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負けリーマンは研がない斧で研いだ斧の2倍の時間をかけて木を切る

「時間管理を制するものは仕事を制す」などと言われますが、実はそれ以上に大切なのが体調管理。体調が整っていなければどんなに時間を管理しようとも仕事は終わりません。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では、様々な仕事を抱える谷原先生が日々実践している体調管理法を紹介するとともに、そこから導き出した独自の「時間管理の考え方」を記しています。

時間管理の前に…

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

ビジネスにおいて、時間管理とは、自分の時間をどこに配分するか、ということ。部下を持つ人の場合は、これに「誰の時間をどこに配分するか」も加わります。これにより生産性の向上を目指します。

しかし、同じ長さの時間、同じ仕事をしたとしても、効率が良い時と悪い時があり生産性を大きく変えます。機械的に時間を割り当てても思うような結果が得られないこともあります。

そこで目を向けるべきなのが「体調管理」です。私は現在45歳を過ぎてから、大きく生活習慣が変わりました。

若い時は、平日でも夜遅くまで酒の席に付き合うことがありました。でも、若かったので、遅くまで飲んでも、次の日は朝から仕事をすることができました。お酒を飲む方なら知っていると思いますが、前日に飲み過ぎた日は、仕事の生産性が落ちます。集中力が続かず、作業が遅く、成果物の質も悪くなりがちです。

飲みの席へ参加することには、新しい仕事につながったり、同僚や取引先とのコミュニケーションが円滑になったり、確かにメリットもあります。しかし、年齢を重ね体力的に無理が効かなくなっていること、また仕事の内容が体力勝負から頭脳労働にシフトしていることを考えても、デメリットのほうが大きくなります

最近は、飲み会自体は参加しても、酒量を控えめにして、なるべく早く帰るようにしています。少し顔を出しただけで帰ったからといって、周りはそれほど気にしていませんし、不利益がないことは多いものです。

朝も早く起きるようになりました。若いころは、深夜まで仕事をすることは日常茶飯事。現実的に仕事量が多く、そうせざるをえないと考えていましたし、仕事で睡眠時間を削るのが当然、という考え(強迫観念かもしれません)もあったと思います。今回は詳しく述べませんが、この考え方は間違いですよね

しかし、今は仕事量に関わらず早めに寝て、早く起きる生活を崩さないようにしています。朝の時間は、頭がすっきりし、周りの邪魔も入らないので、原稿執筆などに効率的に充てています。

そして、忙しい時もほぼ毎日、トレーニングを行い食事での栄養バランスも意識するようになりました。睡眠・栄養・運動という健康の三原則に気を使い、体調は近年にない絶好調を保っていると思います。

そして、実験したわけではありませんが、健康が増進したことで仕事の効率は上がっていることも感じています。仕事の時間自体は長くはなくても、成果は大きい、つまり生産性が増しているのです。

そのようなよいサイクルが生まれると、仕事時間を減らし、睡眠時間に充てたほうが、時間あたりの効率だけではなく、処理できる仕事自体が増えることも考えられます。これは一般的な時間管理の考え方ではありません。仕事の処理能力自体を向上させ時間短縮をはかる、という考え方です。

こんな話があります。ある木こりが、毎日1本の木を斧で8時間かかって倒していました。有名な木こりがそこを通りかかり、「斧を研いだ方がいい。そうすれば、1本の木を4時間で倒すことができるでしょう」とアドバイスしました。しかし、木こりは、「私には木を倒すので精一杯で斧を研ぐ暇などないよ」と答え、再び仕事を始めました。

同じようなことをしないようにしましょう。私たちの体は木こりの斧です。不調であれば仕事に長時間を要し、絶好調であれば仕事は短時間で済みます。自らの体調管理は、時間管理のテクニックの前に考えておくべき重要なことだと思います。

今回は、ここまでです。

image by: Shutterstock.com

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人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などでもお馴染みの現役弁護士・谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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