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日本人には理解不能?ロシアでプーチンが「神」であり続ける理由

先日ロシアで下院選挙が行われましたが、下馬評通り政権与党が圧勝、プーチン人気は衰えを知りません。なぜプーチンはここまで国民に支持され続けるのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんが、「日本人はびっくりしてしまう」というその理由を明かしてくださいました。

ロシア下院選挙の結果

日本国民は、まったく関心がないと思いますが。ロシアで9月18日、下院選挙が行われました。いちおう「ロシア」政治経済ジャーナルということで、結果に触れておきましょう。

まずロシアの下院ですが、450議席で、任期は5年になります。開票率60%時点で、

1位 統一ロシア 54%

統一ロシアは、政権与党。党首は、メドベージェフ首相です。政治的立場は、中道右派

2位 ロシア共産党 13.87%

ソ連共産党の流れをくむ政党。党首は、1993年の結党からずっとジュガーノフさん。共産主義時代の「安定」を懐古する、年金生活者などが主な支持基盤。政治的立場は、左派。「石油会社を国有化せよ!」などと主張しています。

3位 ロシア自由民主党 13.66%

90年代に、「ロシアのヒトラー」と呼ばれたジリノフスキーさんの政党。極右政党と呼ばれていますが、最近はかなり丸くなっています。

4位 公正ロシア 6.14%

党首は、ミローノフさん。06年にできた比較的新しい政党です。統一ロシア=政権支持の中道右派、公正ロシア=政権支持の中道左派、となっています。

こう見ると、

と見事にバランスが取れています。

下院選挙に関心が薄い国民

今思い出すと、ロシアの選挙は90年代本当に面白かったです。一番ドキドキしていたのは、「共産党が巻き返し、またソ連時代に逆戻りするんちゃうか?」ということ。実際、自民党のジリノフスキーさんと共産党のジュガーノフさんは、「大統領になれる可能性があった政治家」です。選挙になると、みんなテレビの前にはりつき、結果に見入っていました。

ところが、プーチンが」になり、下院選挙への関心は薄れました。下院には4党いて、政治的立場もそれぞれ違う。しかし、この4党には一つの共通点がある。それは、「プーチンに反対しないこと」なのです。たとえば、この4党は、「クリミア併合」に大賛成しています。

ロシア経済は現在、「経済制裁」「原油安」「ルーブル安」でかなり厳しくなっている。それでも、プーチンの支持率は下がらず統一ロシアの支持率も高い。これはなんでしょう?

日本人はびっくりだと思いますが、ロシア国民の大部分は、

心から信じているのです。今後どうなっていくかはわかりませんが、現時点でプーチン体制は安泰なようです。

image by: Savvapanf Photo / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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