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本当は危ない「乾電池」。日本人が間違っているキケンな使い方

前回の「100均のアルカリ電池を、テレビのリモコンに使うのはやめなさい」記事が大反響となっている無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』。今回は、 電池の取扱に関する基本、使い分け、保存方法について詳しく紹介しています。使用法によっては非常に危険な状態になる場合もあるとのこと、きちんと知っておくことが大切ですよ。

電池の使い分け

前回の記事「100均のアルカリ電池を、テレビのリモコンに使うのはやめなさい」では100均電池は液漏れしやすいので使い道に注意という話をしたのですが、意外にも電池についてちゃんと考えたことがないという人もいると思うので、電池を扱う上で注意したほうが良い話をいくつかまとめてみます。

まず、電池の使用用途。100円均一電池は液漏れしやすいですが、メーカーものを使っていればOKかというとそうでもなくて、漏れる場合はやっぱり漏れます。なので、用途に合わせた電池を使う、何ヶ月も使わない場合は電池を抜いておくというのは基本なわけです。

ただそうは言っても忘れるのが人間なので、リスクを避けるためには、リモコンや時計、電子辞書、計算機などでは、アルカリ電池ではなくマンガン電池を使うと良いといえます。ボタン電池は詳しい検証をしたことがないので、メーカー物とノーブランドの差は不明です(マンガン電池は液漏れしても、基盤や端子を腐食させにくいのでダメージも少ない)。

逆に、バンバン使ってしまうような用途(自転車のLEDライトとか、毎日使うラジオなど)には100均電池は、2、3ヶ月で消耗仕切る場合には特にトラブルもないので、コスパ的にアリなわけです。

次に電池の交換は必ずメーカーを揃えて1セットで交換することが大事です。例えば、単三電池が2本入っている電池を1本だけ交換しても動くものは動きます(回路による)。しかし、その場合の消耗は従来の減り方より著しく、減った電池というのは内部抵抗が増えるようなものなので、無駄使いが生じて良いことはなにもないです。

同様に、電池によって電圧は微妙に違うこともあるので、同じサイズだからと、電池を混ぜて使うのは特に良くないといえます。マンガンとアルカリを混ぜるとか言語道断です(厳密にはマンガン電池も赤と黒で性能が違うのでこちらも混ぜてはいかんです)。

また電池の保管時にパッケージが邪魔だからとザラっと空けてしまうひともいるのですが、他の電池と混ざりやすいですし、9V電池などは短絡するとかなり高熱が生じるため非常に危険です。

いずれも電気が無駄に流れたり、謎の回路ができて電池が消耗、最悪火事もありえるので、電池の端子はまわりに触れないよう、梱包されたまま保存するのが良いといえます。廃棄の場合も、9Vは特に端子をガムテなどで保護して捨てた方が安心です(他の電池もセロテープくらいまいておいたほうがいい)。

保存に関しては冷蔵保存が良いという都市伝説もありますが、結露からの絶縁不良を起こしたりして劣化を招くので保存は屋内の室温程度の場所に保存が一番です。

また最近、ドローンやサバゲー向けの電動ガン、VAPE(電子タバコ)なんかでは結構、ハイパワーなリチウムポリマー電池が使われていますが、これらは常に発火の危険性があるものであると思っておいて良いと思います。内蔵されてしまっているものは確認が難しいですが、バッテリーが膨らんできたり、説明書にあるような使用期限を過ぎた感じがしたら、交換するのが一番です。携帯のバッテリーが膨らんで、最近スマホがどら焼きみたいwwwwとかを言ってる人を稀に見ますが、ヤバヤバです(笑)死にかねます

自分はそうしたリポ電池の保管は耐火容器はもちろん、燃えやすいものを近くに置かないように保存しています。

 image by: Shutterstock
 
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シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

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【著者】 くられ 【発行周期】 週刊

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