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岸田の「売国演説」も効いたのか?アメリカ議会が4兆円もプレゼントする“人殺し資金提供”予算案を可決の異常

資金・弾薬ともに不足し、ロシアを相手に苦戦を強いられているウクライナ。アメリカ議会は日本時間24日、苦境にあえぐウクライナへの支援を含む緊急予算案を可決しました。この予算案の「大きな問題点」を指摘しているのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回の『きっこのメルマガ』で、可決された予算案に4兆円ものイスラエルへの支援が含まれている事実を紹介するとともに、ガザ地区で市民の虐殺を続けるネタニヤフ首相に「人殺し資金」を提供することとなる米国を非難しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米国の人殺し予算案が可決

ガザで市民を虐殺するイスラエルに4兆円をプレゼント。米国議会が可決した「人殺し予算案」

先日の岸田文雄首相による嘘八百を並べたスピーチが功を奏したのか、アメリカ連邦議会の下院で4月20日、ずっと膠着状態が続いていたウクライナへの支援を軸とした緊急予算案が、超党派の賛成多数でようやく可決されました。後は上院ですが、上院は与党の民主党が多数を占めているので、現地時間の23日、ちょうどこのメルマガの配信日に余裕で可決され、バイデン大統領が署名するだけです。

この報道を受けて、資金も武器も底を突きかけていたウクライナのゼレンスキー大統領は21日、「この支援で数千人の国民の命が救われる」と、さっそくアメリカへの謝意を表明しました。しかし、あたしは単純には喜べませんでした。それは、これが「ウクライナへの支援のための緊急予算案」ではなく「ウクライナへの支援を軸とした緊急予算案」だからです。で、その総額と内わけは以下の通りです。

緊急予算案総額953億4000万ドル約14兆7,000億円

 

ウクライナへの支援 608億ドル(約9.4兆円)
イスラエルへの支援 264億ドル(約4兆円)
台湾を含むインド太平洋地域への支援 81億ドル(約1.2兆円)

アメリカの議会には、ユダヤ企業がスポンサーのため「イスラエルへの支援には賛成だがウクライナへの支援には反対」という議員も多く、野党が僅差で多数を占める下院を通過させるためには、このように複数の支援をパッケージにした包括予算案、日本で言うところの「束ね法案」にするしかありませんでした。その結果、ウクライナへの支援だけでなく、ガザの市民を虐殺し続けているイスラエルのネタニヤフ首相にも、約4兆円もの資金や兵器がプレゼントされることとなったのです。

国連安保理の「即時停戦」の決議案に拒否権を発動し続けているだけでもシャレにならないのに、その上、約4兆円も「人殺しのための資金」を提供するなんて、これではアメリカがガザの人々を間接的に虐殺していると見られても言い逃れできないでしょう。

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ハマスだけでなく市民も次々と拘束、拷問、殺害したイスラエル

さて、日本ではあまり報じられなくなったガザの現状ですが、海外の報道を見ると、ウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカへ謝意を表明した21日、パレスチナではガザ南部ハンユニスのナセル医療施設の敷地内から、イスラエル軍に殺害された50人を超える市民の遺体が掘り起こされました。イスラエル占領軍は、ハマスだけでなく市民も次々と拘束し、拷問し、殺害し、医療施設の中庭などに重機で掘った大きな穴に、次々と遺体を投げ込んでいたのです。

今回掘り起こされたのは、あくまでも最初の穴から見つかった「一部の遺体」であり、掘り起こし作業が進めば死者の数は何倍にもなると見られています。中には全身に拷問の痕がある全裸の遺体もあり、遺体と対面したご遺族は皆、その場に泣き崩れたと報じられました。掘り起こし作業はパレスチナ側が行なっていますが、現場にはAFP通信のカメラマンもいて、その一部始終を目撃しているので、ネタニヤフ首相が繰り返す「ハマスの捏造」ではありません。

また、翌22日には、昨年11月19日から今年1月11日まで、50日以上にわたってイスラエル軍に拘束されて拷問を受けていた54歳の男性、アムラン・アブワルダさんのインタビュー記事が、共同通信のガザ通信員によって報じられました。記事によると、アブワルダさんは昨年11月19日、ガザ北部から南部へと子ども6人を含む家族と徒歩で避難中に、道路に作られたイスラエル軍の検問所でアブワルダさんだけが拘束され、全裸にされて目隠しをされ、手錠を掛けられてイスラエルの軍施設へ連行されたそうです。

連行された収容施設には、同じように拘束された百数十人のパレスチナ人がいて、全員が裸でオムツを穿かされていました。アブワルダさんもオムツを穿かされ、酷い時は5日間もオムツの交換が認められなかったそうです。連日の尋問で「ハマス戦闘員の隠れ家を言え!」と迫られ「知らない」と答えると銃床で殴られたり蹴られたり、電流の流れる電気棒を身体に押し当てられたそうです。アブワルダさんの身体には、背中や腕や足などに、今も痛々しい傷跡が数多く残っています。

食事は少量のパンとジャムだけで、水も自由に飲めないため、多くのパレスチナ人が喉の渇きに苦しんでいたといいます。「水が欲しい」と言うとイスラエル兵に殴られ、それでも「水をくれ」というと「これでも飲んでいろ」と笑いながら小便を掛けられたそうです。また、裸にされている時間が長く、寒さに凍えた人が毛布を求めると、わざと水を掛けて濡らした冷たい毛布を渡されたといいます。

ガザの保健当局は4月19日、昨年10月以降のイスラエル軍の攻撃によるガザの死者数が3万4,000人を超えたと発表しました。しかし、これはナセル医療施設の敷地内から多数の遺体が掘り起こされる前の数字なのです。また、イスラエル軍に拘束されている数千人のパレスチナ人も、拷問で虐殺され続けていますから、実際の死者数はさらに多いと思います。

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わずか半年間で1万3,000人以上のガザの子供を殺したイスラエル

今回の発表で何よりもショックだったのが、イスラエル軍に殺害されたガザの子どもたちの人数です。4月19日までのガザの死者数3万4,000人超のうち、少なくとも女性が1万人以上、子どもが1万3,000人以上と報告されたからです。これがどれほど異常な数字なのかというと、世界中の紛争地で死亡している子どもの数が、年間に約3,000人なのです。喫緊の正確なデータを見ると、2019年から2022年までの4年間に世界の紛争地で死亡した子どもの総数が「1万2,193人」なのです。

つまり、イスラエルのネタニヤフ首相は、全世界の紛争地で過去4年間に犠牲になった子どもたちを超える人数のガザの子どもたちを、わずか半年間で殺害したのです。そして、それは今も増え続けているのです。それなのに、そのネタニヤフ首相に約4兆円もの「人殺しの資金」を提供するというバイデン大統領。他国のこととは言え、これほど残酷な税金の使い方が他にあるでしょうか?

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のラザリーニ事務局長は、今年3月の時点で、ガザでの異常な子どもの死者数の推移を見て、「この戦争は子どもたちに対する戦争であり、彼らの未来に対する戦争だ。ガザの子どもたちのために今すぐ停戦が必要だ」と訴えました。また、イスラエル軍に拘束されて50日以上も拷問を受けた前出のアムラン・アブワルダさんは、共同通信の取材に対して、涙を流しながら次のように訴えたそうです。

「ガザに希望はない。少なくとも子どもたちだけでもガザの外に出してあげたい」

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(『きっこのメルマガ』2024年4月24日号より一部抜粋・文中敬称略)

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