なぜこれほどテロが急増しているのか? 知られざるサウジ王室の異変

 

しかし、この数ヶ月の間に、テロ組織を支援していたトルコやサウジの異変が起きたように見えます。特に多大な資金を提供していたサウジとテロ組織の間で、なにかしらの「関係性の悪化」が起きたものとみられ、テロ組織の歯止めが効かなくなっているのが現在だと思います。

今週7月4日、サウジアラビア国内で同時多発テロが起きました。西部のイスラム教聖地メディナでは少なくとも4人が死亡、ジッダにある米領事館のすぐ近くでも自爆テロが起きたのです。さらにメッカに次ぐ聖地であり預言者ムハンマドが埋葬されたメディナでもテロが起きました。

CNNの国家安全保障アナリストによれば、ラマダン期間中にシーア派モスクや米施設、聖地を狙った攻撃には、「聖地の守護者」を自認するサウジ王室に恥をかかせる狙いがあった、と報道しており、ISおよび事実上準ずる組織と、サウジアラビア(王室)の間で、「関係性の悪化」があるのは、間違いありません。

宗教を背景にした組織と反社会組織の関係は、決して中東に限ったことではありませんが、その関係を強固にしているのはお金です。現在、世界中で起きているテロの要因は、サウジアラビアが国家破綻に直面していることに起因しているのではないか、と僕は考えています。

次週、サウジアラビアの現在と未来につきまして、お話ししたいと思います

image by: Shutterstock

 

高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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