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ついつい「いただく」を多用。メールで敬語だらけを回避する方法

ビジネスメールなどで「丁寧さ」を意識するがあまり、気づくと「いただく」という言葉を多用してしまっていること、ありませんか? 無料メルマガ『仕事美人のメール作法』の著者でメールマナーの著書も上梓なさっている神垣あゆみさんは、敬語は適材適所に用いてこそ「効果」が発揮されると指摘するとともに、相手を不快にさせることのない「正しい敬語の使い方」について詳述しています。

「いただく」の多用

参加者の皆さまから非常にご関心いただいている新商品について、開発者を交え、議論していいただく場としていただきたいと考えています。

上記の一文で気になるのが、たびたび使われている「いただく」です。一つの文に3回も用いられています。

前文の「非常にご関心いただいている」は、言葉としておかしいので、「関心が高い」と書き換えます。

後にくる「議論していいただく場としていただきたい」は、「もらう」の謙譲語として「いただく」が続けて使われくどいので、「議論する場としていただきたい」と一つにまとめます。

多用されていた「いただく」を整理して書き換えると…

参加者の皆さまからの関心が高い新商品について、開発者を交え、議論する場にしていただきたいと考えています。

敬語はたくさん使えば丁寧さや敬意が増すわけではなく、適材適所に用いてこそ効果的な文章となります

書いている最中は気がつかなくても、読み返して「変だな」と感じたら、余計な言葉を省き、書き直して、文章を整える習慣をつけましょう。

「ご持参してください」

必要書類をご持参してください。

上記の一文で気になるのが「ご持参してください」です。

「持参」は、もともと「持って参る」という謙譲語で自分が相手に持って行くときにへりくだって使う言葉。

※参考:「ご持参ください」< 敬語レッスン(3)>VOL.2675

この場合は相手に「持ってきてください」と伝えたいので、使うのは相手を主語とする尊敬語です。尊敬語「お(ご)~になる」を使い「お持ちになってください」。あるいは「~になる」を省いた尊敬語「お(ご)~ください」とした「お持ちください」とするのが適切です。

したがって、冒頭の例文は次のように書きます。

必要書類をお持ちになってください。

または

必要書類をお持ちください。

「ご持参して」は「ご持参する」の活用形です。自分が持って行く場合は、謙譲語「お(ご)~する」を用い「私が資料をお持ちします」とし、すでに謙譲の意を持つ「持参は使わないほうがよいでしょう。

 image by: Shutterstock

 

仕事美人のメール作法
著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。
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