まず、PU(プリンストン大学)とシカゴが2名入れたのは、何か意図があると思います。常識的には両方もしくは1名が「非帰国子女」つまり「純ジャパ」であって、学園生活でのサバイバルが難しいかもしれない、だから2名同窓の学生を入れて助け合わせるようにするという「配慮」です。
ですが、1学年1500名前後の中規模校で、そんな余裕のある採用はしないとも思われます。であれば、1名は帰国子女、1名は純ジャパにして隔離して様子を見てその後の成長を測るという可能性もあります。あるいは、2名入れることで、内申書の信憑性を見ているということも考えられます。
こうした点を考えると、入学後に進学者が取るべき行動は自ずと決まってきます。それは、「歯を食いしばってでも優秀な成績を取る」ということです。そうでないと、この「2名枠」は消滅する可能性があるし、反対に2名とも優秀な成績を収めれば、枠は定着するかもしれません。
ハーバードの1名も同様です。ハーバードは多様性と柔軟性の確保が、組織の活力を維持するという信念が非常に強い教育機関です。ですから、ようやく日本からの進学熱に火が着いたのを見て「日本最高水準のプレップスクール」である開成の卒業生を「お試し」で入れた可能性があります。ですから、PUとシカゴと同様に絶対に優秀な成績を収めて行くことが肝要です。
とにかく、アメリカの大学入試は「入学は手段に過ぎない」という強烈な思想で貫かれており、仮にも早期のドロップアウトを出してしまうと、「今後」に響くということを警戒した方が良いと思います。尚、PUの場合は、昔からサイエンスの各学科の教授陣は「最初の秋は甘く優しい」コース設定をするものの、年明けの「春になると各コースでは地獄を用意する」ということを「心がけて」いるそうですから、特に警戒が必要です。
もう一つの問題は内申書です。開成学園は、他校とのノウハウ交換で出願体制を整えたというようなことを公表していましたが、この内申書は、本当に手間ヒマかけて作ったのか、もう一度検証が必要です。というのは、「日本で有名な開成」の学生を「試しに取ってみよう」という判断があったのであれば、内申書の審査も甘めに見られていた可能性が否定出来ないからです。
各科目について、本人には厳秘とする中で、
- 各科目、例えば数学3であれば、範囲と難易度を分かりやすく記述しているか?
- 各教科の成績について、どのようなルールで表示しているのか? 1から10なら、どちらが優良であって、単位認定は何点以上なのか?
- 各教科の配当時数、学期の期間、試験の頻度と最終成績の算出計算式などを明示しているか?
というような客観基準を誤解のない英語で記述することが必要で、仮に現状が不充分であるのであれば、次年度へ向けて改良が必要でしょう。