方とか価値観に縛られ過ぎていると、大事なときに判断ミスを犯したり、日常的に、誤った思い込みの影響を受けやすい・・・ということ、つまり、多様な考え方や価値観を理解することは極めて重要ということが、よく分かる、最新の事例を1つ。
今週、日本のニュースに、
『CM番付に“異変” 40代男性が急上昇なぜ ベスト5に堺、松岡、西島』
というものがあった。
それによると、
「CM業界に異変が起きている。先月発表された「2014年の年間テレビCM出稿動向」(ビデオリサーチ調べ)のタレント別テレビCM量で、堺雅人(41)、松岡修造(47)、西島秀俊(43)の40代男性タレントがトップ5に入る健闘を見せたのだ。彼らの上には1位の上戸彩(29)しかいない。40代の男たちがなぜ、こんなに元気なのか?」
とのこと。
記者の分析によると、松岡さんは『今日から君は噴水だ!』といった熱い言葉が満載された日めくりカレンダーが大ヒットしたことや、昨年の錦織圭選手の大活躍で露出しまくった影響によるもので、俳優の堺さん(「半沢直樹」「リーガルハイ」)と西島さん(NHK大河ドラマ「八重の桜」)は、ドラマの好調が後押ししているという。
一応、せっかくの機会なので、その年間テレビCM出稿ランキングの2013年と2014年を以下、つけておこう。
◆2013年
1位:剛力 彩芽
2位:上戸 彩
3位:井川 遥
4位:大島 優子
5位:武井 咲
6位:森三中
7位:高田 純次 (68歳)
8位:島崎 遥香
9位:役所 広司 (59歳)
10位:佐々木 希
2013年は、7位の高田純次さんと9位の役所広司さん以外はすべて女性で、若手の女優さんやアイドルが多かった。
◆2014年
1位:上戸 彩
2位:堺 雅人(41歳)
3位:松岡 修造 (47歳)
4位:西島 秀俊(43歳)
5位:武井 咲
6位:堀北 真希
7位:阿部 寛(50歳)
8位:綾瀬 はるか
9位:本田 翼
10位:櫻井 翔(33歳)
2014年は、男性が5名もランクインし、しかも一番若い嵐の櫻井さんでも33歳。確かにCM番付に40代男性が急増している。
昔から日本のテレビCMでは、女性向けの化粧品などに限らず、広く世間一般の消費者へその魅力をアピールしたい様々な品々やサービスや企業が、若くて透明感のある爽やかな女性を起用することが多かった。
「カルピスウォーター」や、「ポカリスエット」や、「三ツ矢サイダー」や、「三井のリハウス」などなどは、特にその傾向が強く、印象的なCMも多い。
皆さんも覚えているCMがあるだろう。
また、グリコの「ポッキー」には、元気で明るい笑顔と、ユニークなダンスで大きな話題を呼んだ女優の新垣結衣さんのCMがあった。
その後の新垣さんの大ブレイクを決定づけたと言っても良いほど有名なCMだ。
なお、インターネット上で、
「ガッキー ポッキー」
だけで検索してみても(ガッキーは新垣 結衣さんのニックネーム)、めちゃめちゃたくさんそのCM動画が出てくる。
あまりにこのポッキーのCMが有名になったためなのか、新垣さんは、アサヒ飲料の「十六茶」のCMでも同じようなダンスを披露してたりする。
元気で明るい笑顔や、ユニークなダンスだけではなく、演技力もすごい新垣さんは、ショートフィルムのようなCM(NTT東日本の3分超のCMとか)もあり、YouTube上には、全部で35分超もある新垣 結衣さんのCMまとめなんてものまである(笑)。
それだけ、新垣さんのCMは注目されているということだが、もっと言えば、日本のCM界では、それだけ若い女性が起用されるCMが主流ということなのだろう。
ちなみに、アメリカでは、ドラマや映画で人気の女優さんがテレビCMに起用されることは日本ほど一般的なことではなく、珍しいケースとしてあったとしても、一人の女優さんがいくつも異なる企業のCMにたくさん起用されることはない。
アメリカで、もっとも多くの人々が視聴し、毎年、社会現象にもなるアメフトのスーパーボウルのCMでも、高評価を得て翌朝のニュースになったりするCMは、日本とはまったくテイストが異なるCMばかりだ。
昔から、高評価を得続けているのは、ビールのバドワイザーのCMで、ここ数年は、シリーズもので、牧場にいる馬たちとワンちゃんなどを描いた内容になっている。
あまりに有名なため、日本のYahoo Japanなどでも紹介されているCMだ。
〔ご参考〕
●馬と犬の友情CMが感動的すぎると話題
そんなわけで、これまでの若い女性が主流の日本のCM界だけしか頭の中にないと、
「CM番付に“異変” 40代男性が急上昇なぜ?」
のような発想になってしまう。
よく言えば、40代男性(=おじさん)なのに頑張ってるなぁ、えらいなぁ、といった考え方だ。
逆に言えば、その背後には、40代男性はもうおじさんのクセに・・・というネガティブな考え方が潜んでいるとも言える。
そういう発想の人は、CM番付に40代男性が急上昇したと聞いても、たぶん、
「そりゃ、そうでしょう。」
とは思わないだろう。
でも、1つの凝り固まった考え方に縛られず、幅広く、多様な視点から物事を考えるようにしている方々なら、CM番付に40代男性が急上昇したと聞いて、
「そりゃ、そうでしょう。」
とか、
「やっぱり、そうなるよね。」
などと、すぐにピンとくる方だっているような気がする。
なぜかというと、現在、日本国内の日本人の平均年齢が約45歳だからだ。
ちょうど前々回のこのメルマガの特集で詳しく書いた内容(「NYクリエイターの会」の講演のための原稿)とかぶるが、より詳しく言うと、45.35歳・・・ただし100歳以上はみんな100歳で計算しているため、実際はもっと高い。
算出根拠は、国勢調査。
総務省統計局の公式サイト内で公開されている最新のデータ(2013年推計)に基づく。
〔ご参考〕
●統計データ > 日本統計年鑑 > 本書の内容> 第2章 人口・世帯
※2-7 年齢別人口(大正9年~平成25年)のエクセル参照
この年齢別の人口データから、誰でも簡単に、日本国内の日本人の平均年齢が計算できるのだが、日本国内でそういう風に考えている人は、今のところ、あまりいないようだ。
まぁ、だから
「CM番付に“異変”」
とか報じられるのだろう。
コレ、別に、CM番付に40代男性が急上昇しているってだけの話なら、その事実をどのように受け止め、解釈し、分析しようが、自由だし、まぁ、別に大きな問題はないと思う。
でも、だけど、日常生活に直結してくること、例えば、自分の年齢についての自己認識とかも、これまでの凝り固まった古い考え方に縛られていたら、案外、ヤバイかもしれない。
『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』 Vol.131より一部抜粋
【Vol.131の目次】
1.ニューヨーク最新トレンドや見所の特集
~第131回:「あのニューヨークの・・・」が増えたワケ~
2.多様性のもたらすもの
~日本で40代男性のCMが急増?!~
3. ブログ作りの舞台裏
~出会いと別れの季節に聴きたい曲~
4. Q&Aコーナー
著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。
≪無料サンプルはこちら≫