観光やレジャーで訪れた土地で散財してしまう…そんな経験、ありませんか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介しているのは、思わず商品を手に取ってしまうような「売り場」を作る方法。遊べる本屋として人気のヴィレッジヴァンガード等を例に挙げ、その戦略を紹介しています。
「笑ってしまう売り場」を作れ!
必要に迫られた買い物は、楽しくもなく、購買意欲も湧きません。できるだけ安く済ませたいという心理が働き、節約モードになります。価格や機能といった「実質本位」で選ぶので、お店としても衝動的な贅沢買いは見込めません。お客さまにお金を遣ってもらうには、「楽しい」「面白い」といった、レジャー的な要素が必要なのです。
人は、気分の高揚する場所にいると、節約意識が薄れます。「いいなぁ!」と感じたものは、「買ってしまえ!」となるのです。旅行先で散財してしまうのも、この心理が働くためです。ならば、楽しくて、面白くて、「買ってしまえ!」となるような売り場を作れば良いのです。
たとえば、ヴィレッジヴァンガード。品揃えの面白さだけではなく、商品を紹介するPOPが楽しいのです。つい読んでしまうフレーズが、お客さまを笑わせてくれます。
あるスーパーでは、鮮魚売り場に巨大なタコやエビの模型が並んでいたり、精肉売り場では、巨大な肉の塊が火の上で回転するオブジェがあったりします。天井には、クジラが張りついていたり、飛行機が飛んでいたりもします。
まるで、アミューズメントパーク。子どもたちはもちろん、大人もそこにいるだけで、楽しい気分になれます。「また行こうよ!」と、子どもにせがまれるのは間違いありません。
お店の内外装や陳列、POPなど、そのすべてにおいて、楽しい・面白い演出をほどこせば、そこは買い物をする場所から、「遊びの場」へと生まれ変わります。
逆説アプローチを試みよ!
商品には、良い面・悪い面があり、その使用においては、メリット・デメリットがあります。
詐欺まがいの商売が横行しているいま、正直な商売をするお店が求められています。商品の良いところも悪いところも正直に伝えることで、お客さまからの信頼を得ることが大切なのです。
ただし、「こんな悪いところがあります」と伝えるだけでは、当然買ってもらえません。悪いところも視点を変えれば、良いところとして伝えることができるのです。
たとえば、重いもの。「多少重いことが難点ですが…」と伝えるのではなく、「重量感が落ち着いた雰囲気を…」という表現に言い換えます。
- 「大きい」=「存在感」
- 「組み立てに時間が掛かる」=「自分で作る楽しさ」
- 「高額」=「世代を超えて受け継がれる価値」
- 「お届けに時間が…」=「職人が丁寧に作る」
このような表現に変えることで、デメリットがメリットに感じられるのです。すべての物事には、良い面と悪い面があり、時にそれぞれ違うことであったり、同じことを別の角度から見ているだけの場合もあります。
人の感じ方はさまざま。なので、何も伝えなければ、直観的に悪い面だけを見てしまうことがあります。そこで、アプローチを変えるのです。
逆説的に見方を変えれば、悪い面も良い面になります。あなたは、そうした物の見方を学んでください。常に別の角度・視点から物事を見ていれば、逆説アプローチは簡単なことです。表現を変えるだけで、売れるようになるのです。