GWは下を向いて歩こう!
といっても、「500円見っけ」という話ではなく、主役はマンホール! 普段何気なく歩いていると目に入らないマンホールですが、実はすごく奥深いものなんです。最近では歴女、カープ女子に続き、マンホール女子なんていう言葉も登場しています。
そこで今回、マンホールの魅力について、マンホール好きの小金井さんにたずねてみました。小金井さんは、日本下水道協会が主催するマンホールサミットにも登壇したほどのマンホール女子。
話を聞いているうちに、マンホールをすぐに見たくなって、その日はずーっと下を向いて歩いていましたよ。
ゆるキャラから歴史までマンホールには魅力が盛りだくさん
―マンホールとは、そもそもなんのためのものなのでしょうか?
その名の通り、人(Man)が入って作業をする孔(あな・Hole)でマンホールです。マンホールでは、地下の配管点検などのためにあり、一般的には丸型ですが、用途によって大小や四角型のものなど様々です。
―マンホールにハマった理由をお教え下さい
もともと調べることが好きで、東京市、東京府時代のことなんて、マンホールを好きにならなかったら今でも知らなかったと思います。このようにマンホールから読み取れる歴史に魅了されました。
―正直、マンホールのことを気にかけたことがなかったのですが、マンホールの魅力はなんなのでしょうか?
まずマンホールには2つの魅力があります。デザインを重視した「デザインマンホール」と、歴史が古く、骨董的な価値があるものとして「骨董蓋」と呼んでいるものの2種類です。
デザインマンホールでは、見て楽しいというのが第一ですね。例えば広島にはカープ坊やがデザインされたマンホールがありますし、鳥取県には名探偵コナンが描かれているものがあります。
最近ではゆるキャラブームからか、埼玉県では所沢のゆるキャラ「ところん」のマンホールや、群馬県には「ぐんまちゃん」のマンホールがあります。こうしたゆるキャラマンホールはどんどん増えてきているんですよ。
また歴史をなぞったマンホールもあります。福井県にあるマンホールには、二羽の鳥が描かれています。この鳥はフェニックスで、福井市が地震で壊滅し、復興後に次は火事で壊滅してしまったことがあったそうなんです。2回壊滅し復興したことから、2羽のフェニックスなんだそうです。
―歴史や各地の特色が活かされたデザインになっているんですね。骨董蓋はどういう面白みがあるんですか?
上画像のマンホールは昭和7年より前に作られたということがわかるんです。何故かと言うと、このマンホールは豊島区にあり、中央の「高」から旧高田町のものというのがわかるんですね。この高田町は、東京都になる前の東京市時代の町で、昭和7年になくなっているんですね。こうして歴史を紐解いていくことで、このマンホールには歴史的な価値がある、となるわけです。
上画像は日本電信電話公社(現NTTグループ)のマンホールなので、1985年より前ということになります。街で写真を撮ったら、一番古い被写体がマンホールだった、なんてこともよくあるんですよ。
―最近のマンホール事情はいかがですか?
上画像は東京都でよく見るマンホールです。都の花である桜と、都の木のイチョウ、都民の鳥のユリカモメがあしらわれているんです。真ん中の番号は、地区の座標で、キャップの色で雨水なのか汚水なのかなどの情報が書かれているんです。
東京はこのマンホールに統一しようという動きも出ています。特に東京オリンピックが決まり再開発のスピードが早まっているので、都内でマンホール見るなら今がオススメですよ。
実際にマンホールを探る旅(鉄蓋の旅)をしてきた
ここまで小金井さんにマンホールの魅力について語っていただきましたが、聞いているうちに自分も見に行きたくなり、小金井さんと渋谷に現存する東京府時代のマンホールを目指して散策に行ってきました。
場所は、東京都渋谷区神宮前6-18付近。いざ意識して歩くと、色々なマンホールがあることに気づきます。
こちらは道玄坂のマンホール。渋谷だけにハチ公があしらわれています。
こちらは現在の東京メトロの前身の帝都高速度交通営団時代のマンホール。中央に帝都高速度交通営団の「S」のマークがあしらわれています。
そして目的地に到着し、東京府時代のマンホールを発見。
早速写真を撮る小金井さん。
小金井さんとのマンホール散策はとても楽しく、気が付くと常に下を向いてマンホールを探していました。
デートにマンホールをプラスワン!
こんなにも魅力のあるマンホールなら、デートにも役立てられるのでは? と思い、実際にデートプランを立ててみました。
まずは東京の観光名所として定着したスカイツリーのある墨田区。墨田区といえば花火。その花火を夏以外でも見ることが出来ます。それがこれ。
「花火を見に行こう」と誘い、上はスカイツリー、下にはマンホールで花火。なんてロケーションにきっと女性はメロメロになる!……はず。
続いては横浜。
中華街からのベイブリッジなんてコースはいかがですか。中華街で美味しい中華を頂き、歩いてベイブリッジの見えるところまで散歩。「ここからは2つのベイブリッジが見ることができるよ」と言い、下を向くとそこには、
前には東京湾のベイブリッジ、下にはベイブリッジマンホール。こんなロケーションで告白すれば、きっとOKを貰えることでしょう!……たぶん。
まぁ実際にメロメロになるか、告白が成功するかはわかりませんが、景観を楽しむ+下にも楽しみを見つけるというのは、お出かけをより楽しくしてくれること間違いないでしょう。
様々な広がりを見せているマンホール
魅力満載のマンホールは、様々な広がりを見せています。グッズでは、マンホール型のコースターやストラップ、マンホールがあしらわれた風呂敷も出ており、またマンホールナイトなるイベントも開催され、マンホール好き=蓋好き達が集まっているそうです。
ディープな世界と思いがちだが、マンホールは私達が歩いていれば必ずと言っていいほど見つけることができる身近な存在です。ビジネスの場で雑談として「最近マンホールにハマっていて」などと言えば、相手は必ず食いついてくることでしょうし、デートの際に、このマンホールにはこんな意味があると言えば、女性からの目の色が変わるのではないでしょうか。
いつもは景観を見ながら歩くと思いますが、視線を下に落としての街歩きもいかがですか。そこにはたくさんの魅力がつまったマンホールの世界が広がっていますよ。
文/横田吉木
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東京都下水道局が発行するメールマガジン。下水道事業に関する最新の情報のほか、日本各地のマンホールや下水道探索記など、他にはないディープな(地下だけに)情報を発信する。