「消費者が何を思い、何を欲しているのかわからない」という生産者の声をよく耳にするという無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさん。しかし、「あること」を実践すれば、両者の間の壁はなくなりファンを増やすことができるとのこと。小売店でも応用できるというこのテクニック、一体どのようなものなのでしょうか。
お客さまとの繋がりを築け!
一次産業の経営者たちは、消費者の顔が見えないことを嘆きます。消費者が何を思い、どんなものを欲しているのかが、わかりづらいからです。ニーズ・ウォンツを直接知ることができれば、「売れるもの」を生産することができ、効率化も図れます。
しかし、「そうは問屋が卸さない」と言うように、消費者との間には、問屋や小売店があり、直接話を聞くことはできません。そんなジレンマを克服するために、消費者と直接コンタクトを取る生産者が出始めました。
たとえば、養豚業を営む会社では、こだわりを持ち、手間ひまを掛けて育てた豚が、流通段階では、他の養豚場の豚と一緒にされてしまうことを嘆いていました。そこで、消費者に直接販売する方法を考えました。消費者に自社の育てた豚の美味しさを知ってもらうためには、まずは食べてもらわなければならないと考え、「バーベキューパーティー」を開催することにしたのです。これなら、消費者の感想を直接聞け、口コミも期待できます。定期的なイベントにしたので、話題性もあり、マスコミが飛びついてくれます。また、消費者に直接対することで、価格も自社で決められます。結果、ブランド化に成功したのです。
このように、直接消費者に販売する生産者は増えています。ごく一部ではありますが、農家や漁師、メーカーなども、直接消費者に販売するようになってきました。
消費者が「欲しいもの」を売る。それが、ビジネスの基本であり、成功するための絶対条件でもあります。そのためには、消費者との直接的な繋がりが欠かせないのです。声を聞かなければ、何もわからないのです。
生産者の話をしていますが、これは小売店でも同じことです。商品を並べて、お客さまを待つ。これでは、お客さまとの繋がりはできません。お客さまのことをもっと知ることが重要なのです。友だちだと言えるくらいの関係性を作ることで、その人の欲しているものがわかってくるのです。お客さまみんなが友だちなら、お店で扱うべき商品のすべてがわかるはずです。これで、迷いのない経営ができるのです。
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