街並みの調和と家屋の広さが日本に「豊かさ」を齎すのではないか
それにはまず、街並みを魅力的で綺麗なものにする必要があります。戦後の貧乏な時代に立てた民家がまだ多く残っていますが、これらも経済的支援をして新しく瀟洒な住宅に変えていく必要があります。また、もともと日本は棟梁というのがいて、建築主の言うことを聞くのでは無く、街並み全体の調和があるようにしたものですが、それが現在ではヨーロッパと逆転して、ヨーロッパの街並みが綺麗で、日本は雑然としているようになりました。
倉敷など古い街並みが残っている地域は風光明媚で上品なものです。つまり日本も江戸時代まではお金はあまりなくても文化の香りがあったのですが、明治になってヨーロッパに追いつくために一時的に汚い町になってしまったのです。これを回復する必要があります。
次に、個人の住宅です。かつて高度成長の時に、「日本は経済力はあるけれど、日本人の住んでいる家はウサギ小屋だ」と言われて大いに憤慨したものですが、たしかにヨーロッパの住宅に比較すると日本の民家はみすぼらしいと思います。
それに家の広さも狭く、現在の国際的な感覚では日本人ぐらいの所得が有れば70坪程度の家が適当と思われます。
家は人生にとってとても大切なものですから、日本の多くの家が立て替えを必要としていますし、冷暖房設備なども貧弱ですから、これもヨーロッパのように家の中では下着同然という気楽な生活をすることが良いと思います。
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