金銭授受をめぐる問題で1月28日に辞任した甘利経済再生担当大臣。「政治家による口利き」という悪しき習慣がまた垣間見えましたが、ジャーナリストの内田誠さんは自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ』で、甘利氏の謝罪会見に関する新聞各紙の報道を詳しく分析。そこから浮かび上がってきたのは、甘利事務所側に関する「ある疑惑」でした。
金銭授受疑惑追及の視点
辞任した甘利経済再生担当大臣の金銭授受を巡る問題は、予算委員会が始まれば、野党の好餌となることでしょう。そこで焦点になるのは、甘利事務所が関わった今回の事案の背後に、膨大な口利きの山が築かれていたのではないかということ、翻って、自民党という党の体質が、そうしたものと一体不可分なのではないかという視点です。これから注目を浴びるはずの予算委員会での審議。そのなかでどんな質問が繰り出されるのか、考えてみたいと思います。
今朝の新聞を見ていて、一つのことに気付きました。
昨日、《東京》が注目した甘利氏の発言について、《毎日》
「政治家の事務所は、
この発言の重要性を、見出しによって強調していたのは昨日の《東京》だけでした。《東京》の記者は、「浮かび上がったのは、
今朝の《毎日》は、5面記事でこの点について触れています。
この記事の見出しは「秘書流用判明で決断」となっていて、甘利氏が辞任を決断するに至ったポイントについての分析記事になっているのですが、その横に「野党、疑惑追及へ準備」
「自民議員にとって、支援を申し出る支持者とどう付き合うかは長年の課題だ」
こんなことを語ったのは、麻生太郎財務相。「
石破茂大臣は「閣僚や議員が本人とは関係のない事務所関係のことで責め問われるのをずっと見てきた」として、秘書に任せた会計処理の問題で議員が閣僚辞任に追い込まれてきたことに懸念を示し、その上で「国会議員に頼むと何かをしてもらえるのではないかという思いを抱かせる仕組みをどうすればいいか」と述べ、意識改革の必要性を指摘したそうです。でも、その怪しい人たちとの付き合いを含め、不明朗な口利きビジネスで潤ってきたのは当の議員や秘書たちでしょう。「本人とは関係のない事務所関係のこと」
もう一つ、重要なポイントがあります。これは《読売》が「
これ、本当であれば、甘利事務所の側に、口利きに対する値段表があったということでしょう。
こんな口利きならいくら、こういう難しいのはいくらいくら、というように、メニューというか、仕事に対する対価がどのくらいかという、いわば相場についての観念が事前に存在していたということでしょう。「口利き」が業務として日常化していなければ、
野党の皆さんには、是非、こんなところも責めどころとして考えていただきたいものです。国会が楽しみになってきましたね。
image by 首相官邸
著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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