以前掲載の「英語ができず一生後悔。急な海外出張をチャンスに変えるノート術」で、グローバル会議での心得や英語の質問の特徴などを紹介してくれたメルマガ『金田博之のたった一冊のノートで出世する「一流のグローバル人材」への確実な道』の著者・金田博之さん。今回は、実際に「英語ノート」を作るとどんなメリットがあるのかを具体的にあげつつ、ノートをとる時のポイントも公開しています。
あなたの職場で英語ノートを使うとこんな「メリット」がある!
前回のおさらい
前回は、会社で「10分間のプレゼンテーション」がうまくいったと仮定してそのミニサクセスストーリーをノート(成長日記)に書く方法を説明しました。
成長日記の活用方法として
- 虎の巻
- 振り返りによる成長の実感
についてもふれました。
まだまだ全体像を説明しただけで、これからもっと詳細にノート術の工夫を説明していきます。
今日は、ノートそのものについてお話しします。
仕事をしている方は、必ずといっていい割合でノートをお持ちだと思います。
このメルマガで紹介するノート術を駆使していく癖を徐々につけるようにしていきましょう。
もし難しければムリして全てを英語で書く必要はないです。
そのうちお伝えしますが、いきなり全てを英語で書くのではなく、会議や打ち合わせの内容を箇条書き程度で英語でノートに書いてみる(例えば会議で決まったTo Doを英語で書く)。
会議や打ち合わせなどで得た重要なキーワードやセンテンスだけを英語で書いてみる。
など、自分ができる範囲からスタートしていただくとよいです。
「ノートをとるだけで、本当に英語が上達するのか?」
と思われる方もいるかと思いますが、答えはもちろんイエス。
このノート術が一番効率よく英語を習得することができる方法なのです。
今日は、 そんなノートを職場で活用する「メリット」についてお話しします。
ノートをとる人は勉強熱心、「合理的に内職」ができる
ノートは日々の仕事の中で大変身近な存在です。
どんな場面でも、ノートをとっていると「仕事熱心」、「勤勉」といった好印象を相手に与えることができます。
むしろ社内会議やお客様との打ち合わせでノートを取らない人を見て「大丈夫?」って思われるくらいです。
一方のパソコンはというと、会議中や商談の場などで使っていると、不真面目だという印象を持たれてしまうこともあるのではないでしょうか。
例えば、以下の写真は 社内のある会議(日本)で、「社内の課題が複雑なので、それをシンプルに整理しよう」を議論した時のノートの一部です。
これが、海外での会議だとします。
するとこのノートに書いている英語が実際にバンバンと飛び交ってきます。
つまり、英語でノートをとるようになると、自分に不利な印象を相手に与えることなく、仕事をしながら実践で使えるビジネス英語を習得することができるのです。(合理的な内職です 笑)
退屈な会議も英語ノートを使えば「合理的に英語学習」できる
どんなに退屈で眠たくなる会議であっても、英語でノートをとると決めた瞬間から重要な英語学習の場へと一変します。
社内はビジネス英語を勉強するための「材料の宝庫」 です。
だって、社内用語、仕事の用語がバンバンと飛び交うんですから!
これ、全て英語でノートに書けるようになり、そして話せるようになったらすごいですよ!
