数字で見る、消費税増税がどれだけ「日本に迷惑」をかけてきたか?

数字で見る、消費税増税がどれだけ「日本に迷惑」をかけてきたか?
 

では一方、「増税の影響」についての事例はあるでしょうか? 実は、「消費税を上げたら、景気も財政も悪化した例」は、日本にあります。日本に消費税が導入されたのは、1989年のこと。当時、税率は3%でした。バブル最末期で、翌年にはバブル崩壊がはじまっています。しかし、これは既述のように不動産売買の「総量規制」が原因と考えられ、消費税導入と景気の相関性がよくわかりません。

消費税が5%に引き上げられたのは、1997年のことです。それで、どうなったか? まずGDPが以後、全く増えなくなりました。日本の名目GDPは、バブルが崩壊した1990年、約440兆円でした。しかし、その後もGDPは少しずつ増えていたのです。

・91年…468兆円
・92年…480兆円
・93年…484兆円
・94年…486兆円
・95年…493兆円
・96年…504兆円
・97年…515兆円

数字を凝視してみましょう。GDPは確かに増えています。97年に消費税が引き上げられた後はどうでしょうか?

・98年…504兆円
・99年…497兆円
・00年…502兆円
・01年…497兆円
・02年…491兆円
・03年…490兆円
・04年…498兆円
・05年…501兆円
・06年…508兆円
・07年…515兆円
・08年…494兆円

消費税引き上げ前と後で、違いは明らかでしょう。それまで、GDPは緩やかな増加を続けていた。引き上げ後は、500兆円をはさんで、増えたり、減ったり。

ところで、肝心の税収は増えたのでしょうか? 消費税が引き上げられた翌年の98年、消費税収は96年比で4兆円増加しています。しかし、所得税収は2兆円、法人税収は3兆円と、それぞれ減少。結局、税収全体で見ると、1兆円減るという結果になりました。

print
いま読まれてます

  • 数字で見る、消費税増税がどれだけ「日本に迷惑」をかけてきたか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け