ブックオフは、いかにしてクレーマーを常連客にしたのか?

 

ブックオフは顧客の不満に注目した

顧客の不満をビジネスチャンスとして捉えて成功した企業があります。BOOKOFF(以下、ブックオフ)です。中古本の買い取りと販売を行うブックオフは、「本を捨てたくない」と考える人の不満を解消したいと考えました。そこで、事業コンセプトを「中古本のコンビニエンスストア」から「捨てない人のインフラ」に再定義しました。

多くの人が本を捨てたくないという不満を抱いていました。一方で、大量の本を中古本屋に持ち込んで売るためには大きな労力がかかります。そのことに対しても不満を感じていました。多くの不満を解消できずにいたのです。

そうした不満を解消するためにブックオフは様々な施策を行いました。たとえば、本を車で持ち込めるように駐車場の確保と整備を行いました。店員が顧客の自宅に伺って買い取る「出張買取」というサービスを開発しました。送料無料でブックオフに本を送ることができる「宅配買取」というサービスを開発しました。

このように、本を捨てたくない人の不満を解消するためのインフラを整えていきました。整えたインフラ自体は目新しいものはありません。しかし、目新しくなくても顧客の不満を解消することで新たな価値を創造することができました。不満の解消は新たな付加価値を生むのです。

ブックオフの事例から、顧客の不満に耳を傾けることの重要性がわかります。顧客が感じている不満に関心をもつことが大事です。顧客満足の反対は顧客不満足ではなく、無関心なのですから。

image by: Wikimedia Commons

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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