例えば、先ほどの写真で、ここでノートに書いている
Simplify (シンプルにする)
Complexity (複雑性)
Structure (構造化する)
Issue (課題)
Identify (特定する)
Root & Cause (根本原因)
はビジネスでメチャメチャ頻繁に出てくる英単語です。
英語でノートにまとめることでこうした言葉がスラスラでてくるようになります。
英語を習得するにあたって、社内で無駄な時間は一切なくなっちゃうんです。
例えば、社内の定例会議がつまらないとします。
だったらそこで会話されていることを英語でノートに整理しちゃいましょう。
仕事の時間を無駄にしないし、どんなことでもムダなく「自分の英語の成長材料」にしちゃう。
合理的です! (笑)
英語でノートをとることによって社内で過ごす時間が大変有意義なものになります。
わからない単語を「実践」で覚えられる
英語ノートによりリアルな実践英語を効率的に覚えることができます。
英語でノートを書いている時にわからない単語が出てきたとします。
気にしないでOK です。
ノートに日本語で書いておき、後で調べます。
例えば、先ほどの写真で「メカニズム」を英語でどう書くかわからない場合、わからないながらもノートに書いてみます。
これを後で確認して、「Mechanism」と確認できれば「あっ、hが抜けていた」ということがわかります。
困ったことは意識の中に残ります。
そして、困ったことを次に実践してみると記憶の中に残ります。
例えばこの会議で書きたいけど英語が思い浮かばない単語は全部、日本語で書き残しておいてOKです。
つまり、先ほどの
Simplify (シンプルにする)
Complexity (複雑性)
Structure (構造化する)
Issue (課題)
Identify (特定する)
Root & Cause (根本原因)
が全部わからなくても全然OK。
全部「日本語」でノートに書いておき、後で調べてみます。
言い換えると、わかる範囲で英語で書く。
実際の英語での会議はわからない単語を調べている時間なんてありません。
わかる範囲で英語を使うしかないのです。
その訓練になります。
間違いなく言えますが、そこで調べた英単語は社内で再び使う瞬間が確実にくるでしょう。
少なくとも、単語本で広く浅く「暗記」している英単語に比べて。
そう。
英語ノートにより、あなたの業界、あなたの仕事で、本当に使うビジネスの頻出単語を効率的かつ確実に覚えることができるのです。
英語ノートにより、即興で英語に翻訳してノートに記載する癖がつくため、徐々に英語脳になり、何でも即英語でレスポンスできるようになります。
英語ノートはいつでも使えるカンニングペーパー
ノートの利点は、まだまだあります。
普段から仕事の要点を工夫して英語でノートに書いていると、関連するページに戻ってカンペ代わりに使用することができます。
例えば、 先ほどの例
社内での複雑な課題を海外で議論することになったとします。
ノートに蓄積してきた単語はそのまま会議で使えます。
英語で会議をしているときにいつでもカンニングができるのです!
テストだとNGでも、仕事だとありです。(笑)
要は、結果を出しちゃえば!
実はこの話、事実に基づきます 。
私が前職で営業部門から企画部門に 移った時、ある社内の複雑な課題を整理したのですが、これが各国共通の課題だということでグローバル会議が開催されたのです。
私は日本代表で参加したのですが、この時ほど、英語でノートをまとめておいてよかったと思ったことはありませんでした。
ノートに蓄積してきた
- 課題のポイントと対策
- 英単語(特に頻出用語)
をそのまま、議論の中で使えたのです。
しかも、かなり具体的に。
例えば、会議である話題になったら関連するノートをパラパラとチェック。
そしてそこで使っている英語を活用しながら発言。
あるいは、ノートに書いている「これだけは話そう」というポイントまで会話が流れていくのを虎視眈々と待つ。
そしてそのタイミングが出たら、すかさず発言。(ポイント稼ぎ)
具体例をたくさん引き出せました。
それまでは、海外の会議で こうした材料に乏しく本番に臨んできたものですから、結局、実践単語が頭から出てこなく、フレーズを頭の中で組み立てている間にどんどんと話が進行していく。
結果、ほとんど話せずに終わりという悔しい経験をたくさんしてきました。
発言をしないとどんどんと参加者から取り残され、「早く会議が終わらないかな?」とそのうち心の中でギブアップ宣言。
その後、参加者で会食をする時は、全く自分の存在感がないままに、話すネタすらないから話しかけてもくれない。
ポツンと孤立して苦悩の2時間。
こんな経験を何度か繰り返すと英語がだんだんとイヤになってきます。
でも、その成功体験から、英語で仕事をするのが心から楽しくなりました 。
そして、自分が想像している以上に英語が一気に話せるようになりました。
誰もが、 強烈な成功体験をしないと大きな成長なんてできません。
備えをしないとチャンスはやってきません 。
私にとっての「備え」は英語ノートでした。
英語ノートでリーディング慣れする
さて、こうして蓄積した英語ノート振り返りに活用するとさらに効果的です。
例えば、こちらのノート。
1日一行でまとめていくと1週間分でこんな感じになります。
こちらの中身にはふれませんが、ここに書いていることは自分がまとめていることですので「英語を読む」ことに抵抗感がなくなってきます。
例えば、英語のメール。
ノートの振り返りにより英語メールを読むことにだんだんと慣れてきます。
今すぐにここまでできないかもしれませんが、読者のあなたには確実にこのレベル以上になっていただくようにこのメルマガでガイドしていきます。
英語でノートを書くようになれば「いつでも英語学習」ができる
このメルマガの第1号でお話しした英語を勉強したくてもそれができない理由に大きく3つの「ない」があります。(バックナンバーはこちらです)
それは
1. 時間がない
2. 実践の場がない
3. 続かない
でした。
これを解決するのが英語ノートです。
私は「効率的に仕事を進めることができ、なおかつ英語の習得もできる」このノート術を活用しない手はありません。