昨今のブラック企業や過労死を巡る報道に触れるたびに考えさせられてしまう、「働くこと」の意義。古来より仕事とは苦行のようなものだったのでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』で著者の松尾英明さんが紹介しているのは、「職業とは道楽である」と言う、ある偉人の著書。平成の世を生きる私達にも大いに役立つと松尾さんが太鼓判を押しています。
教師の仕事も「道楽」に

『私の財産告白』
本多静六・著 実業之日本社
「職業に貴賎なし」の言葉は、解釈を間違えなければ、正しい。仕事は社会における役割分担であり、どの職業も欠くべからず、必要である(ただし、この場合の「職業」というのは、社会に役立つものを指す。窃盗団や詐欺集団の如きものは、この場合の「職業」とはいえない。社会の多くの人々への幸せに貢献しないからである)。
働くことは、尊い。歴史に名を残す大富豪は、どんなに富を築こうとも、働くことをやめない。労働が喜びだからである。
明治から昭和にかけて大活躍した、本多静六という偉人をご存知だろうか。日比谷公園の設計や明治神宮の造林等、数えきれないほどの功績と共に莫大な富を築いた人物である。
本多氏の次の本に、かの渋沢栄一氏の言が紹介されている。
●『私の財産告白』
渋沢氏曰く、本多氏がすすめているのは「職業道楽」なのだという。そして、金は「道楽の粕」であり、ついでに、また盛んにその粕を溜めることが肝要である。順番として、道楽、即ち生きる楽しみとしての職業があり、それに付随してお金がついてくるという考え方である。
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