ヨーカドーとセブンイレブンの違いはどこか?
ヨーカドーとセブンイレブンの業績の違いは、異なる業界にいるから、というわけでなさそうだ。
生活者が買い物に行く店として、確かにスーパーは、コンビニよりも頻度が少ない。しかし、周りを眺めてもわかるように、どちらも、特にコンビニエンスストアの方が、人口当たりの出店密度から考えても、純粋な競争は激しい。
ここ半年くらいに、セブンイレブンが打ち出している方向性に、顧客の消費動向をとらえた施策が多い点があげられる。
プライベートブランドの「セブンプレミアム」も、オリジナルのパンのブランドをセブンプレミアムとし、生鮮食品類を強化しつつ、「セブンプレミアム フレッシュ」と、ブランドラインナップを増やすとのこと。
これらも、コンビニにおいて増えている、女性購入者やシニア層を狙っての製品・ブランド開発と言える。
ここ数日で話題になっている、パンとコーヒーのセットで200円の朝セブンも好調だ。私も先日、青山通り沿いの、セブンイレブンに朝8時半過ぎに立ち寄ってみたところ、会社に行く途中のビジネス・パーソンを中心に、20代後半から40代くらいまでの男女が、行列になっていた。
商品としての「朝セブン」は、時間帯によって変わる消費者動向をにらんでの施策で、顧客行動を観察し、ニーズをとらえようとした、セブンイレブンの姿勢によるものであろう。
コンビニエンスストアが提供する価値は、その名の通り「利便性」だ。
売っているのはもちろん「商品」なのだが、公共料金を支払らえたり、宅配便を出せたり、ちょっと現金を引き落とすこともできる。
自社の事業を「小売業だ」と定義していたら、これらの付加サービスが追加されず、他の小売業態との競争では優位に立ちづらい。