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日本経済はマズイ状態に。アベノミクスがダメなたった1つの理由

2017年4月の消費税10%増税が迫る中、再度見送りの噂も出るなど政府内でも意見が分かれています。私たちの生活にも直接影響する消費税の増税について、人気メルマガ『毎日5分! 経済英語NEWS!』の著者である八木翼さんは「景気が良くなるわけがない」と断固反対。その理由を以下のように語っています。

【アベノミクスがダメなたった1つの理由】

アベノミクスがダメだったのは、消費税増税を行ったからです。あれで見事に腰を折ってしまいましたね。

ただでさえ、日本の消費は年寄り主導で力強くないのに。。。しかも、今回、また引き上げるつもりでいます。

ちょっと日本経済はまずい状態になっているのではないでしょか?

ニュースを見てみましょう。

(Weak Japan wage demands deal blow to Abenomics)
(日本のぜい弱な賃上げ要求、アベノミクスに打撃!)

(1)
Japanese companies have markedly slowed the
pace of wage growth in one of the worst blows
to hit the Abenomics stimulus since it was
launched in 2012.

(日本の会社は、賃金成長のペースを減速させ、
2012年に行われた刺激策であるアベノミクスに
最悪の一撃を与えた。)

 

(2)
As results of the annual “spring offensive”
on wages poured in from across the manufacturing
sector, many companies offered pay rises half
the size of last year, and far below the pace
needed to drive inflation to 2 per cent.

(賃金に関わる春闘で、製造用の中から出された結果では、
多くの会社が、昨年の半分の引き上げを示し、インフレ率2%
を達成するためのペースをはるかに下回った。)

 

(3)
The results are a double blow to Shinzo Abe,
prime minister, and the Bank of Japan.

Lower wage rises not only mean less cash to fuel
consumption, they cast doubt on the credibility
of the BoJ.

(この結果は、総理大臣の安倍晋三と、
日本銀行にとって、2倍の打撃である。)

(低迷する賃金上昇は、消費を加速させるのに
十分な資金と言うだけでなく、日銀の信頼性についても
疑いを抱かせている。)

 

(4)
“The monetary arrow was meant to raise inflation
expectations to 2 per cent, and thus provide a
mechanism to co-ordinate wage and price inflation,”
said Luc Everaert and Giovanni Ganelli of the IMF.

(「金融の矢は、インフレ期待を2%に上昇させ、
それに加え、賃金と価格のインフレーションが、
調和して動くメカニズムを供給することを意味する。」
と、IMFのLuc EveraertとGiovanni Ganelliは述べた。)

 

(5)
“However, this has proven to be a hard struggle
because companies and workers alike seem to look
backward rather than forward in setting their
expectations,” they added.

(「しかし、会社と労働者はどちらも、期待の醸成に
前向きではなく、後ろ向きのように見え、
これで、苦戦することが、証明された。」
と加えた。)

“A fourth arrow needs to be loaded.”
(「第4の矢を準備する必要がある。」)

 

(一部引用 Financial Times | Robin Harding and Kana Inagaki in Tokyo
http://on.ft.com/1RdvoTJ

 

賃金アップ無き、消費税増では景気は良くならない

アベノミクスと言うより、影響がデカかったのは、消費税引き上げだと思います。

私の実家では、結構な数の小売店やコンビニがつぶれていました。正直、増税の影響を肌で感じています。実はそれは当然です。

以前もこの表を出したことがあります。これは、過去の増税の時の落ち込みと比較すれば分かります。

前回の増税は、1997年の3%→5%でした。その時と今回の増税を、増税前の駆け込み需要から、増税後3カ月まで比べてみましょう。

 

【1997年の増税】

  1-3月期 4-6月期 実質影響
実質GDP +2.8%  -3.5%  -0.7%
家計消費 +9.1%  -13.3% -4.2%

 

【2014年の増税】

  1-3月期 4-6月期 実質影響
実質GDP +6.1% -6.8% -0.7%
家計消費 +8.5% -19.2% -10.7%

 

特に注目すべきは、2014年増税の家計消費の落ち込み-10.7%です。

【2014年の増税】の家計消費の実質影響が明らかに大きすぎます

1997年の増税よりも、倍以上の影響があったわけです。何故こんなことになってしまったのか?

アベノミクスとお祭り騒ぎする中で、実際には、給与も伸びていない

それなのに増税したと言うことが大きなダメージを与えているんですね。

実質賃金は、インフレの影響で、-6.6%となっています。その中で増税をすれば、そりゃ当然、影響は甚大です。

この状態で再増税、しかも景気対策ではなく、社会保障費に使うと言うのであれば、なお、悪影響があるでしょう。

これでは、景気が良くなるわけありません。結局、再増税もそのまま行いそうですしね。

image by: Shutterstock.com

 

『毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋
著者/八木翼
TOEIC235点だった私が900点を超えるまでの勉強の過程で感じた、「英語のニュースを解説してくれる教材があったらいいのに」という思いを形にしました。全ての英文に和訳、文法解析がついています。
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