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「客を集める」と「客が集まる」の違いが判らなきゃ商売はアウト

商売やビジネスで最も重要なのは集客、と考える方は多いものです。もちろんお客様に来てもらわなければ成り立ちませんし、集客は重要な要素ではあるのですが…、今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、「集客依存症」がもたらす弊害について詳しく解説しています。

集客するという考えは捨てる

マーケティング=集客、といった解釈により、その手のビジネス本やセミナーで、小手先のテクニックを習得し、どんどんと深みにはまっていき、本来やるべきことを蔑ろにし、自転車操業もままならなくなっている経営者や店主は結構います。

そして、そうやって深みから抜け出せない経営者やこれから起業します、とか、新規事業を新たにはじめます、とか新店舗を開店します、という相談で最も多いのが集客です。そう、書籍やセミナーで集客について学んでいるのにも関わらず、集客に関する相談をしてくるのです。

「ようやく準備が整いました。でも、どうやってお客さんって集めたらいいのですか?」

「集客しようと色々やってみてるんですが、効果がありませんので、アドバイス下さい」

といった具体に。

こうした人達の共通している点は、業績を安定させるとか、売上を伸ばすために最も大事なことは集客であると思い込んでいる、ということです。集客が何をおいても大事だと思い込んでいる、ということです。

確かにお客さんがいないとビジネス、商売は成り立ちません。お客さんに来ていただくことは重要なことです。そのための宣伝や広告も重要なことです。ですが、最も重要ということではありません。「商売やビジネスで最も重要なことはなにか? というのが集客ではない」ということは、ちょっと冷静になって考えれば分かることなのです。

必死になって「集めることがいか無駄かということは、実に単純な話です。たとえば、1,000人のお客さんを必死でかき集めて、そのうちの10人がお得意さんになってくれるよりも、100人のお客さんが自らの意志でやって来て10人のお得意さん、になってくれるほうが、健全な経営状態であるのは明らかです。

よく見込み客を集めて成約率を上げることが大切とか、反応率を上げていく方法とか言いますが、そのようなことばかりにフォーカスしているとアウトです。お客さんを数字でしか見られないようになったら商売、ビジネスなんて出来ません。お客さんは数字ではなく血の通った人間です。大袈裟ではなく、実際数字でしか見えなくなっていきほんとに大切なものを見失っていくのです。

なので、全うな商売、正しくビジネスをしようと思えば、集客はお客さんを集めるという考えをリセットしなくてはなりません。もっというと、集客という考えを捨てることからはじめなければならないのです。

とはいっても、言うが易しで、これが中々出来ることではありません。リセットしなくちゃいけない人ほど、「背に腹は代えられない」という言葉を大義にして自分の立てた事業や会社への信念すら簡単にひょいっと折り曲げて集客しなくちゃ! ってなってしまうのです。

「そんなことは言われなくてもわかってる」といっても、売上が落ち込んだり、客足が伸びないときには、ついつい集客のことばかりを考えてしまい、実際に採算の合う広告かどうかも分からないものに手を出したり、なんちゃらマーケティングってのがアツイらしいから、とりあえずやってみる、という人は多いのです。それでも「分かっている」と言いたいことも分かります。

でも、頭で分かっていることと理解することは違います。それは言われたことに対して分かっているだけのことであって、理解できていないということです。表面的なところにしか意識が向いていません。何をおいても集客が大事、というように集客ありきで商売、ビジネスをすると辛くなるのは結局、自社、自店であり、自分自身なのです。

仮になんらかの方法で集客に成功したとしてもまたしばらく経って、「あれ~? あのときは上手く行ったのにな~」と同じような悩みを繰り返す経営者や店長職の人はほんとにたくさんいます。

集客ありきで考えているからそうなるのです。言ってみれば、最初から履き違えているということすら分かっていないのです。なので、集客について悩んでいる、という時は、根本的な考え方から矯正していくしかありません。もしあなたが、集客で悩んでいるとすれば商売、ビジネスモデルが正しく出来ていないという状態であるということに疑いを持つことです。若しくは、マーケティングというものを根本から正しく理解する必要があります。

そして、集める…ではなくて、集まってくるには? を徹底して考え実際に取り組まなくてはいけません。「集める」と「集まる」言葉は似通っていますが、意味合いは180度違ってきます。意味合いが180度違うということは、取り組み方も180度違うということです。

御社では、お客様を集めるではなく、お客様が集まってくるそんな状況を創り出すにはどのような工夫や取り組み方が考えられますか?

■今日のまとめ

『集めると集まるは180度違う。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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