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全米が「人工肉」の普及にマジになっている切羽詰まった理由

人工肉と聞くと、ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(完全菜食主義者)といった特別な人たちが食べるものというイメージが強いと思いますが、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNY在住の著者・りばてぃさん曰く「世界的プロテイン不足の発生や二酸化炭素の問題などで、人工肉・シーフードや培養肉が当たり前になる日も近い」とのこと。当たり前に食べられているものが食べられなくなる日は近いかもしれません。

世界的なプロテイン不足問題!?

最近、日本でも「ミートレスミート」など植物からできた人工肉についてのニュース記事が話題になっているが、世間の反応は全体的にいまいちよくない印象を受ける。

おそらく、なぜ、海外、特にアメリカで人工肉への注目や関心が高まっているのか、その理由が伝わってないからだろう。

ブログのほうで、人工肉を実際に食べてみたという記事を掲載予定だが、今回の多様性の記事では、そもそも、なぜ人工肉が必要なのかについて解説しよう。

いくつか理由があるが、大きくわけて

  1. 世界的なプロテイン不足問題
  2. サステナビリティ

の2つがある。

まず、1つ目の世界的なプロテイン不足問題

日本は少子高齢化が大きな社会問題なので、想像もつかないと思うが、今、世界ではプロテイン不足問題」への関心が高まっている。

不足問題というからには、不足するという危機があるということ。

都心部での人口増や、中流階級の拡大(特に中国などのアジア圏)によって、2020年ごろからじわじわと世界的な「プロテイン不足問題」が起き始めるとの調査結果が出ているのだ。

そのため、大手食品メーカーなどの食品業界関係者だけでなく、社会の変化に敏感な投資家たちや起業家の間では、プロテインに変わる商品や素材に注目が集まっており巨額投資事業展開が進んでいる。

プロテインに変わる商品や素材には、例えば、冒頭で挙げた「ミートレスミート」など植物を原料とした人工肉だけでなく、最新バイオテクノロジーを使って肉の幹細胞を培養して肉を生産する研究も進んでいる。

食物を原料とした人工肉は結局のところ植物だが、幹細胞を培養したものは本物の肉だ。

家畜牛のたった1つの幹細胞からでも肉を培養できる。

なんだか嘘みたいな話だけど近い将来、動物の殺傷なく肉を食べることができるかもしれないのだ。

この他には、藻類(そうるい)を使った人工肉もある。しかも、肉だけではなく、人工シーフードも藻類での生産開発がすでに進んでいる。

ニュー・ウェイブ・フーズというスタートアップ企業は、藻類を原料にエビを生産

原料は赤い色の藻類(そうるい)で味や食感もエビそっくりだが、赤いため見た目もエビそっくりなのだ。

しかも、栄養価は本物のエビよりも高いという。そこまでいくと本物のエビを食べなくても良いのではないかとも思ってしまう。

2015年にサンフランシスコで創業したばかりのため、一般の食品スーパーなどへは出回っていないが大手IT企業のグーグル社内食堂で使用されており、大量生産体制と生産コストを抑えることができれば一般に向けた販売がされるという。

2つ目の理由であるサステナビリティは、無駄な殺傷だけでなく、例えば、牛を生産する際に発生する二酸化炭素の環境への影響も含まれているのだ。

  1. 世界的なプロテイン不足問題
  2. サステナビリティ

についての情報がないと、「ミートレスミート」と言われても半信半疑になるだけで、自分には関係ないことのように思ってしまうがすぐ近い未来に、これまで普通に食べることができたものが食べられなくなる日は来るかもしれないのだ。

この辺りについては、興味深い話が山ほどあるので特集でも追い追い取り上げていきたいと思う。(つづく)

image by: shutterstock

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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