恋愛は、最初のうちはいいけれど徐々に熱が冷めてしまって別れてしまう…なんてことがよく言われていますが、これはいったいなぜなのでしょうか? メルマガ『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』では、その疑問にさまざまな視点からお答えしています。
愛の寿命は4年?愛が4年でなくなるって本当?
さて今回は、「愛の寿命は4年?愛が4年でなくなるって本当?」というお話です。
オリンピックも4年ごとですし、男女の仲でも、4年というのは、実は、なかなか意味がある数字らしいのですね。
なぜ、4年なのか、本当に4年でなくなっていくのか?
今回は、以前話題になったこちらの本の内容中心にさぐっていきますね。
副題: 結婚・不倫・離婚の自然史
著者: ヘレン・E. フィッシャー
さて、今日のキーワードは…男女別には、どうしても思いつかなかったので、ひとつにさせてください。
愛がなくなるかどうか…それは、あなたしだい。
すいませんっ、あまりに単刀直入のキーワードで。でも、書けば書くほど、本当にそう思えてくるのです…
どうしてもそう思えてくるのです…まずは、読んでみてください(笑)。
今回も、気楽な気持ちで読んで頂けると幸いです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
恋愛に関する脳の働きには有効期限がある?
「男女の愛は4年でなくなるのか?」この話の背景のひとつとなっているのは、「全世界的に離婚する確率は4年目が多い」という調査結果が出ているからです。
これは各国調査などの統計的な数値からのものですが、これをさらに調べていくと、どうも「人間の脳の働き」も影響している、ということがわかってきたのです。
人間の脳の、フェニルエチルアミン(PEA)という脳内神経物質が関係していて、これが、大きな役割を果たしているようだというのです。
さて、どんな役割を果たしているというのでしょう?
と、その前に、こんなこと、ありませんでした?
誰かを好きになり、その人のことでいっぱいになり、その人が全部ステキに見え、理想の人に思えて、この人のいない世界は考えられない~なんて思ったりしたこと。
そして、いざ、恋愛関係にはいると、時間も忘れて話し合ったり、愛し合ったり、相手と会いたくて仕方なくて、いてもたってもおれなくて、仕事も手につかなかった…なんてこと。
ところが…
時がたち、いっしょに生活するようになったら…
「あれっ、この人、こんな人だったっけ?」
「なぜ、こんな人を選んだんだっけ?」
「相手選び間違えたかなぁ…」
などと、思えてくる…
気がつけば、話もめっきり少なくなり、相手の悪いところばかりが目につき、かつての相手に感じた情熱など、すっかりとなくなっている…
それに気づき、がーんとする…
なんてこと。
切ないですね~
あんなに好きだった人なのに…
でも、ご安心ください、これ、人間が生きぬいていくための、大切な知恵として脳が考え出してきたことらしいのです。なぜでしょうか?
それは、さきほどの話しにでた、脳内神経物質フェニルエチルアミン(PEA)が関係しているのではないかと考えられています。
実はこのPEA、誰かを好きになると湧き上がってくる、激しい感情的動揺を起こす興奮性伝達物質であり、脳の中で、興奮や歓喜、恍惚などの感覚の原因となる、自然の「覚醒剤」のようなものらしいのです。
一種の麻薬のようなものですね。
そして、このPEAが働くと、気分が高揚し、いい気持ちになったり、やさしい気持ちになったり、楽しい気持ちになったり、何でもできそうに思えてきたり、その人以外のことを考えられなくなり、毎日会いたいと願ったり…
この人がいないと生きていけない、なんて思ったり、つまり、盲目状態になるのですね、人間は。
すると…そう、やっぱり危険なのです。
いつまでも、このような状態にいるのは、人間にとっては、とても危険なのです。
麻薬や覚醒剤が危険なのと同じように。
つまり、残念ながら、いつまでも「恋愛脳」や「恋は盲目」で、高揚して、るんるんらんらん状態ではいられない、ということもでもあります。
いつまでも、その状態でいると、現実社会の中で、生きていくことに支障が出るからなんです。
ほら、仕事が手につかなくなったり、その人のことでいっぱいで、その他の大切なことをおざなりにしたり、忘れたり、冷静ではおれずに、変な行動をとったり、生きておれないほど、思い詰めたり…してね。
ですから、PEAは、その働きに期限を設けたようなんです。
その期限を過ぎたら、冷静になる、現実に戻る、目が覚める、という期限…を。
その期限、800人以上のアメリカ人にアンケートしインタビューしたテノブという研究者の結果によると、
「ロマンティックな恋愛の期間、つまり恋におちた瞬間から、愛の対象に対して、「中立的な感情を抱く」までを測定したその結果はいちばん多くて平均的な長さは、約18ヶ月~3年」
だったというのです。
また、性科学者のジョン・マネーという人も、研究結果から、恋人と定期的に会うようになると、「その情熱は2~3年続くのが普通」だといっており、その後情熱は減っていくとみています。
これがPEAのしわざによるらしいんですね。
脳は、ロマンティックな陶酔状態を際限なく維持できない、刺激物質が慣れてしまったりもして。
だいたい3年…
そう、3年もたつと、恋は盲目状態から解き放たれ、4年目くらいになると、恋愛感情や情熱が互いに少なくなり、現実的に戻り、冷静になり、いろいろと見えてきて、「離婚」に至るのではないかというのです。
さらに、脳の働きだけではなく、こんな人間の進化からも、「4年」がでてくるのです。
人間の自然な進化も4年を示している?
