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主語は誰? 仕事美人が教える「敬語」で絶対に失敗しないポイント

子どもの頃から学んでいるはずなのに、いざ使おうとすると頭が混乱してしまう「尊敬語」と「謙譲語」。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』の著者・神垣あゆみさんは、「主語」が相手なのか自分なのかをきちんと頭にいれておくことが一番のポイントだとした上で、例を挙げながらわかりやすく解説しています。

尊敬語と謙譲語の混同

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上記の文では、相手に「試しませんか」と呼びかけているのですが、「お試ししませんかという敬語の使い方は適切ではありません

「試す」のは相手なので、相手を主語とする尊敬語「お~になる」を用い「お試しになる」とし、その問いかけの形として「お試しになりませんか」とするのが適切です。

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「お試しになりませんか?」のほかに「お試しになってください」「お試しください」としてもよいでしょう。

「ここで待っていてください」と相手に伝える場合も「ここでお待ちしてくださいというのは誤りで、「ここでお待ちになってください」「ここでお待ちください」とするのが敬語の使い方として適切です。

自分が待つ」のであれば謙譲語「お~する」を使い、「ここで(あなたを)お待ちしています」としますが、相手が待つ」のであれば尊敬語「お~になる」を使い「ここでお待ちになってください」とします。

尊敬語の「お~になる」と謙譲語の「お~する」の混同に気をつけましょう。

主語は誰か?

装置の仕様や精度など、弊社に色々お聞きしたいことがあると思います。

上記の文にある「お聞きしたい」は、相手に自分が「聞きたい」場合に使うのであれば問題ありません。しかし、当社に聞いてください、と相手に呼びかける場合は「聞く」の主語は相手となるので尊敬語「お聞きになる」とします。それに伴い、文末の「あると思います」を「あるかと思います」に変えます。

装置の仕様や精度など、弊社にお聞きになりたいことがあるかと思います。

この文の後に「下記へお気軽にお問い合わせください」のような一文を入れると収まりがよいでしょう。

相手に対して「聞く」のが自分の場合は主語が自分となり、謙譲語「お~する」を用いて「お聞きする」を「お聞きしたい」と変化させ、下記のような文にします。

装置の仕様や精度など、幾つかお聞きしたいことがございます。

とか

装置の仕様や精度など、詳細をお聞きしたいのですが。

誰から誰に「聞く」のかを整理して、相手に聞く」場合は尊敬語お聞きになる」、自分が聞く」場合は謙譲語お聞きする」を使い分ける必要があります。

image by: Shutterstock.com

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仕事上手はメール上手! 「ご返事」「お返事」どちらが正しい?
メールで間違いやすい敬語の使い方は? など、気になるビジネスメールの基本やマナーをご紹介。2005年1月創刊、まぐまぐ大賞「ビジネス・キャリア部門」入賞。「迷わず書けるメール術」など、メール対応関連の著書8冊刊行。まぐまぐ!から有料メールマガジン「仕事のメール心得帖」も配信

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【著者】 神垣あゆみ 【発行周期】 平日日刊

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