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花火の掛け声「たまや〜」の玉屋は江戸を追放、鍵屋は今も続いてる?

夏の風物詩といえば、夜空を飾る打ち上げ花火。これから花火大会に足を運ぶ予定という方も多いのではないでしょうか。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、あの「たまや~」「かぎや~」の掛け声の豆知識を紹介、知っておくとさらに花火が楽しめそうですよ。

たまや~ かぎや~

先週末、おおよそ10年ぶりぐらいに打ち上げ花火大会に行きました。大迫力の打ち上げ花火を間近に見ると、ただ目の前に広がる光の軌跡だけでなく、音、身体に伝わる振動などのライブ感が素晴らしく、夏の風物詩として長く親しまれてきた理由をあらためて体で感じてきました。

さて、打ち上げ花火はただ見ているだけでもその迫力で十分に楽しめますが、いくつか知っておくとさらに楽しみが増えます。

今回ご紹介するのは、素晴らしい花火を見たときの掛け声。有名なのは「たまや~」です。これが江戸時代の「玉屋」という花火業者の屋号だ、というのはわりと知られている話です。

また、「かぎや~」というのもあり、こちらももちろん花火業者の屋号だというのもよく知られています。

もう少し詳しく知っている方は、玉屋は鍵屋から暖簾分けをしてもらった業者で、両国の上流・下流でその花火技術を競ったもの、それぞれの贔屓が「たまや~」「かぎや~」と声を掛けたなどはご存知でしょう。

残念ながら玉屋は1843(天保14)年に火を出してしまい、大火事となります。その結果、当主の玉屋市兵衛は江戸を追放廃業となってしまいます。

ではなぜ「かぎや~」じゃなくて、今もなお「たまや~」と言われるのかは諸説あります。玉屋のほうが技術が優れていたとか、発音のしやすさ、などの説がありました。「たまや」は確かに母音の「あ」の音が連続します。「の音は大きな声を出すにはどこにも緊張がないので出しやすいというのは音声学の基礎的な知識でも納得できるところです。

さて、現在ではどうなんでしょうか? 実は鍵屋は代々続いていまして、今は天野安喜子さんが15代目当主として伝統を受け継いでいらっしゃいます。

関西ではなかなかお目にかかることはないかもしれませんが、関東の花火大会には、鍵屋さんが手がけているものもあることでしょう。そんな花火大会に出会ったときには、ぜひ「かぎや~」と応援したいものですね。

image by: Shutterstock

 

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