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じっと見守る親であれ。子供を「指示待ち人間」にしない育て方

子どもと接していると、ついつい色々と口を出してしまいがちなもの。しかし、無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、「子どもは自ら育つ力を持っており、親の役目はあれこれ口出しすることではなく、あくまでサポート役に徹することだ」と説き、「子どもが育つために親にできること」やそのポイントについて詳しく解説しています。

躾 ―親の役目

今日は少し改まって、親の役目とは何か? について考えてみようと思います。

折に触れて書いていることですが、私はこれまで子どもたちを見てきて、「子どもは自ら育つ力を持っている」「その育つ力を発揮する仕組み(=好奇心、活動意欲、身体を動かしたい衝動etc.)も備わっている」と考えています。

そのことを踏まえたうえで、親の役目 ─子どもが育つために親にできること―を挙げるとすると、次の5つではないかと考えています。

1 環境づくり

子どもが自分の意欲によって行動できる場を用意すること。簡単に言ってしまえば、子どもが興味を惹かれるようなものや好奇心を持つものがある場所、体を動かしたくなる場所を用意してあげる(連れて行くでもOK)ことです。

これは「×歳児向け玩具が豊富に用意された場所」「安全な遊具が揃っている公園」などを指しているのではありません。ただ、外に出るだけで充分。子どもは、天才的なまでに好奇心の対象を見つけたり、やってみたいことを思いついたり(たいていは思いつくと同時に実行してしまいますが…苦笑)します。加えて、その場に草花や木があったり、虫がいたり、川が流れていたり、広い空き地があったり、他の子どもがいたりしたら、もう理想的。

親の意識としては「ずっと家の中・車の中じゃかわいそう」「外に遊びに行ったらできるだけ好きにさせておいてあげよう」と思っていれば大丈夫です。

2 見守り

子どもが安心して活動できるよう見守ること。これには2つの側面があります。

ひとつは、子どもの性質 ─親が見守ってくれていることを時々確かめることで、新しいこと・物に触れていく勇気が湧いてくる―そのための見守り。もうひとつは、重大な事故だけは防ぐよう、本当に危ない時に制止したり助けたりするための備え

とは言え、小さなケガや多少の困難は、子どもにとって大切な経験。親の意識としては「よっぽどのことがない限り、手出し・口出しはせず見守る姿勢に徹しよう」くらいがちょうど良いかも知れません。

3 傾聴

子どもが話したいことを好きなだけ話させてあげて聞いてあげること。遭遇した出来事や自分の感情・思いなどを話すことは、自分の考えを整理するのに非常に効果的です。また、それをひたすら聞いてもらえることは、様々な経験を受け止め、消化して、何かを吸収していく上で大いに助けになります。

親心からいろいろと解説したり、「こうすればいいのに」と助言したり、時には「なんで××しなかったんだ!?」と言いたくなることもあるかも知れませんが、ひとまずは「聞きに徹することを意識しておきましょう。

4 生活力の育成

生活のための技術や知恵を習得させてあげること。基本的には日常の暮らしのあれこれを自分でできるようになることが目的です。トイレ・着替え・歯みがきに始まって、大きくなれば料理や掃除などの家事の経験も持たせてあげたいですね。

教えるタイミングとしては、本人が興味を持った時。「やるー」と言った時がやらせ時です。ただ、その時すぐに習得まで進むわけではないので、気長に構えて、あまり追い掛け回さないように意識しましょう。

個人的にはもう少し欲があって、「ちょっとしたものであれば自分で作ったり、改造したり、修理したりできる手先の技能とマインドを持てるようにしてあげたい」とも思っているので、我が家ではそういった活動もしています(近所の工務店で不要木材をもらってきて鋸でメチャクチャに切って「ジグソーパズル」、もう1枚の板材には割り箸をボンドで貼り付けて「ビー玉迷路」、通販の棚を改造して「子どもが自分のものを片付ける場所」などなど…)。

5 社会性の育成

他者・社会と共存していくためのルールや思いやりの技術を教えてあげること。一般的に躾と呼ばれるものは、このルールに当たることが多いでしょうか。

また、ここで思いやりの「心」ではなく「技術」と書いていることには理由があります。「心」は誰でも元々持っているので親が教え込もうとする必要はなく、逆に「技術」は教わらなければ手に入らず、せっかくの「心」が活かせないから。つまり、「困っている人がいたら助けましょう」と説くのではなく、

を教えてあげる。「人の嫌がることはやめましょう」と説くのではなく、

を教えてあげる。これも、親が教え込もうとしてしまうとうまくいかないものです。親自身が「子どもに伝えたいと思うことを自分で実践し続け(独り言のフリをして説明を少々入れるくらいはOKです)、子どもが見て学ぶのを待つ、との意識で取り組むしかありません。

この5項目の関係は、ちょうど5層のピラミッド型のようなイメージです。最下層の1.環境づくりから生まれる子どもの意欲がすべてのベースになり、子どもは2.見守られながら活動して、3.そのことを話して聞いてもらいながら、自らの力で成長していく。

やがて、親や周囲の人を見たり教わったりしながら、4.生活のスキルを身につけ、自分の経験に新しい知識や考え方を付加して、5.社会とのかかわり方を理解していく。

親はややもすると、4.5.に力を入れてしまいがちですが、むしろ1.2.3.により多くの意識を向けるべきでしょう ―ちょうどピラミッドの各層が、下の方ほど大きくなっているように。

image by: Shutterstock

 

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