読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋などさまざまな「秋」あれど、やはり楽しみなのは「味覚の秋」ではないでしょうか。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが、秋の味覚の代表格・秋刀魚(さんま)と梨について、美味しいものの見分け方などなど、知って損はしない情報を記しています。
味覚の秋 秋刀魚の巻
さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
(『秋刀魚の歌』(一部) 佐藤春夫)
まだ少し蒸し暑い日もありますが、秋の訪れをはっきりと感じる今日この頃です。秋といえば、味覚の秋。
先日もラジオでこの話題が取り上げられていて、「味覚の秋といえば何を思い浮かべますか?」という問いかけもありました。私がその時思い浮かべたのは秋刀魚です。
塩焼きにしてすだち、カボスなどをまぜたポン酢醤油で、大根おろしを添えて食べる。十分に脂ののった焼きたての秋刀魚がジュウジュウと音を立てているのを想像するだけでちょっと胃が動く気がするぐらいです。
秋刀魚は黒潮(日本海流)の周辺で生まれて餌を求めて北上します。親潮(千島海流)水域の冷たい水の中でたっぷりとプランクトンを食べて脂肪をつけながら太り、やがて親潮の動きに沿って南下し始めるのが8月半ばから秋の今頃ということです。秋刀魚の季節到来ですね。
昔から庶民に親しまれた秋刀魚ですが、栄養も豊富です。たんぱく質は、必須アミノ酸が全て含まれた良質なたんぱく質で、カルシウム、鉄分も豊富です。またドコサヘキサエン酸(DHA)や、イコサペンタエン酸(IPA)もたくさん含まれていて、中性脂肪の低下や血栓ができるのを防ぐ作用も期待できます。
こんな素晴らしくバランスの取れた秋刀魚ですが、美味しいものはやはり新鮮なものですね。見分け方は
- 口先が黄色ければよく脂がのっている。
- 黒い目の周りが透明で澄んでいる。
- 背が青黒くつややかで張りがある。
- 腹が銀白色に輝いて、パリッと張りがある。
(全国さんま棒受網漁業協同組合サイトより)
というところがポイントだそうです。今年はやや不漁…という気になるニュースも耳にしましたが,美味しい秋刀魚、楽しみたいものです。
味覚の秋 梨の巻
梨。日本で普段見かける梨は丸いものですが、少し縦に伸ばしたような、ひょうたんの上の部分が膨らんでないというような、ちょっと変わった形の洋梨もありますね。洋梨は洋梨であの香りが私は好きなのですが、今日は和梨について書きます。
梨の歴史は古く、日本では弥生時代にはすでに食べられていたようです。今のようなさまざまな品種が揃ってくるのは明治時代以降、特に「三水」と呼ばれる幸水、新水、豊水の3品種は戦後です。私が子供の頃(1980年代ぐらい)によく食べていたのは、二十世紀梨、長十郎だったと記憶しています。
日本の梨は大きく分けて、赤梨と青梨があります。豊水や幸水など皮が茶色いものが赤梨、二十世紀梨のように緑色の皮のものが青梨です。
美味しい梨を見分けるのはどうしたらいいでしょうか? 赤梨だと適度な赤みがあるものがいいようです。青梨の場合は、少し黄色っぽくなった頃が甘みが出てきた証拠だそうです。どちらにしても、形がいいことや、同じ大きさなら重みがある方、皮に張りがあることなどが、美味しい梨のポイントのようです。
梨はなんといってもあの瑞々しい食感がたまりませんね。梨はまず水分と食物繊維が比較的多いのが特徴的です。また,便をやわらかくする「ソルビトール」を含んでいるので便秘予防に効果があります。昔から「食べ過ぎたらお腹壊すで」とよく言われましたが、それなりに根拠があることだったようです。
美味しい梨、食べすぎに注意して楽しみましょう。
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