新商品は儲からない
新商品の期間限定販売は話題性があるため集客に寄与します。しかし、期間限定販売の新商品は集客できますが、原価率が高く、利益への貢献度は低くなりがちです。
前社長の原田泳幸氏は著書『成功を決める「順序」の経営』(原田泳幸著/日経BP社)で「消費者を『驚かせる』ような新商品を出し、消費者の関心をぐいっと引き寄せて爆発的にヒットさせる。でも、それだけでは『儲からない』んです」と述べています。やはり新商品は儲からないようです。
1月に新商品を投入せず、定番商品でキャンペーンを行ったことから、マクドナルドは戦略の転換を模索している可能性があります。集客重視から利益重視への転換です。客数は13カ月連続、前年同月比で増加しています。客足は戻っていると判断しているのかもしれません。そこで、儲からない新商品ではなく、儲かる定番商品で勝負しようとしていると思われます。
定番商品は儲かる
『成功を決める「順序」の経営』(原田泳幸著/日経BP社)で原田氏は「その顧客は、いつかキャッシュカウであるビッグマックを注文してくれます。そこできちんと利益が取れるわけです」と述べています。新商品目当てで来店した顧客がキャッシュカウ(利幅が大きい商品)のビッグマック(定番商品)を買ってくれることで利益が出るとしています。
「マクドナルド総選挙」は定番商品の人気投票キャンペーンです。利幅が大きい定番商品にフォーカスを当てているため、利益重視のキャンペーンといえます。新商品の投入がないため客数が伸びない懸念がありましたが、結果として客数は高水準で増加しました。利益確保と集客の両方を実現しています。
マクドナルドとしては、「マクドナルド総選挙」キャンペーンは大成功といえるでしょう。今後の戦略に大きく影響を与えそうです。
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