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「たびたびお世話になっております」はNG。ありがちなメールの間違い

相手に失礼のないようにと気を遣いすぎ、おかしな言い回しになってしまう―。こんなありがちなミスの具体例と正しい書き換え方が『仕事美人のメール作法』で紹介されています。「自分は大丈夫」という方も今一度ご確認を。

「たびたびお世話になっております」

本人の意図や思いは分かるのだけれど、言葉の使い方が今ひとつで残念に感じることがあります。

例えばメールを送信するとき、最初に「お世話になっております」を使いますが、その後もやりとりが続き「お世話になっております」を繰り返し使うのを避けようとして、メールの初めに「たびたびお世話になっております」という言い回しが使われていました。

苦肉の策という感じがして、気持ちは分かるのですが、少々不自然

最初に「お世話になっております」とあいさつしているので、続けてメールを送る場合は別の書きだしを工夫してみましょう。

確認や調整などで、メールのやりとりが続く場合は「お世話になっております」の前置きは省き、「〇〇についてですが」と用件から始めて差し支えありません

伝えそびれていることに気づきメールを続けて送るような場合は、

「たびたび失礼します」
「たびたび恐れ入ります」

から始めるとよいでしょう。

「市内在中」

「広島在中のビジネスパーソン向けにセミナー情報を提供しています」

あるお知らせメールにあった一文です。広島市内で開催されるセミナーを紹介するWebサイトの案内文だったのですが、広島に住んでいることを意味する「在住」と、中に入っていることを意味する「在中」を取り違えて使っているようです。

読みが「ざいじゅう」と「ざいちゅう」で、「じ」か「ち」の違いでよく似ているため打ち間違いの可能性も(在中を「ざいじゅう」と読み、「在住」と混同しているのかもしれません)。

整理してみましょう。

意味の違い、読みの違いを今一度確認しておきましょう。

「良い聞き上手」

「人との会話で、良い聞き上手になるには」という一文。「良い聞き上手になるには」と意味が重なっているのが気になります。

「聞き上手」という言葉に、人の話を聞いて引き出すのがうまいという意味合いがあるのでその前の「良い」は不要で

「人との会話で、聞き上手になるには」

とすれば、文の収まりがよくなります。

「良い」を生かすのであれば「聞き上手」という言葉を「良い(き)聞き役」と書き換え

「人との会話で、良い(き)聞き役となるには」

としてもよいでしょう。

強調したい内容ほどこのように同じ意味の言葉飾り立ててしまいがちになります。

読み返して、確認する習慣をつけましょう。

読んでほしいときには…

「私の投稿をご覧になられたら、見たよ的な感じで、『いいね!』頂けたら幸いです」

これはFacebookを通じて知り合った人から送られてきたメッセージです。

お互いに共通の知人がいるだけで面識がないため、相手も一応丁寧な言葉遣いを意識しているのでしょうが、今どきの言い回しと混在してちぐはぐな印象。

敬語の使い方も「ご覧になられたら」と取って付けたような二重敬語になっています。

無理に敬語を使うより「見たよ的な感じで、『いいね!』頂けたら」のようなくだけた言い回しを改める方が好印象を与えると思います。例えば……

「私の投稿が目に留まったときは『いいね!』をお願いします」

といった具合。さらに

「自分が面白そうだと思うイベントやお勧めのお店情報などを投稿しています。ぜひ、ご一読ください」

のように、Facebookに投稿する目的や内容を具体的に書くと売り込みしている感じが消え、相手に受け入れられやすくなります。

Facebookやブログで、自分自身のこと以外に店舗や商品、サービスをアピールするケースも増えています。

やみくもに「とにかく読んで!」という押しの強さばかりが前面に出ると読む側は抵抗を感じることが多いので

「なぜ、読んでほしいのか」

「どのような目的で情報を発信するのか」

という理由や目的をきちんと自分の中で整理し、相手その意図を理解できるように伝えることが、最初の心構えとして大切ではないでしょうか。

文中の名前

あるイベントの抽せんに当選しメールで通知が来ました。メールの宛名は私の名前になっているのですが、本文には、

「このたびは ○○○(イベント名)のお申し込みをいただき誠にありがとうございました。抽選を行い、△△さまが当選されましたので、お知らせ申し上げます。誠にお手数でございますが、添付文書に記した銀行口座に△△さまのご名義でチケット代をお振込送金していただきたくお願い申し上げます」

とありました。メール本文にある「△△さま」は別人の名前。おそらく、別の人宛てのメールをコピーして流用した際名前の部分を書き換え忘れているのだろうと推察しました。

念のため、「この当選メールは、神垣宛てでしょうか、△△さん宛てでしょうか?」と確認したところ、双方とも当選で、メールの名前の部分を書き換えぬまま送信していた旨を詫びる連絡がありました。

このケースではメールの言い回しには問題はないのですが、同じ文面を複数の人に送信する際、誰にでも起こりうる間違いなので取り上げました。

文面に名前を入れる場合、自動的に名前の部分を宛名と連動して自動変換してくれるアプリケーションもあるようですが、そうでないときは名前の書き換え漏れがないように注意が必要。

メールの文面に相手の名前を意識的に挿入すると、呼びかけているような印象を与え親しみが増すものですが、このように別人の名前が入ったままではせっかくの心遣いが台無しになってしまいます。

上記ようなケースでは間違いが起こる可能性が高いので

「抽選の結果、当選をお知らせいたします。つきましては、添付文書に記した銀行口座にご本人の名義で…」

として、文面に名前を入れるのは避ける方が無難かもしれません。送信前に読み返して間違いがないか確認することも必要です。

image by: Shutterstock.com

 

仕事美人のメール作法
著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。
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