今回、公開された膨大なファイル(3,000件弱)は、真偽が不確かなメモの類も相当多く、分析にも多くの時間を要すると言われています。なかには、「ヒトラーは生きていて、55年までコロンビアにいて、その後、アルゼンチンに渡った」とするメモもあり、いまだに非公開の「ミッシングパーツ」が多いことから、真犯人を含む全体像の解明にはほど遠い状況です。
しかし、暗殺当時70%を超える支持率があり、FBIやCIAの権力を制限し、マフィアの壊滅を目指すなど社会の大改革を推進し、いまだに街中に巨大な写真が掲げられるほど人気があるケネディ大統領暗殺事件の全貌を解明する声は、米国内に大きくあります。なにしろ、この事件がきっかけで米国民は政府を信用しなくなり、今日まで続く米国のターニングポイントとなった事件だからです。
当時は、冷戦が厳しさを増していて、キューバ危機など第三次世界大戦直前と言われていましたが、ケネディとフルシチョフ首相の話し合いにより、危うく危機は回避されたことから、軍産複合体にとって都合の悪い大統領だったと言われていました。
また、暗殺される前に、政府紙幣の発行を財務省に命じる大統領行政命令が発令されましたが、FRBを所有する国際銀行家にとって、通貨発行権を剥奪される可能性があるケネディは、好ましくない人物と思われていました。結局、暗殺後、一度印刷された政府紙幣が世に出回ることはありませんでした。
今回、全文を公開しなかった(できなかった)のは、米国内に深い闇がまだまだ存在することを示しています。そして、その闇は現在も続いており、当時もいまも実は大きく米国の体制が変わっていないことを教えています。
180日後にもし、本当に全文公開に踏み切ったのなら、米国は半世紀ぶりの大きなターニングポイントを迎えるでしょう。社会が大きく動く知らせです。