なぜ日本より、ヨーロッパの生活は「豊か」に見えるのか?

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美しく整ったヨーロッパの街並みを見た日本人が、そこに住む人々さえも上品で豊かに見えてくるように、美しい街並みや風景には不思議な魅力があります。メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授・武田邦彦先生は、成熟した社会をつくるために欠かせない人々の「豊かさ」は、収入だけではなく、住環境にも大きく左右されるとの持論を展開。先進国であるにもかかわらず、日本人からヨーロッパのような余裕が感じられないのはなぜなのか、その理由について独自の見解を述べています。

ヨーロッパと日本の街並みからわかる「豊かさ」の違い

ヨーロッパに住むと彼らの生活が豊かであることに気が付きます。もちろん、余り褒めたことでは無く、彼らは1500年から約400年の間、アジアやアフリカを植民地として支配し、そこからの上がりで裕福になったのですから、いわば現在のヨーロッパの豊かな文化は植民地の圧政からもたらされたものとも言えます。

でも、それはともかく彼らの生活の中に私たちが今後の社会を作っていくのに参考になるものが多いことも事実です。パリに行くと日本では超有名なブランド店が多いのですが、そこで買い物をしている人の多くが日本人やアジア人で、それも群がるようにしてバッグや香水を買いあさっています。

著者はあるときパリでズボンのベルトを買う必要があって、ベルト屋さんに買い物に行きました。さして高級な店では無く、日本でベルトを買うのとほぼ同じ値段のようなものが置いてありました。一つ選んでお金を払うと、ノートを出してきて住所を書いてくれというのです。「なぜ、住所を書くのですか」と聞くと、何かトラブルや具合が悪くなったら連絡するためだと言われました。

たかがベルト一本ですから、日本ではそんなことはあり得ませんが、それがヨーロッパなのです。余裕のある家計、ゆったりした時間、自分の好きなことや好きなものを見分ける力、美しく整った街角、整備された歴史的な建物、そして、レストランに行くと日本のように入り口にビールのケースが積んであるなどと言うことも無く、快適なデザインと清掃が行き届いています。

もちろん、貧乏でも小綺麗にしておくことができますし、お金が有るということがそのまま豊かな生活とも限りません。でも平均的に見ると町の美しさそこを歩く人の上品さなどは豊かな生活を100年ぐらいしないと定着できないものです。それは先を争って走る人もいないし、大声で話している人もいない成熟した社会なのです。

日本も一頃から見るととても素晴らしい社会になりました。著者が若い頃には「ストーム(学生寮などで学生が行う蛮行)」というのがまだあって、独身寮の部屋で寝ていると、どやどやと酔っ払った同僚が入ってきて、布団にオシッコをする等ということもありました。

一言で言えば野蛮な国だったのです。

今、日本は世界でもトップクラスの所得があり、国全体も先進国の一つとして立派な国になりました。でも、まだ私たちの生活は貧乏で未開な国の生活や風習が残っています。一言で言えば「世知辛く」、「金持ちケンカせず」というところまでは行っていないのです。

有色人種で唯一、植民地になること無く、戦後も産業や技術中心にして発展してきたのですから、是非、私たちの子供たちはヨーロッパ並みの成熟した豊かな人生を送ってもらいたいものです。

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