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世界で最も読み書きが出来る国1位フィンランド その教育の特徴とは

「世界でもっとも読み書きが出来る国ランキング」でフィンランドが1位に輝きました。学校ではテストも宿題もないのに一体なぜ? 驚きの教育システムの実態に迫ります。

最も読み書きできる国はフィンランド

先日、最も国際的な大学ランキングの記事で日本の大学教育における問題点をご紹介しましたが、今回はそんな日本のお手本になるかもしれない、フィンランドの教育について見てみたいと思います。

ガーディアン誌は今月11日、「世界でもっとも読み書きができる国」ランキングで、フィンランドが1位に輝いたというニュースを取り上げました。

これはジョン・ミラー氏が発表した「World’s Most Literate Nations」の研究結果によるものです。

トップ10は以下のとおり。 

  1. フィンランド
  2. ノルウェー
  3. アイスランド
  4. デンマーク
  5. スウェーデン
  6. スイス
  7. アメリカ合衆国
  8. ドイツ
  9. ラトビア
  10. オランダ

やはりここにも日本は出てきませんね。

でも日本は「テストのスコアが良かった国」ランキングでは4にランクインしています。

トップ5はこちら。

  1. シンガポール
  2. フィンランド
  3. 韓国
  4. 日本
  5. 中国

フィンランドの教育事情とは?

このランキングではアジア各国が並ぶ中、フィンランドが2位にランクイン。

フィンランドの教育にはどのような特徴があるのか気になりますね。

具体的に見ていきましょう。 

フィンランドの教育システムでは、「平等に教育の機会を与えること」が軸となっています。

例えば、1クラスあたりの人数も、教師の目が行き届くように最大でも約20人と小規模な人数で構成されているようです。

その中で、もし授業に追いつかない生徒がいたら、教師は個別に根気よく勉強を教えるのだとか。

基礎教育の段階では全国テストもなく、教師が自分で生徒の学習状況を分析し、独自のカリキュラムを考えるのだそうです。

フィンランド政府も学校教育に大きな投資をしています。

1960年代の後半まで、フィンランドは旧ソ連の影響を受け、多くの子どもたちが小学校以上の教育を受けられない状況にあったようです。

そこで、政府は何よりもまず人を育てるために投資をすることを決め、性別、経済レベル、地域に関わらず、すべての子どもたちに教育が行き渡るように政策を進めてきました。

今でも、この「教育の機会を平等にあたえる」という考え方は、政党に関係なく絶対的なものとして存在しているようです。

また、教育者という立場に対して、社会的な評価が非常に高いのも特徴です。

教師になるためには大学院で修士課程を修めなければならず、大学の教育学部の志願者は5倍という難関でありながらも、教師になりたいという若者はあとを断たないのだとか。

いかがでしょうか。

日本の状況と比べてみると異なる点がたくさんありますね。

世界的にも教育システムのお手本として注目されているフィンランド

もしかしたら、その一部が日本の教育システムに導入される日も、そう遠くないかもしれません。

image by: Shutterstock

source by Theguardian/ Business Insider/ Smithsonian

文/長塚香織

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