人間の進化などからも、この「4年」というのは、大きな節目になっている、というのです。
原始の昔からの話しになりますが、子どもが乳離れをして、親の手がかからなくなるのが4歳頃。
すると、両親が一緒にいなくてもいい時期になるというのです。
「愛はなぜ終わるのか」著者のヘレン・E. フィッシャー博士は、こう言っています。
「繁殖期間だけつがう、キツネやロビンその他多くの種と同じように、ひとの一対一の絆も、もともと、扶養を必要とする子どもひとりを育てる期間だけ、つまりつぎの子どもをはらまないかぎり、最初の4年だけ続くように進化したのである」
つまり、子育てが一段落つく時期が4年目でもあり、これが、別れの節目になると推測しているのです。
これには、いろいろな種族の調査結果の背景があり、たとえば、伝統的なクン族では、子育てに母親がべったりと寄り添うために、排卵が阻止されて、約3年間は妊娠能力が停止すること、また、オーストラリアのアボリジニーやニューギニアのガインジ族、アマゾンのヤノマモ族、その他の多くの出産間隔が4年であるそうです。
そして、このような調査結果から、人類学者たちは、人間の出産感覚は、自然状態であれば4年。それが、安心して産み、じっくりと育て、さらには、相手からの保護を得られる期間だったのではないかと推測しているのです。
そして、さらに言うと、この後に、次の相手を探すことが、原始の頃は必要だったらしいのです。
なぜか…
原始の頃は、多様性が必要だったからです。
これからを生き抜いていくために、いろんな才能や違った考え方を必要としました。
そのために、相手を変えることも必要だったというのです。
この時期に、違う相手を見つけることもまた、大切だったらしいのです。
この4年という間隔が、現代の離婚のピークの4年と、関係があるのではないかというのです。
離婚にはいたらないにしても、3~4年目の浮気に、関係しているのではいかと考えているのです。
人間とは、なかなかこの進化に逆らえないもののようです。
脳の、うんと奥の方にある、原始的な脳に反応してしまう、ということもあるようなのですね~
もちろん、無意識に…
えーーっ、では、この4年は避けられないの?
4年で、愛はなくなるの?
この4年という期間は、のばせないの?
と、思いますよね?
大丈夫です。
ここからまた、人間の進化がはじまるのです。
人間ですからね、ちゃんと進化していくのです。
原始脳に負けてはいないのです。
ここから、人間のさらなる進化が始まる
では、その進化はどんなものなのか…というと、激しく麻薬のような感情期間が過ぎ去ると、その後に、「愛着」という感情がでてくるというのです。
しかも、愛の化学作用に関する研究をしているリーボウィッツ博士によると、PEAに変わる脳内物質もできてくるというのです。
PEAに変わる脳内物質、それは「エンドルフィン」という脳内物質。
このエンドルフィンが脳の特定分野にたまってきて、「愛着」という感情がわき起こってくる、というのです。
そして、PEAなき後に大きな力を発揮するというのです。
このエンドルフィンは、情熱的で激しい感情をもたらすPEAとは違い、心を落ち着かせ、苦痛をやわらげ、不安をしずめる働きがあり、互いに安全、安定、静穏といった気分をわけ合うことができ、恋人、夫婦は、平和な気持ちで語らい、食べて、眠ることができるようになる、つまり、恋愛感情より、落ち着いた関係になっていくというのです。
恋から、穏やかな愛へ、という感じでしょうか。
よかった~
愛は終わらないんです、
その先に、穏やかな愛があるのね、
よかった、よかった~
と、手放しで喜びたいところですが、この穏やかな愛は、なかなか簡単にはできてこないのですね。
恋愛感情は、子孫を残すために必要不可欠な情動ですから、自然に湧いてきますが、このエンドルフィンが関与した愛は、互いに努力が必要だというのです。
そうです、PEAなき後のエンドルフィンの愛は、自分たちで作り上げていかねばならないのです。
ことばを変えて言えば、恋愛後の愛は、つくりあげていく、ともいえるのです。
日々の中で
お互いに思いやったり、
お互いに大切にしあったり、してね。
でも、4年後なんて、とっくに過ぎたよ~
もう何十年もたっているから、遅すぎ~ムリ~
なんて方も多くおられると思いますが、大丈夫です、エンドルフィンは今からでも出てきますから。
エンドルフィンは、先ほども書きましたように、互いに安全、安定、静穏といった気分をわけ合うことができるようにサポートしてくれる脳内物質の一つでもありますから、これがあった方が、相手のためだけでなく、自分のためにもいいのは確かです。
せっかく、パートナーといるのに、イライラしてばかり、怒ってばかり、笑顔なし、会話無し、感心なしでは、長い人生、つまらなくなりますからね。
今からでもエンドルフィンを出してみる努力をしてみるのは、いかがでしょうか(笑)
確かにむずかしいかもしれませんが、もしかしたら、もしかしたら、相手のエンドルフィンを引き出せるかもしれませんよ。
今日のキーワード
さて、今日のキーワード、
愛がなくなるかどうか…それは、あなたしだい
わかっていただけましたでしょうか?
「今さら、愛なんてやっかいなだけ」
「もう、愛なんてない」
「もう、どうでもいい」
なんて思ってしまうと、愛も終わるかもしれないのですね。
無理に「愛せ」とはもうしませんが、せっかくともに過ごしているパートナーですから、少しでも、あたたかい関係性を持ち続けていきたいものです。
それには、やはり、パートナーを大切にする、思いやる、そんなことが大切と思います。
image by: Shutterstock
『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』 より一部抜粋
男女の違いを、様々な年代層への取材などを通じて自ら検証。「105の違い」にまとめました。「105もあるのぉ?」大丈夫です! むずかしいことは書いておりませんし、事例も身近で、読めばきっと、「そうそう」と頷かれることばかりだと思います。楽しみながら読んで、ちょっと実行して……みてくださいね。
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