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米国のマナーでは奇妙に見える、日本人の「食べだすタイミング」

メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で、米国の邦字紙「WEEKLY Biz」CEOの高橋克明さんは先日、日本国内の結婚式に招待された際、「日本人のとある習慣」を久々に体感し、戸惑いを感じたそうです。高橋さんは長年NYで生活しながら「米国かぶれが大嫌い」と語り、日本人であることを誇りに思っていると断言。そんな高橋さんが「これはアメリカより不便だな」と感じてしまった、日本人の「悲しき習慣」とは何だったのでしょうか?

いただきます!

前回、日本出張に行った際、ある知人の結婚式に招待いただきました。 素晴らしい式で、結婚式そのものは言うことなく最高だったのですが、ある出来事に驚かされました

出された豪華な食事を食べながら、友人たちの小粋なスピーチを聞いていると、隣に座った50代の男性に「、、え、、、もう食べていいんですか?」といきなり聞かれました。

もう、食べていいんですか?? なにを?

テーブルに置かれた目の前の料理のこと? 口にモノを入れたまま、僕は「え? ダメなんですか?」と聞き返す。

「いや、ダメではないと思うのですが、、まだ誰も口をつけてないので、、、」とその男性。

同じ円卓の他の方々は、そのやりとりを聞いていたようで、一斉に「いいですよね、、大丈夫ですよね」と言いつつ、フォークとナイフを手にしました。

大丈夫じゃない場合があるのだろうか。

まさか、司会がマイクをとって「みなさん、手を合わせてください。 いーたーだーきます!」とでも言うのだろうか。

アメリカ暮らしで、いちばん気をつけなきゃいけないことは、アメリカかぶれになること。 そのあたりは、僕は自分で大丈夫だと勝手に確信していました。 日本人として日本で20代後半まで暮らしていたし、いまだに触れるカルチャーは、日本製のものが大半だし。

それでも、ボロが出る。出てしまう。

確かに、こんなとき、出された食事に、真っ先に手をつけちゃいけない。 周りを見なきゃいけない。 。 。 。 。 のかな、やっぱり。

アメリカだと逆だと思うんです。 出された料理を、すでにみんなテーブルに座っているのに、周囲を見ながら、誰かが食べ始めてから食べ出す、、、、、そんなことをしていたら、「この人、この料理が食べたくないのかな、気に入らないのかな」と思われてしまうかもしれない。

思えば、物心ついた時から10代前半まで、みんなの前に給食当番なり、先生なりが出て、「手を合わせてください。 いー、たー、だー、き、ます!」と掛け声で一斉に食べ始める国で育った僕たちは確かに、多くの人と食事する際、食べ始めの号令がないと、食べられない、、というのはわかります。

誤解しないでください。 批判じゃない。 集団としての統率を考えるなら、素晴らしい面だとも思います。

ただ、40代、50代になっても、その習慣が抜けないのは、ちょっと不便な気もします。

アメリカでの立食パーティーなんて、キッチンからフィンガーフードのおぼんを持ったウエイトレスが出てきたら、迎えに行くように歩み寄るヤツもいるもんな(笑)。

僕たち、NYのビジネスマン日本人コミュニティーは大きくわけて、2つのグループに分かれます。

現地(ローカル)組、と駐在組。 もうこっちに生涯(もしくは長期スパン)住んでいる、この先、住むことが決定してるローカル組。 そして、日本から駐在員として来て、数年間のみこちらで暮らし、数年後には日本に帰国することが決定している帰国組。

彼らの違いは、色々あっても、見た目は同じ日本人です。 パッと見、区別はつかない。

先日、ローカル組のビジネスパーティーに出席しました。料理をウエイトレスが運んできた途端、みんな食べ出しました(笑)。

翌日、ある通信社のビジネスランチセミナーに出席しました。 用意されたお弁当は、スピーカーが話し出すまで、みなさん手をつけませんでした。

そこで初めて、駐在員多いんだなと気付く(笑)。

image by: Shutterstock

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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