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【自動運転】東京五輪までにロボットタクシーを実現化させる「近道」

米フォード・モーターが、2021年までに「完全自動運転車」の量産を本格的に開始し、「配車サービス」などから順次供給していくことを発表しました。メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんは、日本でも「2020年の東京オリンピックを目標に“ロボット・タクシー”を本格的に導入する」という話が進んでいることに関連付けて、東京五輪までに日本で自動運転タクシーを実現させるための「近道」を提案しています。

私の目に止まった記事

Ford plans to have a fleet of fully autonomous cars operating in a ride-hail service by 2021

最近、自動運転関連の記事に注目して読んでいますが、これもその一つです。フォードが2021年までに自動運転の ride-hail サービス(安全なところであればどこでも乗り降りができるバス)向けの車を提供する予定だ、という話です。

この件が注目に値するのは、単に「うちの会社も自動運転車の開発研究をしていますよ」という話ではなく、「どんな市場向けに自動運転車を最初に提供するか」というとても具体的な話になっている点です。

業界では、「自動運転が実用化されるのは時間の問題でしかない」という共通認識はありますが、それがどのタイミングで、どのくらいの規模で起きるのかに関しての認識は、人によって大きく異なります。

そんな中でフォードが「ride-hail サービス」という具体的な話を出してきたということは、すでに地方自治体との間で、道路や規制基準の整備がある程度進んでいると見て間違い無いと思います。

日本でも2020年の東京オリンピックに向けてロボット・タクシーを実現させる、という話が進んでいるようですが、一般道を他の車に混ざって走るという話になると、新たな規制基準が必要になるし、反対する人も出ると思います。

しかし、オリンピックの期間だけでも良いので、自動運転車向けの専用道路を用意して、一般の車が入って来れないようにすれば規制の問題は回避できます。

フォードの件もそうですが、まずはそんな形で専用の自動車道を使った公共の交通機関として地方自治体が導入する、というのが自動運転車の実用化へ向けた一番の近道だと私は考えています。そして、そこで実績を積み、(一般自動車との混在問題をどう扱うか、という問題を回避したまま)徐々にサービスの範囲を広げつつ、最後には人間が運転する車を市街地から排除する、という形で決着が着くと私は見ています。

image by: Shutterstock

 

『週刊 Life is beautiful』より一部抜粋

著者/中島聡(ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア)
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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