急速な普及により社会の利便性を高める一方で、金融システムへの脅威や投資の行き詰まりも懸念されるAI。関連企業の株価が大幅に下落する中、その技術との向き合い方自体も問われ始めているのが現状です。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、AIバブル崩壊の可能性と技術の好ましからざる発展が人々の実生活にもたらしかねない危険性を検証。その上で、経済構造の変化を踏まえた日本の進むべき方向を提示しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:AIバブル崩壊へ
アメリカのみならず中国でも。ついにAIバブルが崩壊へ
AI株の暴落が起きている。11月3日には米中間選挙もあり、下院は民主党が勝つとの予測があり、上院は互角だという。この民主党はAIデータセンタ建設の規制強化を行う方向であり、AI企業の規制案も出てくることになる。今後を検討しよう。
先週、株価は600ドルの下落。AI株の下落が本格化してきた。30日のNASDAQは747p安の25,437Pになっている。月曜日の日経平均も大きな下げから始まる可能性が大。
そして、インテルは最高値から-54%の下落、オラクルは-51%下落、アルファベットは-31%下落、メタは-21%下落、アマゾンは-21%下落で、それより軽微なのが、マイクロソフト-6.5%下落、テスラ-17.9%下落、アマゾン-16.0%下落、エヌビディア-12.9%下落である。NASDAQをけん引してきた優良銘柄が軒並み大幅な下落をしている。
そして、日本の富士通も10月30日に14%下落してストップ安レベルの下げを演じている。
AIバブルの崩壊は米国だけではなく、中国でも起きている。
習近平主席は「AI企業が全省に必要なのか?盲目的な投資をするな」と言いだし、「幹部の責任を問う」と方向を急変させた。
このため、地方幹部はAI企業への支援を停止し、銀行も貸し出しを止めたことで、新興AI企業が倒産している。
中国製のAIモデルは世界市場で急伸し、ユーザーを米国AIから奪ったが、料金を支払う有料版を使用せず、無料版だけである。つまり売れれば売れるほど中国のAI企業は赤字になる。このため、PERが大きくなり、AI企業株が暴落している。
また、中国ロボット大手「ユニツリー」は株価が半減した。公募150.80元が初日に7倍まで急騰したが、半月ほどで株価は50%以上下落した。というように、中国AIも崩壊したようである。
もう1つが、AIによるハッキングの被害が拡大している。
日本ではGMOのハッキングが問題にされているが、世界最大の暗号資産取引所バイナンスでハッキングが起き、56億ドル(約7.5兆円)の流出事故が発生した。ビットコイン(14.5億ドル)とイーサリアム(8.75億ドル)が被害にあい、ステーブルコイン(テザー・サークル)約24億ドルは被害を免れた。
これを受けて、イーロン・マスク氏は警告する。AIはまもなく世界金融システムにとって重大な脅威となる可能性があるという。その内、超知能AIが最終的に人間の関与なしに金融システムをハッキングして資金を盗み、自らの資金を調達する可能性があるという。
AIの発展について、考え直す必要がある。または、金融システムはインターネットに繋がないことである。DXの発展も考え直す必要がある。特に監視・管理PCは、専用線でつなげて、インターネット経由にしないことである。便利さは、それ以上に大きな問題が起きる事になる。いくらAIでガードを固めても、そこをAIはすり抜ける道を探すことになる。
AI利用は止まらないとは思うが、金融系、資金系のシステムや顧客管理のシステムは強くガードしてほしいものである。2段階認証も乗り越えられているとも聞く。
これを防止するためには、人間界と共存するために、AIも倫理的なルールを教え込む必要がある。日本の道徳的なルールが重要な気がする。
その結果は、AI企業の株価下落で新たな資金調達を困難にし、投資縮小が半導体、電力、建設へ波及する負の連鎖が起き、AI投資が米国経済を牽引してきただけに、その失速は景気全体を揺るがすことになるし、日本株にも大きな影響が出ることになる。
この中、11月3日に米中間選挙が行われる。中間選挙で民主党が勝つと、AIデータセンタへの規制が強化されるし、AI企業の規制も強化されることになりそうである。
この面からもAIバブル崩壊が迫っているように予測ができる。
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