あの人と親しくなりたい、でもどうすればいいのかわからない……。そんなことを思った経験は誰でもあると思いますが、間違ったアピールで「逆効果」になるということもよくありますよね。そんなあなたに、精神科医のゆうきゆう先生が、メルマガ『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』で、親密度を上げるためのシンプルな方法を伝授しています。
「質問は相手の心を溶かす。」
さてあなたは、誰かと親しくなりたいと思ったことはありませんでしょうか。
そのためには、どうしたらいいと思いますか?
頑張ってアピールする?
とにかく誉める?
いえ。
実はもっとシンプルかつ効果的な方法があったのです。
今回はそんな話です。
大切なのは、要求より…。
実は心理学者のケイティ・リルジェンクィストは、多くの人を被験者にして、こんな実験を行いました。
まず被験者たちを「販売者」と「購入者」に分けました。
そして、その上で「不動産の販売」をシミュレーションしてもらうように頼みました。
その際に「販売者」に
・「最高価格で売る」ことを目的とさせた場合は、8%しか合意に至りませんでした。
しかし「販売者」に
・「価格の折り合いをつけるにはどうしたらいいか?」と質問させた場合。
実に42%が購入に至ったのです。
これによってリルジェンクィストはこう結論づけています。
「質問することは何より相手を喜ばせ、関係性を良くする」
これ、いかがでしょうか。
質問だけで、気持ちは引き込まれる。
実際に質問されると、人はつい答えを出したくなります。
例えばですが
「1+1は?」
「好きな食べ物は何ですか?」
「僕のこと、どう思います?」
などのように言われると、ついつい「答え」を浮かべたくなりますね。
しかし、
「1+1は2だ!」
「僕の好きな食べ物はバナナだよ」
「僕は君のことを好きだ」
などのように言われたら「そ、そうですか」としか話しようがありません。
反応に困ったりすることもあるでしょう。
「主張」というのは、一見すごく強いメッセージに感じますが、実は相手の気持ちに届かない危険性も高いのです。
しかし「質問」をすれば、相手は間違っても悪い気持ちにはなりません。
もちろん、よっぽどヒドイ質問であれば別ですが、たいていの質問にたいしては、すんなりと考えをめぐらせ、会話を開いていきます。
特にその質問が、
「どんな価格で折り合いをつければいいと思いますか?」
などであれば、
「そうだなぁ、●●なら…」
というように、つい歩み寄って、考えを進めてしまいます。
少なくとも「買う」という方向に向かって会話が進んでいくわけです。
アドバイスは、さらに気持ちを開く。
ほかにもいい点があります。
人間というのは「アドバイス」を求められると、ついつい「いい気分」になるものなのです。
それは「あなたはアドバイスを求められるほど優れた人だ、尊敬される人だ」というメッセージにもなるからです。
しかも重ねて、質問によって、つい「答えたくなる」もの。
そして、その結果、アドバイスをすることによって、あとから
「どうしてあのとき、自分はアドバイスをしたのだろう…? あぁ、それだけ相手の今後を考えてあげているからだ」
というように、思考を変えていく可能性は高くなります。
逆にですが、あなたが誰かに
「君について、アドバイスをしてあげるよ。君は今後、こうした方がいいよ」
などのように言われたらどうでしょうか。
「何だこいつ、何もわかってないのに」
と思ってしまったりする可能性もあります。
すなわち人間
「アドバイスをされる」よりも「アドバイスをする」ほうが、ずっと嬉しいものなのです。
よって、とにかく「相手にアドバイスを求める」というのは有効な手段なのです。
あまりに露骨すぎると
ただ、リルジェンクィストは、一点だけ注意しています。
それこそが、
「質問やアドバイスを求めることが、『明らかに、おべっか狙い』であると見抜かれるとうまくいかない」
ということ。
確かに実際、「わかっていて聞いている」とか「歓心を買いたくてアドバイスを求めてきている」というのが明らかに分かると、相手はいい気分になりません。
そのため質問はアドバイスは、なるべく本心である必要があります。
とはいえ、そんなに難しく考えなくても、
「何か疑問が湧いたときは、好きな人や、尊敬している人に聞く」
と覚えておけばいいのではないでしょうか。
すなわち「あの人にこんなことを聞いたら、嫌われるのでは?」「頼りすぎると、相手もイヤな気分になるのでは?」と躊躇する必要はまったくなく、「逆に好かれる可能性が高い」と考えて、ガンガン質問をしてしまうことです。
どうか覚えておいてくださいね。
今回のまとめ。「質問は相手の心を溶かす」
○ 実は「質問」や「アドバイス」を求めることは、相手の気持ちに近づく秘訣。
○ しかし露骨に意図を感じると、あまりよくない。
○ ただ本心から聞きたいと思うことを、好きな人に聞くときに、ためらう必要はない。
誰にとっても、頼られることは嬉しいことです。
「人に何かをしてあげた」というのは、それだけ自分の存在意義になるからです。
どんな人でも、一人で生きていくことはできません。
大切な人と「質問」を通して結びつき合うことが、みんなが幸せになれる一番の方法なんですよ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』第535回より一部抜粋
著者/大和まや・ゆうきゆう(精神科医・心理研究家)
あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。読めば心が軽くなり悩みも解消されるメルマガを月に2回のペースで配信中。
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