「自分は真面目だけが取り柄の、目立たない存在だから…」などとお考えの方、実はあなたこそ会社にとって「必要な人材」かもしれません。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、会社への貢献には「直接的な貢献」と「間接的な貢献」の2種類があるとした上で、他の社員への気遣いや、つまらない用事を嫌な顔せずやれる人などが後者にあたり、会社にとって大切な存在であると記しています。
○○的な貢献が成果を出す
「会社へ貢献する」という言葉からは、売上や利益、コスト削減、顧客獲得数、成約数など数字のことが浮かんでくるという方が多いのではないでしょうか。確かにこうした数字は、会社への貢献度を表す目安となります。そして、それはそのまま評価へと繋がっていきます。ですので、直接的に会社へ貢献したものとされます。
しかしながら、会社への貢献というのは、数字ありきの直接的な貢献だけではありません。たとえば、
「あの人がいるとなぜかチームがまとまる」
「あの人のおかげで仕事がスムーズに進む」
などといった間接的な貢献もあるのですが、その辺りはまだまだ評価されない企業や会社がほとんどだと思います。しかしながら、チームワークを活かし最大限の成果を出すには、間接的な貢献という役割があるということを十分に理解し、評価へ取り入れてもいいのではないでしょうか?
間接的な貢献というものを評価対象にすることで、成果を出すプロセスが明確になっていきます。そして、それは成果を出す上での財産になります。つまり、会社は、直接的な貢献を評価するだけでなく間接的な貢献という評価基準を持っておくことも必要なのです。
そして、評価される側の社員は、自分は直接的以外のところでどのような貢献が出来ているか?または、出来るだろうか? を知ることが大切です。その為の1つとして、「自分の性格などを踏まえ、数字以外にどんな所に期待されているか? を知る」ことが大切です。
会社(組織)からの自分に対する期待を知ることによって、社内における自分の役割を明確にすることができ、限られた時間の中で集中して取り組む事ができるようになります。
たとえば、なぜかよく理由は分からないけど上司や先輩にちょっとした用事をよく頼まれる、というタイプの人がいるとします。これは、その人が、小回りが利いたり、瞬発力があったり、あるいは、ただ単に「こいつに頼めば間違いない」と思われている、などの期待感を持たれているということです。
このように自分はどんなところに期待されているかを十分に知っておくのです。こうしたことを知っておくだけで、「これでいいか。」と妥協してしまいそうな時に、「いやっ、せっかく頼んでくれたんだしな。もうちょっと頑張ってみよう」というようなモチベーションに繋がることもあるでしょう。そのようなことが、結果的に期待に応える成果に繋がるのです。
組織の中で働いていると、色々な人間が個々の能力を活かし、結果をもたらしていきます。
「あいつが頑張っているのだから俺ももっと頑張らないと」
「彼は一生懸命だな。僕に何か手伝うことはできないだろうか」
こうした相乗効果というものも間接的な貢献となり結果に繋がります。ですので、会社への貢献というのは単に結果という期待に応える成果を出すというのではなく、そのプロセスがモノをいっているのです。
私の営業マン時代、外廻りから帰社すると、女性社員が「お帰りなさい。お疲れ様です」とにっこりしてよくお茶を入れてくれました。私は単純なので、こうした気遣い、癒しがあって「また頑張ろう」なんて風によく思ったものです。
ちょっとした何でもないことですが、この女性社員は、営業マンへの気遣いというもので、会社に対して間接的に貢献をしている、ということになります。つまり、会社にとっては「いて欲しい人=必要な人材」となります。
「いて欲しいと思われる人」
「どちらでもいいと思われる人」
「いて欲しくないと思われる人」
この3つのうちだったら、当然「いて欲しいと思われる人」になりたいと思うはずです。だったら、そう周りに思われるには? って考えていくと、必然的に、周りに対する「貢献」というものが必要になってくるというのは言うまでもありません。
そしてこれは、なにもサラリーマンだけに当てはまることだけじゃなく、経営者であっても、1つの企業やお店であっても当てはまることです。
「お客様から選ばれ続ける」
「地域社会の中でいて欲しいと思われる」
「社員から、あなたにひっぱっていて欲しいと思われる」
「その場所に、このお店があり続けて欲しいと思われる」
など。直接的な貢献というのは、その場で商品やサービスを提供しお客様に喜んでいただくということになろうかと思いますが、間接的な貢献というのは、商品やサービスを提供する以外のことでも、お客様や地域に喜んで貰える、役立つ、といったようなことになります。
選ばれ続ける人や企業、お店は、直接的な部分だけでなく、間接的な貢献も出来ています。
あなたは、間接的な貢献が出来ていますか? 貴社では、間接的な貢献にもフォーカスしていますか?
■今日のまとめ
『間接的な貢献という視点で、自分の役割を明確にする』
- 同僚や先輩、後輩、部下、上司、お客様や地域などに対して自分はどんな貢献ができるか? 考えて書き出す。
- 書き出したことを全うするためには何をすべきか? 書き出し行動に移す。
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