技術が発達した現代、世界のあちらこちらで新たな研究結果が次から次へと発表されています。価値ある発見もありますが、中には「どうでもいい研究」も多数あります。2016年に発表された、あまり役に立たない研究を5つ取り上げてみました。
知らなくてもいい研究5件
① 3分間テトリストで遊ぶと、セックス、お酒、料理への欲望がおさまる
英プリマス大学と豪クイーンズ工科大学の心理学チームの研究によると、ゲーム「テトリスト」で遊ぶと、ゲームに夢中になり、食べる、飲む、セックスするなどの欲望から気が逸れることが判明したとのこと。
「欲望とは、特別な物質を消費する経験を想像すること、あるいは特定の行為にふけることと深く関わるので、テトリスがそれらに影響すると私は考えます。テトリスのような視覚的に面白いゲームで遊ぶことは、想像することを支えるメンタル・プロセスを独占する。テトリスをしながら、同時に何かをはっきりと想像することは難しい。テトリスは、サポート・ツールとして日常生活において人間の欲望を管理することを助けるに違いない」
…とはいえ、いろいろなゲームがあふれる現代において、毎日テトリスだけをプレイしてる人ってどれほどいるのでしょうか。
② フェイスブックの友人のほとんどは、本当の友達じゃない
image by: Pixabay
オックスフォード大学は、フェイスブックに関する研究結果を発表しています。
英国の3,300人以上のフェイスブックユーザーを調べたところ、フェイスブックにいる友人150人中わずか4.1人しか「頼れる友人」がいないということがわかったそう。
「友人との連絡が途絶える、自然な減少率について、ソーシャル・メディアはそれを減速させる役割を果たしている。しかし、実際に会ったりしていない場合、フェイスブック上だけでは、友情関係を保つことなどできない」と研究者は話しています。
…そんなこと、わざわざ言われなくても「知ってた」研究結果ですよね。
③ スパイダーマンの存在はありえない
image by: Wikipedia
名門ケンブリッジ大学が、ジャーナル「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表した研究は何かというと、「スパイダーマンの存在はありえない」というもの。
「スパイダーマン」といえば、みなさんご存じの通り、アメリカで絶大な人気を誇るコミック・キャラクター。
まるでクモのように天井や壁に張り付き、自由自在に移動することが可能な「クモ人間」です。
研究結果によると、垂直の壁を移動できるのは、最大でもヤモリの大きさが限界で、ヤモリより大きな生き物が壁を這う場合、とてつもなく巨大な粘着性の足底が必要とされる、という報告がされたのです。
もしスパイダーマンのように壁を這って移動したいなら、人間の場合では体の表面の40%を覆う足底が必要とのこと。
その際に想定される足のサイズは、米国だと「114」だとか。
しかし、想像してみるとあまりにも滑稽な姿ですね。
スパイダーマンの次には、こんな研究をする人も現れるかも。
「バットマンの存在はありえない」
④ 保守か、リベラルかを決めるのは“名詞”だった
政治心理学系のジャーナルで掲載された研究結果は、「保守派の政治家はリベラル派よりもスピーチの中で名詞を好んで使う」というものでした。
例えば、“Optimistic”(楽観的)という言葉を使う代わりに、”Optimist”(楽観主義者)を使う、といった具合です。
これは、3カ国を対象に異なる言語を話す政治家のスピーチを分析したもの。
保守派のジョージ・W・ブッシュは、リベラル派よりも名詞を多く使っていたそうです。
おそらく、安定性、熟知、伝統を保つために好んで使っていると考えられるそうです。
…こちらも「だから、どうした!」感が否めません。
日本の政治家を分析しても同じ結果になるのでしょうか。
⑤ ビジネス出張者は「優先レーン」を好む
グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーションによると、ビジネス出張者で、アメリカ国土安全保障省運輸保安庁による「TSAプレチェック」に登録した人は、登録していない人よりも空の旅に満足しているという結果がでました。
この「TSAプレチェック」とは、全米で導入されている優先スクリーニングプログラムのこと。
事前に登録している旅行者は、空港のゲートに入る際に長い列にならばなくても、事前審査された人向けの短い列を利用できるというものです。
つまり、「優先レーン」に並ぶことができるということです。
セキュリティチェックの際には、靴や上着を脱がなくてもいい、パソコンをバッグからいちいち取り出さなくても良いといったメリットがあります。
…これ、本当にどうでもいい研究です。
むしろ「TSAプレチェック」というものの存在を知ったということの方が、ちょっとした発見でした。
しかし、本当に色々な研究がありますね…。
こうした役に立たなそうな研究は無数に存在していると思われますが、当の研究者たちはきっと大まじめに、日々研究にいそしんでいるのかもしれません。
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Source by: FOXニュース , INQUISITR , SKIFT, Daily Mail, IBT
文/MAG2 NEWS編集部