春めく古都をぶらりと散策。京都通が案内する八坂通りの歩き方

 

周辺の見どころ

八坂通り周辺には有名な寺社仏閣も点在しています。

建仁寺

京都最古の禅寺で臨済宗大本山・建仁寺には是非足を運んでみて下さい。臨済宗の開祖・栄西(ようさい)禅師によって鎌倉時代に開山されました。栄西は日本に初めて中国からお茶を持ち込んで広めた人でもあります。「喫茶養生記(きっさようじょうき)」は栄西の有名な著作で当時は医学書扱いされていたと伝わっています。

実際に拝観出来るものとしては、俵屋宗達筆の「風神雷神図屏風」や小泉淳作筆の双龍図など数多くの寺宝があります。また、大雄園(だいゆうえん)をはじめとする3つの庭園も見事です。境内もかなり広いので、ゆったりと落ち着いた雰囲気を満喫することが出来るでしょう。

六道珍皇寺

六道珍皇寺は小野篁(たかむら)の冥界伝説が残る寺院です。小野篁は平安時代の貴族で、昼は内裏(天皇の住居)で公務に就き、夜は冥界閻魔大王に仕えていたと言われています。

境内には小野篁が冥府への出入り口として使っていたとされる井戸や閻魔大王像などがあります。お盆の時期は先祖を迎える六道参りや、迎え鐘などで有名です。

八坂庚申(こうしん)堂

金剛寺(八坂庚申堂)は、日本最古の庚申堂として有名な寺院です。庚申とは、年に6日ある庚申(かのえさる)の日のことです。

古代中国では、この日の夜に人間の身体から三尸(さんし)という虫が体内から出ると考えられていました。この虫は、神様の元に行って人間の悪行を報告してしまうと言われていました。そして、この報告に基づいて神様はそれぞれの人の寿命を決めると信じられていたのです。そのようなことで寿命が短くなってしまっては困ると当時の人々は考えました。そして、庚申の日は三尸が体外へ出て行かないように一晩中起きていて、色々な行事をするという風習が生まれたのです。これが庚申信仰です。

中国で生まれたこの信仰は、平安時代初期に日本へ伝わったそうです。庚申堂は、みんなで徹夜をして一晩中色々な行事を行う場所だったのです。八坂庚申堂の本尊は青面金剛(せいめんこんごう)で、身体から出てきた三尸を食べてくれるそうです。

寺院の境内に沢山奉納されているカラフルなお守りは「くくり猿」と言います。猿は欲望の象徴に見立てられていて、思いのままに行動しないようにと手足がくくられています。戒めを込めて奉納されるお守りの一種です。年に6回ある庚申の日に訪れてみるのも貴重な経験となるでしょう。

くくり猿の写真は下のブログ記事に載せています。↓

八坂庚申堂
虫の告げ口で寿命が縮む?今年の干支、申にまつわる言い伝え

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