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話しかけるだけで操作できるAIスピーカー、結局どれが買い?

最近なにかと話題の「AIスピーカー」ですが、各社からさまざまなタイプのものが発売されており、群雄割拠の様相を呈しています。「値段のわりにできることが少ないような…」と購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』の著者で元アマゾンジャパン社員という経歴を持つMBAホルダーの理央さんは、Google HomeとAmazon Echoを実際に購入してしばらく使ってみた正直な感想を紹介しています。

Google Homeとその設置方法

2017年末、「AIスピーカー」が欲しかったので、まずは日本ではAmazon Echo(アマゾンエコー)よりも先に販売された、Google Home(グーグルホーム)を購入しました。

通常のもの(14000円)とミニ(6000円)とがありますが、今回は通常のものを購入。

その理由としては、実際のデモ機で確認すると、ミニよりもかなり音がいいことと、今回はビッグカメラで購入しましたが、通常のものにはGoogle Chromeキャストがついてきたからです(この時は、通常品2個で20000円か、クロームキャスト付きかを選べました)。

ちなみに、ビッグカメラで購入した理由は、他の販売店ではこのようなオファーがなかったから。

ビッグカメラさんは思い切った販促をしましたが、値引きではなく、ベタ付けのプロモーションにすることで、ブランド価値を下げずに販売促進ができていた、という感じです。

設置の仕方はいたってシンプルで、電源を入れ、グーグルホームのアプリをiPhoneにダウンロードし、自宅のWi-Fiに接続。あとは、アプリの指示通りにやるだけで、すんなりと接続できました。グーグルホームの取扱説明書も、いたってシンプルなものが1冊入っているだけです。

アップルは、取説をつけるほど複雑な製品は作らない、とのポリシーのもと、シンプルすぎるくらいの説明もないに等しい取説が有名です。

こちらはアップルほどではないにしても、「シンプルに操作ができますよ」ということを証明したい思いが込められているようです。

Google Homeでできること

AIスピーカーが出た段階で、ほとんどの人たちは、「何ができるの?」ということが頭に浮かんだはずです。

実際、今の段階で音声での指示でできることは、グーグルプレイミュージックやSpotifyなどの音楽アプリを通しての音楽の再生や、天気予報などの検索自分の予定などを調べるスマート家電の操作(私はやっていませんが)というところです。

今のところでは、正直に言って「できることは少ない、という印象はぬぐえません。

購入した初日には、「音楽をかけて」と話しかけると、私が普段あまり聞かない J-POPをかけたので、「ジャズにしてくれる」と再度話しかけると、「すみませんわかりませんもっと勉強します」と健気に答えを返してきました。なんだか、愛嬌がありますよね。

しかし、こちらも使い方がわかってきて、さらに(当然ですが) AIスピーカーだけあって、この頃はジャズを流してくれ、と話しかけると「わかりました。Spotifyから、”朝起きたてにいいゆったり目のジャズを流しますとだんだん学習してきているのがわかります。

私個人の感覚では、AIは万能ではないし、どこまでいっても万能であって欲しくないし、頼り切りたくはありません。

グーグルホームとアマゾンエコーを使って数日してわかったことは、人間の方が工夫をしないとまだまだAIは動ききらないという点です。

アマゾンエコーとの比較

新しいものが好きで、好奇心旺盛、マーケターの私は、Google Homeだけでは飽き足らず、アマゾンエコーも比較のために、買ってみました。

こちらはオフィスで使っていますが、まだ慣れなかった時には、アマゾンエコーに、「OK, Google」と声をかけてしまうという、AIスピーカーあるあるを、地でいってしまいました。

グーグルホームと比較してみると、設置のシンプルさや、音質の良さ、といった、製品の属性的な点はほぼ同じ、と私は感じています。

こちらの特徴は、対応しているアプリの多さとアマゾンプライムとの相性の良さが挙げられます。

一方で、今日の予定や天気予報は、私が、カレンダーやマップなど、Googleのアプリケーションを多用しているためか、グーグルホームの方が正確に感じられます。

近くの店を検索するときなど、より好みに近い検索結果と言えます。

やはり、 AIスピーカーのハードの部分よりも、プラットフォーマー側のコンテンツによって差が出ている、というのが現段階での違いなのでしょう。

AIスピーカーの今後

この AIスピーカー、日常生活において、今後はどのようなポジションになっていくのでしょうか?

私は、10年前のスマホのように、インフラに近いような形で日常生活に浸透していくと考えています。

やはり、話しかけるだけで操作ができる、という利便性はかなりのインパクトで、朝起きて、着替えながら天気やニュースを確認、音楽を流し、リラックスもできる、というのはとても大きな変化だと言えます。

さらに、スマホやPCからテレビモニターに、YouTubeやAbema TVの動画や映画を、キャストして映し出せる機能と合わせると、家の中での生活が違う次元に行く、と感じます。

しかし、一朝一夕でこのような変化が起きるわけではなく、まだ道のりは長い、とも感じています。

今、百花繚乱に各社がAIスピーカーを出していますが、そのうち競争が激しくなります。

そうなると、やはりコンテンツソフトウエアが充実していること、AIスピーカーだけではなく、周辺機器の充実度が合わさって初めて顧客に選ばれることになるでしょう。

ここでもハード面の属性の勝負をしていては、最後に価格競争になり体力のない企業は負けていく、という構図は変わりません。

今後、AIスピーカーとユーザーの会話が一方通行で連続の会話が成り立たないことを、どう改善していけるのか、学習機能もまだまだなので、いかにユーザーの希望に近い結果を出せるのか、このようなコンテンツの充実に勝てる企業が競争に勝つ、ということになりそうです。

image by: GaleanoStock / Shutterstock.com

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