戦争よりも残酷な“ジェノサイド”。世界中で殺されている子供や女性たち

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12月25日だけでも中部で250名のパレスチナ人が亡くなり、イスラエルの空爆開始からこれまでに2万人以上が犠牲となったガザ地区。その内の7割が女性や子供との集計が発表されるなど、罪のない命が奪われ続けているのが現状です。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、ガザ地区や同じ中東のシリアで起きている現実を伝えるとともに、ガザでのイスラエルの行いを「ジェノサイド(大量虐殺)」だと断言。その上で、アメリカの顔色をうかがってばかりの岸田首相に対する提言を記しています。

犠牲になるのは女性と子供。戦争という絶対悪

日本のことではないため、もう忘れてしまった人も多いと思いますが、今年2月6日、トルコ南東部を震源として、マグニチュード7.8と7.5の連続した巨大地震が発生しました。後に「トルコ・シリア地震」と名づけられたこの地震では、トルコからシリアに掛けて、東日本大震災の犠牲者の約3倍にも上る5万6,000人以上が死亡し、東京都の人口を遥かに超える2,300万人以上が被災しました。しかし、まだ「しました」などと過去形では語れない厳しい状況が続いています。それは、巨大地震で家を失った難民キャンプの人たちが、今度は戦争に巻き込まれようとしているからです。

シリアでは2011年の「アラブの春」以来、独裁を続けるアサド政権と民主化を求める反体制派の間で10年以上も内戦が続いていますが、アサド大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と同じく「テロリストが隠れている」という説明を大義として、自国の学校や病院や住宅を空爆し続けて来ました。日本で言えば自衛隊が東京を空爆するような話です。これによって多くのシリア国民が虐殺され、これまでに1,300万人以上もの国民が難民となって国外へ脱出しました。

これらのシリア難民はトルコなどの周辺国に避難していますが、空爆で親を失った子どもたちなどは、国境地帯の難民キャンプで苦しい生活を続けています。あたしは、シリア軍の空爆によって両親を殺された、身寄りのない子どもたちの難民キャンプの映像を観て、涙が止まらなくなりました。

それであたしは、シリアの難民キャンプの子どもたちに、水と食料と医薬品を送る国際NGOの寄付に参加しました。毎月わずかな金額ですが、これまで12年間、寄付を続けて来ました。そのため、今年2月6日に「トルコ・シリア地震」が発生した時は、とても心配しましたし、その後も、ずっとシリアの情勢に注目して来ました。

多くの日本人にとって、中東の戦争など「対岸の火事」であり、心配することと言えば「原油」のことだけだと思います。そして、現在のイスラエルとハマスの戦争も、「イスラエル軍がガザ地区を一方的に攻撃している」という程度の認識だと思います。ちょっと詳しい人でも、イスラエル軍がハマスの他に、レバノン南部を拠点とするシーア派のヒズボラと戦闘していることを認識している程度だと思います。でも、アメリカをバックにつけたイスラエルが攻撃しているのは、パレスチナのガザ地区やレバノンのヒズボラだけではないのです。

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