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「低血圧=健康」ではない。元気な老人を減らす、誤った2つの習慣

「最近血圧が高くなってきて、脂っこいものは控えてる…」という方は結構多いのではないでしょうか? たしかに高血圧は動脈硬化を招き、心臓病や脳卒中の原因になるともいわれています。しかし、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者である中部大学の武田教授は、血圧は低いほどいいという習慣を「間違った医療」と断言。これが健康で活気のあるお年寄りが少なくなった理由の一つと語り、そのような指導を生んだ西洋医学の問題点を指摘しています。

歳をとっても生き生きとした人生を…。その願いが叶わぬ2つの理由

日本人の赤ちゃんはほぼ1年に100万人誕生します。昔は人口が少なかったのですが子沢山だったので、現在とそれほど変わっていません。今から100年前、日本人の平均寿命は男女ともほぼ43歳でした。

その頃の人口分布は一般的に「ピラミッド型」と言われるもので、赤ちゃんの数が100万人、最も長生きする人が80歳ぐらいで、三角形の形をしていたのです。最近、少子化が問題になって若い人が少なく年金が維持できないという理由で、子供の数を増やして若い人が多いピラミッド型にしようという意見もあります。

でも、赤ちゃんが100万人で80歳でほぼゼロになるということは、ちょうど40歳の時に「半分の友達が死んでいる」と言うことを意味しています。人間は勝手なもので、生き残るのは自分で死ぬのは他人と思っていますから、ピラミッド型の方が年金がもらえると思うのですが、死ぬ可能性の方が高いのです。

戦争が終わって次第に戦死したり、肺結核で命を落とす人が少なくなり、多くの人が80歳ぐらいまで生きる事ができるようになると、「高齢者の数が多いので、若い人が年金を支えるのが難しい」と言われたり、「高齢者はボケていて社会の役に立たない」などと言われるようになりました。

社会全体として見ればそうなるかも知れませんが、自分を考えたらどうでしょうか?自分の一生ですから寿命が尽きる寸前まで、できれば元気で意識もハッキリしていたいと願うでしょう。でも、社会はなかなかそれを許してはくれません。自分が歳をとっても生き生きとした人生を送りたいと願ってもそれができないのは、主として「会社の定年制」と「医師が強制する低血圧」の二つと考えられます。

まず、精神面では定年で仕事を失い、それだけで大きな精神的な痛手を受けます。人によっては妻から「粗大ゴミ」と言われたりして追い打ちをかけられます。自分自身も目標やノルマを失って元気がなくなりますし、向上心をもっても意味が無い状態が続きます。それにテレビなどで「老化するとグチが多くなる」とか「忘れっぽくなる」などと言われて、ちょっとしたことでも「仕方が無い、歳をとったから」という理由にしてしまうようになります。

それに輪をかけるのが「低血圧」や「コレステロール」「減塩食」「油っぽいものを避ける」という間違った医療です。この中でも特に悪質なのは「血圧は低い方が良い」という指導で、その結果、高齢者は血流量が足りず、元気がでなかったりガンや伝染病に対する抵抗力を失ったりして、さらに落ち込みます。家族性の病気などで血圧に異常を来している人は別にして、普通は心臓が末端血管の血流量を保とうとして血圧をあげるのですから、それを下げるのには何らかの理由が要ります。

ところが、高血圧の治療はほとんど進歩が見られず、「一人の患者さんの望ましい血圧」を決めることもできず、「高血圧の原因となっている硬化した血管を柔らかくする薬」も開発されていません。単に血圧だけを下げるので、血流量が減少してますます死期を近づけることになります。

また、高齢になると味覚の関係で食欲が減退しますが、減塩食やかさかさした油を含まない食事を強制され、さらに生きがいを失っていきます。これらは、「自分が専門とする領域の病気にならなければ、患者の人生などどうでも良い」という西洋医学の欠点がそのままでたもので、「健康であれば死んでも良い」というギャグがあるぐらいです。

image by: Shutterstock

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

著者/武田邦彦
東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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