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太らないミラクルヌードル。日本の「シラタキ」が海外で人気爆発

欧米で人気があるのは寿司やラーメン、抹茶だけじゃありません。豆腐と同様にヘルシーなミラクル食材として、近年注目を集めているものがあります。それは時々私たちの食卓に現れるあの「シラタキ」です。

意外な日本食「シラタキ」が健康食として広まる?

欧米で豆腐が”Tofu”として、海外に広まったのももう遥か昔のこと。いま世界がミラクル食材として注目しているのが日本の”シラタキ”です。

痩せているを意味する”Skinny”というブランド名のシラタキヌードル

 

「豆腐しらたき」なるものも登場

 

シラタキは繊維質であるグルコマンナンを多く含むこんにゃくであることはご存知だと思いますが、私たち日本人は得意のアレンジ力を活かして麺の代替品にしてしまいました。

Alternetでは「0カロリーのシラタキ・ヌードルが、ミラクル・ヌードルと呼ばれる5つの理由」という見出しで、シラタキの効能を紹介。

【シラタキの効能】

こんなに効果がある食材なら、世界でも注目されちゃいますよね。

記事の中ではレシピも一緒に紹介されていますが、さすがはアメリカ「シラタキのマカロニチーズ味」だそうですよ!

コレばっかりは”完全なヘルシー”とは言いがたいですよね。

ともあれ、シラタキはスーパーフードとして紹介されているのでやはり注目する人も多いようです。

SNSでは医師までもが食べることを推奨していたり、シラタキ料理を作ってみた人が写真をアップしているなど、かなり注目されています。



 

@mandelbeereが投稿した写真

 

日本食の歴史に興味津々

以前に「日本の食事のバランスの良さが欧米で注目されている」という記事を紹介しましたが、この「シラタキ・ブーム」も含め、いま海外は日本のヘルシーな食生活に興味津々と言っても過言ではないでしょう。

世界中の大方の見方として、「日本人と食との関係性」はとても羨ましいものとして映っているようです。

ビジネス・インサイダーは、戦後の日本食がどのように健康的な食生活を築きあげていったのか、興味深い考察をしています。

記事の中で、「日本食—特に注目すべきなのは新鮮な野菜、さらにとても新鮮な魚、繊細なダシと優美に盛りつけられた料理たち」と表現。

「美にうるさい中国の女性たちは、“日本食”を食べることが健康と美の秘訣と考えている」、それほど日本食は健康に良いと世界で評判だ、と説明しています。

実際に先進国の中では著しく肥満体の人が少ない日本。

2013年の統計では、日本人女性の肥満率はたった3.3%

一方、ポーランドは20.9%アメリカが33.9%

エジプトにいたっては48.4%の人が肥満に当たるということです。

他国と比較すれば、肥満の割合が驚異的に少ないのは一目瞭然です。

そんな背景もあり、海外では「日本は国民全体が優れた食生活を送っているという基本的な文化があるにちがいない」という見方がされているようです。

同サイトは、「いま一般的に日本食として考えられているものは、第二次大戦以降から食べ始めたにすぎない」ことに言及し、日本食生活の歴史について紹介しています。

戦後の日本人は何を食べていたのか?

1950年代、国民の所得は倍増し、人々の住む環境は平地から都市のアパートに移動しました。

みんなこぞって”三種の神器”と呼ばれたテレビや洗濯機、冷蔵庫を買い揃え、ライフスタイルも大きく変わりました。

この経済発展に伴い、日本人の食生活も様変わりします。

新しい食材を口にするようになり、日常の食べ物は炭水化物からタンパク質の割合が増えてきました。

「食べ物の摂取量が戦前レベルに戻っても、日本人はそれまでの食事のパターンに戻ることはなく、むしろ新しい食習慣が形成されていった」(日本の食文化研究者 石毛直道氏)

1955年当時日本人は平均で年に3.4個の卵1.1kgの肉しか食べなかったのに対し、米は約110kgも摂っていたということです。

米が中心の、炭水化物多めの食生活だったようですね。

1978年になると、米の消費量は1人あたり81kgと顕著に減少したのに対し、卵は14.9個豚肉は8.7kgも消費するようになっていました。(※牛肉や鶏肉、魚のデータは不明)

かつて日本の夕食の品数は1品か2品で、それ以上あると贅沢とみなされていました。

しかし、豊かさを享受した現在では、おかず3品以上が当たり前となり、加えて白米、汁物、漬物といったメニューの和食が基本となりました。

新聞が料理レシピ欄を掲載するようになり、食事のときに話をするのはマナー違反という文化が長く続いた後、日本人は食について鋭い視点で語るようになったと言われています。

「韓国の焼き肉、西洋のエビフライ、中国の炒めものをはじめとする海外の調理法を日本人は取り入れ、日本を訪れた外国人たちに“これが日本食なのか!”と思わせるほど独自のものに進化させた」と同サイトで指摘されているように、和食以外にも独特の食文化を形成させました

日本人は新しい西洋料理に出会うと、それをそのまま再現するのではなく、日本人の伝統的な発想をもとに、1人前の分量やサイズをひと口にするなど、料理の構成をアレンジして取り入れました。

オムレツを例に取ると、欧米では付け合せについてくるのはフライドポテトですが、日本ではオムレツを味噌汁と野菜、ご飯などと一緒に食べますよね。

このようにして、私たちは自分たちの選んだ方法で楽しく健康的な食生活を送ってきたといえるでしょう。

今回紹介した「シラタキ・ヌードル」以外にも、トーフ、ミソ、ノリ、ワサビなど、世界に日本語で通じる食材も増えてきました。

私たちが普段食べている食材が、世界中で思いがけない料理になって出てくる日も近いのかもしれませんね。

Image by: Shutterstock

Source by: ビジネス・インサイダー, ツイッター, Alternet

文/桜井 彩香

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