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10年後にアマゾン・楽天や比較サイトは生き残っているのか?

人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回は「ネットショッピングの将来性」について。Amazonや楽天などの通販サイト、さらに商品を選ぶ際に参考にする口コミサイトや価格比較サイトなど、これらのサービスは将来的に生き残れるのでしょうか? ネットショップにも詳しい永江さんからの回答は…。

今後、ネットショッピングはどう変わっていくのか?

Question

1. Amazon・楽天等の横断検索のニーズは?

以前のブログの中で「自分は楽天よりほぼ確実に安いAmazonでの買い物が多いのでたとえばSDカードを買おうと思ったらまずはアマゾンに行って検索します」とありましたが、私の場合は、Amazon・楽天・ヨドバシ・ドット・コム・価格ドットコムを一通り回って、一番安いところを探すということしています。

安いに越したことはないとは思いますが、たくさんのサイトを回るという手間を避けることが世の中の方法性なのでしょうか?各社のサイトを自動巡回して価格を一覧表示できるサイトがあったらニーズはあると思われますか?

2. 商品比較サイトのニーズは?

「カメラとかなら価格コムで相場を調べる」とありますが、これを買いたいと決まっている場合はいいと思いますが、買いたいものを決定する過程においては、ネットで検索してメーカーのホームページや評価サイト、ブログ等をみるということがあると思いますが、永江さんはいかが思われますか?

あるいは商品の比較は紙のカタログを取り寄せて見るとか?あるいは実店舗で見るとか?ということなのでしょうか?価格.comのような価格・性能・デザイン等を比較するサイトの将来性はいかがお考えでしょうか?商品をじっくり比較検討するということはスマホの時代にはそぐわないことでしょうか?

ネットショップの9割は売上を下げていると思う」とのことですが、ネットショッピング全体の売上は今後上がっていく、スマホからの売上も上がっていくとは思いますが、ネットショッピングの今後の方向性についてのコメントがありましたら合わせてよろしくお願い致します。

永江一石さんからの回答

まず1からお答えしますと、横断検索のニーズはありますし既存サービスも随分前から存在しますよ。ただ、わたしがAmazonを使う理由は大きく分けて2つありまして、一つはセキュリティが強固な点、もう一つは配送が早いという点です。

前者については、例えば価格コムで検索して最安の商品を見つけたとしても、そのショップで新たに会員登録をする必要がありますよね。先日もサーバー会社のカゴヤで情報が流出してカードの作り直しを余儀なくされましたが、いま身元も分からないようなネットショップに個人情報を入力するのって非常にリスクが高く感じます。前にイモトのWi-Fi事件でカード再作成した時も半端ない手間でしたし、もう二度と勘弁…。

後者については、わたしはプライム会員なので朝に家電を買ったらその日の夕方には到着することもあります。一方、価格コムで買うと注文受付後に仕入れてから発送する店舗もあり、下手したら一週間かかったりするわけ。一度Amazonに慣れちゃうともうそのスピード感に耐えられないんです。

ヨドバシは5%のポイントが付くのでわたしもよく利用してますよ。

Apple WatchやMacBookなんかはヨドバシで買いました。

次に2ですが、価格コムは上記のブログでも書いた通り、主に相場観を調べるのに使ってます。あとは評価欄も見ますが、その商品しか使っていないのに高評価にしたり、あまりにもマニアックなコメントも多いため、あくまで参考程度に留めています。

価格コムの一番の使い道としておすすめしたいのは、「他店より1円でも高い場合は安くします」という家電量販店でスマホの画面を見せて値引き交渉するやり方ですね。以前ブログにも書きましたが、最安の路面店と同程度まで引いてくれるのが普通なんです。高齢者やリテラシー低めの主婦の方などは何も知らずに表示価格のまま購入しているので雲泥の差ですよね。

また「商品をじっくり比較検討するということはスマホの時代にはそぐわない」とありますが、そんなことはないと思いますよ。例えばデジタル機器などは一長一短もあるのである程度実物を見なくても購入できますが、冷蔵庫などの大型家電は幅を確認したいと思ったり、こだわりの高級家具は見てから選びたいという人はいますよね。また万一故障した場合、近所の店舗の方が修理を頼みやすいという利点もあります。

つまり実店舗、ネット、比較サイトと複数のツールをうまく使い分けることが大切ではないでしょうか。

最後にネットショッピングについてですが、おっしゃる通り全体の売上は今後上がっていくと思います。特に今の業態で最も打撃を受けると思うのがスーパーマーケットです。売上額も1990年からずっと下がっています。

特に首都圏の子育て世帯は「買い物はネットスーパーで」という人も多いですよね。わたしは肉など実際に見て選びたいのでスーパーは大好きなのですが、そういったコアな層を除くとほとんど70代以上の高齢者層がメインの消費を支えています。

けれども、それがあと10年経つと人口構成がガラッと変わります。団塊の世代も高齢化していき、そうなるといまの40代に消費の中心が移り、ますますネット移行が加速していくのは間違いないと思います。

image by: Shutterstock

 

永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ
著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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