「ハマスだけが悪」は本当なのか?知っておくべき“世界標準の真実”

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「パレスチナのガザ地区を実効支配する武装勢力・ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃」がきっかけとなり、緊迫が高まる中東情勢。欧米や日本ではハマスのみを非難する報道がなされていますが、異なる見方も存在するようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、複雑極まるイスラエルとパレスチナの歴史を詳しく解説するとともに、日本メディアが伝えない「10月7日に始まった衝突の真実」を紹介。その上で、「世界標準」の事実を知る重要性を訴えています。

日本のマスコミがほとんど報じない、パレスチナ側からの視点で考える「ハマスの真実」

現在のロシアによるウクライナへの軍事侵攻について報じる日本のマスコミの、あまりにも偏向的なテレビニュースや新聞記事から気づいた人も多いと思いますが、日本のマスコミが報じている内容は、ザックリ言って世界で起こっていることの半分だけ、西側諸国から見た西側諸国の立場での報道だけです。

たとえば北朝鮮、日本のマスコミが報じる内容だけを鵜呑みにしている人たちは、北朝鮮が世界の国々から完全に浮いている「ならず者国家」だと思っている人が大半だと思います。しかし実際には、北朝鮮は30年以上も前から国連に加盟している正式な国家ですし、中国を筆頭にロシア、ブラジル、インド、ドイツ、パキスタン、タイ、フィリピン、コスタリカを始めとした国々と、普通に貿易をしている普通の国家なのです。

北朝鮮の拉致問題を支持率稼ぎに利用して来た安倍政権を始めとした自民党政権は、選挙が近づくたびに「国際社会と連携して拉致被害者を取り戻す」などと「絵に描いた餅」を連呼し、唯一の対抗策として「北朝鮮への経済制裁」を掲げて「やってる感」をアピールして来ました。しかし、日本が貿易を規制したところで、日本以外の多くの国々と普通に貿易している北朝鮮にとっては、何の制裁にもなりませんし、痛くも痒くもないのです。

ロシアによるウクライナ侵攻にしても、日本のマスコミは西側諸国の立場からの報道しかしません。これは、ある意味、戦時下の「大本営発表」と五十歩百歩なのです。事実、今、ウクライナが必死にロシアから取り戻そうとしているクリミア半島は、アメリカにもロシアにもイイ顔をしたかった八方美人の安倍晋三が、「親友」と呼んでいたプーチンに上納したあたしたちの税金、数千億円を戦争の資金として、ロシアがウクライナから強奪した土地なのです。

そんな流れから、あたしは、今回のパレスチナのガザ地区のハマスとイスラエルとの大規模な衝突を、西側諸国に属する日本のマスコミがほとんど報じない、パレスチナ側からの視点で伝えたいと思いました。そして、両方の立場からの事実を理解してもらった上で、その問題点を考えてほしいと思いました。

まず、今回の衝突のキッカケを日本の報道レベルで触れると、パレスチナのガザ地区のイスラム系武装勢力、ハマスによる大規模攻撃によって、イスラエルに数百人の犠牲者が出て、イスラエル軍が大規模空爆で報復したことから戦争状態に突入しました。これに対して、西側諸国は次々とイスラエルへの支援を発表し、日本の岸田文雄首相も「ハマスへの批判」を発表しました。

アメリカは最新鋭の空母を現地へ展開し、イスラエルの援護に余念がありません。そして、日本のマスコミはと言えば、「パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム系武装勢力のハマスは…」などと報じまくっています。こんな国内報道だけを見聞きしていたら、「ハマスというテロリスト組織がイスラエルを攻撃して戦争を始めた」と思ってしまいます。でも、事実は大きく違うのです。

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