朝鮮仏教を復元したのは、日韓合邦後に日本から渡ってきた仏僧であり、彼らが神として祀られていた明の皇帝や三国志の英雄、西遊記の登場人物の代わりに、仏像を復活させたのです。
実際、浮石寺自体、太宗による1407年の仏教弾圧で存続を許された88寺院には含まれておらず、その時点で廃寺であったとされています。となると、倭寇に略奪されたという記録はどこに保管されていたのでしょうか。
そもそも、そのような証拠の記録はまったく提示されていません。どこまでも「可能性がある」といった推測レベルでしかありませんが、それでも裁判所は「略奪認定」したのです。
また、倭寇についていえば、初期の倭寇に朝鮮人による「仮倭」(ニセモノの倭寇)が多かったことは李朝史にもよく出てきます。いわゆる「パクリ」というものです。そして後期の倭寇になると明人が主力となり、なかには仏朗機(西洋人)も入るようになります。つまり倭寇というのは日本人のみならず、海賊の代名詞にすぎなかったのです。
ちょうど、北欧のバイキングが初期は北欧のゲルマン民族で、後にポーランド人中心になったこととほぼ同じです。そのため倭寇のせいにしたところで、それが日本人であるという根拠はまったくないのです。
ちなみに、韓国窃盗団が盗んだもう一体の仏像、「銅造如来立像」は、韓国で所有権を申し立てる者がいなかったため日本に返還されましたが、一部の指が欠損していました。
大田地裁が「日本側が所有権の正当性を証明しないと返さない」「倭寇に略奪された可能性が高い」などと判断したのは、韓国の司法が法に準拠するのではなく、国民感情を優先するからです。「国民情緒法」などとも揶揄されますが、とにかく国民感情に迎合するような判断をするのです。
盧武鉉政権時代に制定された、日韓併合時に日本に協力した者の財産を没収するという狂気の事後法である反日法(親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法)もそうですし、産経新聞のソウル支局長が起訴された件や、最近の朴槿恵大統領と崔順実のスキャンダルでも、常軌を逸した「魔女狩り」が行われてきました。
国民情緒法に反日感情が加わるわけですから、裁判で日本有利な判決や判断が出るはずがありません。
当然ながら、日本ではこうした韓国の非常識な対応への批判が高まり、釜山の慰安婦像問題で駐韓国大使を日本に帰国させたことについて、72%の日本人が支持しています。国民の支持がある以上、安倍政権もおいそれとは韓国に大使を戻せないでしょう。