「AIが人類を滅ぼす」はデマ?トランプ大統領とAI業界で割れる見解、一体が正しいのか

Washington,Dc,,United,States,,September,16,2025:president,Donald,Trump,Stops
 

AIの急速な進化をめぐり、「技術革新を優先すべきなのか、それとも安全性への配慮から開発のペースを抑えるべきなのか」という議論が世界で広がっています。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、トランプ氏とAI業界の経営者らの発言を整理し、AIの安全性をめぐって何が議論されているのかを考えます。

トランプ大統領はAIが人類の存在を脅かすという説を“デタラメ”と一蹴

ぶっちゃけ、トランプ氏の自信家ぶりは健在のようです。

Nvidiaのジェンスン・フアンCEOとの電話会談の中で、AIが人類の存続を脅かすリスクがあるという警告を「デタラメ」だと一蹴しました。

Anthropicのダリオ・アモデイCEOも、業界に対してAI開発のペースを落とすよう呼びかけ、サム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏もこれを支持しています。

一連の発言を受け、AIの安全性をめぐる議論が激化する中、世界的にAI関連株が下落。

トランプ大統領はロサンゼルスで開催された「All-In Summit」の会場にいたNvidiaのフアンCEOへ突然電話をかけ、AI企業幹部らの警告を「デタラメ(hoax)」だと一蹴。

トランプ氏は聴衆に対し、データセンターは「今後20~25年における石油のような存在だ」と語り、批判的な人々は政治的対立勢力や中国の「思うつぼにはまっている」とも述べました。

トランプ氏は過去の気候変動に関する警告になぞらえ、「データセンターは危険だと言っている連中は、かつて『気候変動』によって世界が滅びると主張していたのと同じ人間たちだ。あの『デタラメ』は結局うまくいかなかったじゃないか」とSNSに投稿。

アモデイ氏はAIエージェントが指示されていないにもかかわらず外部システムへのハッキングを開始した先月の事例を挙げ、AIの危険性には「AIシステムの制御不能化、サイバー攻撃やバイオテロへのAI悪用、深刻な経済的混乱のリスク」が含まれると警告。

これに対し、マスク氏はXで「ダリオの言う通りだ」と反応し、アルトマン氏も業界が「最先端技術の開発ペースを調整する」必要があるという点に同意を示しました。

一方、トランプ氏はアモデイ氏を直接批判し、同氏が「完璧な天使のふりをしている」と非難し、自身の政権はすでに無謀な行動をとるAI企業を抑制してきたと主張。

更に、「アメリカにはAIをコントロールできる強力なリーダーがいる」と自身の存在をアピール。

実は、アルトマン氏は先の共和党大会の開催中にトランプ氏と非公開で会談していました。

裏舞台で交渉の余地を探っていた模様ですが、その効果は見られません。

それどころか、Anthropicの元研究者であるジェイコブ・コクソン氏が、「AIを開発している人々は、AIが10年以内に人類を滅ぼしかねないと本気で信じている」という理由の一部を挙げて退職したと明かしたことで、この議論はさらに激化しています。

今のところ、トランプ氏の姿勢に揺るぎはなく、「私は『デマ(Hoax)』を暴く者だ」と述べ、「今まさに、また一つのデマを打ち砕こうとしているところだ」と続けました。

その自信が今後も維持されるかどうかは、定かではありません。

ぶっちゃけ、「ロボットの時代など来ない」と豪語してきたのがトランプ氏ですから。

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image by:  Joey Sussman / Shutterstock.com

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【著者】 浜田かずゆき 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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