今年も「防災の日」である9月1日に、さまざまな自治体や会社で防災訓練が行われました。この日にあわせて自宅の防災グッズを見直しているというご家庭も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「ハザードマップ」の見方や検索すべき場所、災害時の心構えなどをわかりやすく解説しています。
災害準備
日本人にとって、9月1日はあの3月11日が来るまで特別な日でしたね。なんてったって関東大震災の日でしたから。子供の頃は新学期が始まるとすぐに防災訓練が行われたのを覚えています。
あれほどの大震災が過ぎても、相変わらず全国各地で災害が起こっています。しかも地震だけじゃなく恐ろしい程の集中豪雨や河川の氾濫などが発生し、もはや想定外が想定内のような状態になりましたよね(T∇T)。誰もが他人事ではなく自分事になってきてしまったんです。
そんな災害時の家事(変な言い方だけど)を9月に考えてみましょう。まず、災害時の準備をするにあたって考えて欲しいのは、自宅が被災するとしたら、どんな種類の災害なのかということです。一口に災害と言ってもたくさんありますよね。地震か津波か河川の氾濫か、はたまた火山の噴火か。当たり前ですが、そのいずれなのかで備えるべきものも避難場所も変わってくるはずです。
もし見当もつかない…(○_○;、というのであれば、各自治体が出しているハザードマップなどで一度確認しておくといいでしょう。ハザードマップを国がまとめているものはこちら↓
地震はコチラが解りやすいかもしれません。
自宅を入力してみてください。もうね、気分が悪くなりますから。日本ってホントに災害大国なんですね(ー_ー;。
もうひとつ、意外とイケているのが、地域のオトシヨリの話です。昔あった災害のことを覚えていて、その地域ならではの様子をもっとも詳しく知ることができます。我が家でもご近所さんが前回の洪水のときに社が流されそうになったから、神社を高台に移したんだとか教えてくれます。そう言われると、洪水時の浸水のスゴさをリアルに実感できるんですよ。まあ、人間関係の希薄な都市部ではなかなか難しいかもしれませんが。
また、ご自宅だけでなく
- 会社
- 学校
- 駅
- 塾
- 幼稚園や保育園
- 老人ホーム
- 病院
- そこへの道のり(電車・一般道路)
など、長時間過ごしたりよく使う場所も検索しておくといいと思います。思いがけない場所が比較的安全だったり逆に危険だったりすることもありますから。あるいは
- 実家や親戚の家
- 親しい知人宅
なども検索してみてもいいでしょう。
日本国内ならどこでも、完全に安全な場所などほとんどナイでしょうがその事実からしか防災準備は始まりません。思い当たるところは片っ端から検索してみるくらいでちょうどいいんじゃないかと思いますよ。
被災しそうな災害にアタリがついたら、次はその程度です。これもハザードマップなどからある程度の想像がつきますね。災害が激甚なのかそうでないのかで、備えておくべきレベルが違ってきます。激甚の範囲なら、どれほどやってもやり過ぎるということは ナイというレベルなんですよ。
ちなみに我が家の場合、洪水で重大な災害になる地域です。大きな川に近く、この川が集中豪雨などで氾濫すればかなりの洪水を引き起こし、広範囲の流域を浸水させてしまう恐れがあるんです。それに対して、地震はほぼ起きないと思われます。断層がなく過去にもまったく地震がありません。まあ、人間の 歴史の範囲内でナイだけで、1万年に一度くらい巨大地震が来るのかもしれませんけど( ̄∇ ̄)。
ここでは被害がほとんど出ないような軽い災害は、モンダイになりません。そりゃそーですよね。被害が出る前提でそれに備えておこうっていう ハナシなんだから。
生活に支障が出るほどの災害の場合、被災した方たちによると直後の3日~4日目から1ヶ月くらい~1ヶ月以上後では生活がだいぶ違うんだそうです。この時期の区別は、いわゆるライフラインの復旧の程度にリンクしています。つまり
- すべてのライフラインが止まっている時期
- 一部のライフライン(多くの場合電気)が復旧した時期
- 大半のライフライン(ガスまたは水道)が復旧した時期
です。すべてのライフラインが復旧した後には、家事という意味では通常に近くなり、むしろ次の段階として瓦礫や家財道具などの片付けなどがモンダイとなるのです。災害の大きさにもよりますが、このうちの「いつを想定した防災・準備なのか」をハッキリさせておきましょう。
これを確認した上で、まずは「直後の3日」を想定して準備しましょう。この時期は、自治体も国もご近所さんも、なにも出来ない状態です。一人ひとりがなんとかするしかない時期なんです。物資も救援も来ない(届かない)、ライフラインはすべて止まっている状態であり、つまりはもっともキツい時期なのです。
悲観的に備え、楽観的に過ごす。自然災害にはそんな強いこころが求められます。まずは悲観的に備えていきましょう。
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